昭和17年、有三はラジオ放送で、「隠れた先覚者小林虎三郎」の講演を行った。昭和18年に出版された山本有三の「米百俵」(新潮社)は、前半部分は二幕の戯曲である。
はしがきには
「米をつくれ。」「船をつくれ。」「飛行機をつくれ。」と、人々は大声で叫んでおります。もちろん、今日の日本においては、これらのものに最も力をつくさなければならないことは、いうまでもない話であります。しかし、それにも劣らず大事なことは、「人物をつくれ。」という声ではありますまいか。長い戦いを戦いぬくためには、日本が本当に大東亜の指導者になるためには、これをゆるがせにしたら、ゆゆしき大事と信じます。
(中略)
ここまで書いてきた時に、はからずも、山本元帥の壮烈な戦死の知らせを耳にして、私は言葉が出ませんでした。きょう、このいたましい放送を聞いて、かしらを垂れなかった日本国民は、ただのひとりもいないと信じます。私は元帥のお名まえをこの本のなかになん回となく引用させていただいているだけに、ひとしお胸を打たれました。英霊に対したてまつり、ここに限りなき敬慕と哀悼のまことをささげます。
  昭和18年5月21日                      山本有三

 

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