「 君は話が上手じゃないな。 そんなんで営業ができているのか? 」
「 は、はい。すみません。 」 と頭を落とした。
「 営業マンというのは相手を説得して強引に無理にでもこっちの思惑通りにもっていくもんだ。
ときには1のものを10と言って買ってもらうんだ。
そういうこと君できてるのか? 」
「 ・・・・・・ 」
「 何で返事もできないんだ。だいたい、このくらいで切りかえしができないんだったら
客先でどういう風に話しているんだ。 」
「 ・・・・・ 」
「 もういい。君は来月から現場に入ってもらうよ。いいね。 」
一方的だった。何も言い返せないまま、いや、上司に言い返すというのはよくないので
自己弁護をする間もないまま問い詰められた。
「 考えさせて下さい・・・。 」
確かに俺はそれほど口が達者でもなく、思ってもないようなお世辞を口にしたりできるような
器用な人間じゃないし、説明も上手じゃない。
でも・・・・・お客さんを誰よりも大切にしているし
顧客第一をモットーにお客さんのお役立ちができるよう心掛けてきた。
その甲斐あってか、お客さんの信頼も得ていて営業には自分なりの自信を持っていた。
しかし、組織に属する上で重要な事は評価である。
いくら対外的に信頼を得ていても社内の人間に評価されなければ仕事はできない、任せてもら
えないのだ。
いわゆる社内営業という奴が優先される社会なのだ。
どうしたらいいんだろう。
部長のあの様子おどしではなく本気のようだし・・・。
つづく・・・