車が通る | 実録 ヤング島耕作

車が通る

「車が通りまーーーす!!」

出社時、

門をくぐり自分の棟まで構内を歩いている時の出来事である。



「車が通りまーーーす!!」

警備員が自転車に乗りながら、叫んでいた。

見たらわかる!!

と誰もが突っ込みたくなるような光景を朝一で目にした。


警備員の自転車は車を先導していた。


○車の特徴

・黒塗り国産車

・リアウインドはもちろんスモーク

・フェイクでは無いと思われる電話用のアンテナ

・もちろん運転手付き


そうです。

VIP車です。


それもハイクラスのVIPだと思われます。

警備員がVIP車の妨げにならないように下民共を蹴散らしているのでしょう。



ご丁寧に「VIPが乗ってますよ~」って周りに教えながら登場してます。

俺が腹に爆弾を巻いたテロリストなら、間違いなくこの車に突っ込むでしょう。



しかしまぁ、この危機管理が必要な社会にどうして、こんな危険なことを平気で出来るかが不思議です。

平和ボケも甚だしいですね。



甚だ滑稽な光景にふと、頭によぎった。


「チンドン屋ってこんな感じなんかなぁ!?」

チンドン屋自体は見た事ないです。


警備員をチンドン屋に置き換え、セリフを

「街にサーカスが来るよーーー!!」

と勝手に置き換えた。


我ながらクダラナイ発想に苦笑した。



もし、自分が出世した時は、こんな恥ずかしい登場は止めようと思った。


もし、自分が出世した時は・・・




まぁ、


出世など有り得ないしなぁ。