内臓から大量出血した場合は
透析患者として処方されていたバイアスピリンという血液をサラサラにするお薬は
逆の効果をもたらせてしまうのに…
私は父に、きちんと飲むように声をかけてしまいました。
あの日、あの時、悔やんでいます。
父は、痛みを訴えて急に倒れて亡くなったわけではありません。
トイレや台所、ベッド…
色々なところへ移動して苦しんだ形跡がありました。
命の危険を必ず察知できていて
亡くなるまでに時間が少々あったようです。
だったら、
どうして、救急車を呼ばなかったのか？
どうして、誰かに電話をしなかったのか？
携帯電話がある世の中ですよ。
どうして、どうして…SOSを出さなかったのか
悔やみながら
父の最期の気持ちをずっと考えていたのです。
ここからは私の予測を聞いてください。
父がSOSを出せずに亡くなった理由をあげてみます。
辛いけれど
どなたかのお役に立つことがあればいいなと思い
書きます。
お昼に私と電話をした後、
ヘルパーさんにお風呂に入れてもらった父。
これが最後の生存確認です。
しかし、この後デイサービスの職員さんが、たまたま父に電話をかけているのですが
父は電話に出なかったようです。
なぜ父が電話に出なかったのか…
すでに亡くなっていたからか？
いえ、お風呂に入ったことで父は普段つけている耳の補聴器を外しました。
その後、補聴器をつけずに過ごしていたのでしょう。
着信には気づかなかった！
普段から補聴器をつけて寝ることはないですし
誰かと話す時、テレビを見る時以外
父は補聴器をつけずに自宅で過ごしていました。
何も聞こえない。
そんな中で
体調が悪くなってしまったのでしょう。
大量の吐血・下血をすれば血圧も下がり
意識も朦朧としてきます。
緊急の電話をしたかったはずですが、
そのためには補聴器をつけなければなりません。
過去の脳梗塞から少し手に麻痺のある父は、
小さな補聴器の電源を入れて耳につける作業を
意識が朦朧としてきている中ではできなかったのでしょう。
相手の声が聞こえない状況に追い込まれ、
（とにかく119番通報をすればいいじゃん！）
さらには、苦しくて喋ることができなくて
携帯電話で話すことが不可能だったのでしょう。
そうこうしているうちに動けなくなって
最期はベッドに座って…
これが、残された室内の状況と
父の障害や性格を考えての娘の推理です。
こんなことが必ず起きると予測できていれば
事前に対策ができたのに。
私は、以前
独居の父の病変に対応するために
「緊急時のナースコールのような通報装置を父のために設置したい」とケアマネジャーに相談したことがありました。
大阪市では緊急通報システム事業というのがあると教えてもらいました。
しかし、この事業は
通話型の緊急装置の貸し出しであることと
緊急時に5分以内に駆けつけられる支援者の登録が必要でした。
そんな夜中でも駆けつけてくれる支援者も周りにいないし、
ボタンひとつで、何も話せなくても緊急を知らせられるほうがいいと思った私は
事業を利用しませんでした。
民間のセコムやアルソックには
SOSを簡単に知らせられる装置があったけれど
セコム 月額5000円、初期費用50000円
アルソック 月額3000円、5年契約のみ（解約金が必要）
金銭的な負担がありました。
今ならお金を払ってでも
父には緊急通報装置が必要だったと実感していますが
亡くなってからの後悔で…
それまでは躊躇してしまうものですね。
ぜひ、
父と同じような環境にある方には
何かしらの対策を考えてあげてほしいです。
そして、独居高齢者が増える中
こうした緊急装置がもっと普及してほしいです。
利用される方が増えれば
助かる命も増えると思います。
私の後悔です。
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