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あなたを嫌いになれればよかったのに。

あなたを憎んで

あなたに怒りをぶつけて

それでも

仕方がないと言えるあなたに

絶望し

自分の存在の軽さに嫌気がさして

何も期待しないように

何も望まないように

せいいっぱいの思いで

笑顔をつくる。

あなたに

うそをつくことなんて簡単だった。

簡単にだまされるあなたを

うそだと気づかないあなたを

残酷な目で笑いながら

心のなかで

気づいて・・・って叫んでるんだ。



あなたに望んだことはたくさんあったけれど

私があなたに求めたものは

たったひとつだけ。


「母」を



私があなたに求めたものは

「母」のあなた。



あなたが

誰であろうと

何を思っていようと

何をしていようと

私の「母」でいてくれればよかった。



あなたの懺悔で

あなたがただの一人の人間だと

私の「母」である前に

あなたも一人の女性であり

       妻であり

       嫁であり

       

あなたがただの一人の人間だということを知った。


私にとってのあなたは

「母」でしかなかった。



あなたが私に求めたものは何?


私の思いがあなたを苦しめていたなんて

知らなかった。


私に完全な「母」を求められて

苦しかったんだね。


女性でいることも

妻でいることも

嫁でいることも

一人の人間でいることも

ゆるされず

「母」でいることを

求められる。


私も

完全な「子ども」を求められて

苦しかったんだよ。


大切なのは気持ちだって言うけど

言葉にしてほしい時もあるんだよ。

いつもいつも気持ちがみえなくて

気持ちがわからなくて不安だから

確かめたくなるんだよ。

お願いだから

安心させてよ。

大好きだよって

抱きしめて頭をなでて・・・



でもわかる。

これは言わない方がいい。

ううん、言えないんだ。



子どもらしくない私を

何も話さない私を

こわいと言ったあなた。



笑ってごまかしながら

私も

自分がこわかった。


だから

守ってほしかった

助けてほしかった

ただそばにいてほしかった


「母」でいてほしかった。


それだけでいい・・


多くなんて望まないから・・・


私を苦しめるあなたを

私が苦しめている。


あなたに言いたいことはたくさんあるのに

言葉にならない。


あなたを嫌いになれれば

得意のうそで

「大嫌い!!」

て言えるのに。。。


何度も嫌いになったけど

本当に

あなたを嫌いになったことは一度もなかった。

嫌いになんてなれない。


あなたを愛しているから。



あなたが私の「母」でなかったとしても

それでも

あなたを愛してしまう私だから。


あなたに「自由」でいてほしいよ。


あなたに「母」ばかりを求めてごめんね。


もう完全な「母」でいなくてもいいよ。

それでもあなたは私の「母」だから。

それでも私はあなたの「子ども」だから。


私のなかの子どもは

まだあなたに「母」を求めて

大暴れして

大泣きして

あなたを支配するかもしれない。


でも私が守るから。



あなたはただ、蝶のように「自由」に

大好きなお花と

楽しい時をすごして。


自分のことより

まわりをいつも優先してしまうあなたが

悲しかった。


もっと自由でいて。


私も完全な「子ども」をやめるから。


ただの自由な人間に戻ろう。


お互いの不完全さを愛し合おう。



そして時々

「母」と「子」に戻ろう。





完全じゃなくても

いっぱい愛をもらってたよ。

ありがとう。

大好きだよ。








                    (5月11日 ~母の日~)