夜、母を寝かせてから
私は近所の居酒屋にでかけることがある。
私のストレス発散だ。
ドアに外から鍵をかけてでかけるので
万が一母が目覚めても
外出することはできない。
昨夜も2時間ほど居酒屋にいた。
ここで私は友達と会うことができる。
結構遠くからここまで、
この時間に、
友達が会いに来てくれることもある。
そんな昨夜も居酒屋で楽しく飲んで
家に帰ったら・・・
ありゃりゃ!
母が起きていた!!
「陽子や~!どこ行ってたん?!」
「起きてしもたんか?」
「起きたよ!一人ぼっちで、どうしたらええのかわからんから
泣いててん」
駈け寄ってきた母は泣きべそをかいている。
まるで迷子になった子供みたいに。
母なのに・・・
(私が泣きたいわ)
「大丈夫やで、近くにおったから」
部屋の中を見渡すと、
色んな物の配置が変わっている。
散らかっている・・・
「娘がいない」と不安が募る中、
母はせっせと部屋の中を散らかしたのだ。
(やっぱり私が泣きたいわ)
母の背中をさすって
落ち着かせて、
二人で泣きべそかいて、
眠りに入ったのさ。
おしまい。