昨日、デイサービスから19時に送られてくるはずの母が


19時半になっても帰ってこない。



そしてデイサービスから電話がかかってきた。



「スタッフが少し目を離している間に


お母様を見失いました。


今、捜索中です、すみません」



という連絡だった。



私はすぐさま自転車を出して、母の捜索を始めた。


ケアマネに連絡すると、すぐに探し始めてくれた。


友達も出動してくれた。


今日もまたみんなに迷惑かけちゃう。


ごめんなさい。



先月と同じことが起こってしまった。


あのときの恐怖がまた思い出される。

1時間が経過した。


母は見つからない。



デイサービスは警察に届け出た。


道道で警察とすれ違うようになった。



1時間あればかなり移動できる。


どこまで行っただろう・・・



早くみつけなければ、命の危険もせまる・・・


近くには踏切。


振り返れば、暗い山。



山道の自転車は足にくる。


一瞬でパンパンになった。


となり街に行ってみた。


気がむくままに、とにかく自転車を走らせた。



こんなときは考えてはいけないと思いながらも、


最悪の事態を考えてしまう。


(母と最後に交わした言葉は・・・)


(今朝、焦げた食パン食べさせてごめんね・・・)


涙が溢れて、道が歪む。



捜索から2時間。


もう私の頭も体も限界をむかえていた。



そのとき、デイサービスから携帯に連絡が。


「見つかりました」とのこと。



とにかくホッとして、しばらく動けなかった。



デイサービスに駆けつけたら、


そこにはニコニコとした母がいた。


「陽子~。どこいってたん?」


だってさ。



「このくそボケ!」って叫びたかったけど、


「迎えに来たよ」と笑顔で母の手を握った。


温かかった。


よかった、冷えてない。



どうやら、スタッフが電話対応で目を離した隙に


母が抜け出したらしい。


職員から平謝りされた。



いやいや、こちらこそご迷惑をおかけしました。


どうか・・・母をクビにはしないでください。