阪神淡路大震災から25年。
私は11歳だった。
あの地震の時、まだ寝静まっていた我が家。
突き上げるような強い揺れで目が覚めたら
隣の部屋から金庫を抱えた母が飛び出してきて
階段を下りていった。
「え?!金庫持って逃げた…?」
強い揺れの中、
重い金庫を抱えて階段を下りることは
どれだけ危険なことだっただろう。
そして、あのときから
金庫には腹を痛めて産んだ子供よりも
大切なものが入っていると認識した。
しかし、今やその金庫も、空っぽ。
大切なものって何だろう…?
やっぱり、命ですね。
それ以上に大切なものって、ない。
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