F自伝 | やわらかな光 ~ヤングパーソンクラブの部屋~

やわらかな光 ~ヤングパーソンクラブの部屋~

ヤングパーソンクラブ a.k.a. ヤンパクラ

ああ眠い、冬の日差しはなんでこんなに眠気を誘うんだ。

1月31日、晴れ。

俺は西日の当たるベッドに横たわり、見たことはないがどこにでもいそうな『親近感のわく』、といっても実際に会えばドキドキするのだけれど噂ではどんな男とでも寝るらしいから、と思うことで諦めるしかないような女子が表紙の雑誌を読んでいる。カラーページの特集では、パステルカラーの服を着た若い男子達が、どれも不自然に自然なポーズで写真に写っている。

ベッド横のローテーブル、イケアで買った豚の内臓のような赤いテーブルからタバコを取り、火をつけた。煙が西側の換気扇に流れて行く、部屋は換気扇の回る音と通りを行く車の音しかしない。オーディオもテレビもつけず、ただ、ベッドに横たわるだけ。

俺、『F』こと富士原健一は、夜勤のアルバイトまでの時間を、毎日そんな風に過ごしている。時間はあるのだから退屈しのぎに日記をつけることにした。


それは、単なる退屈しのぎのはずだったんだ・・・・