~物忘れの始まり~

   (平成16年)



陽子 「明日の朝は6時に起こしてね♪」


母 「はーい」



母は毎朝6時には起き、家族のお弁当を作り朝食を作り、パートに出かけるとても忙しい人だった。生真面目で、正直者。まっすぐに生きてきて、笑顔の耐えない人だった。


その母が、昨晩の会話を忘れ、朝起こせなくなったのは今から5年前。


最初は誰しもが「しっかり人の話を聞け!!」と怒ったものだ。



陽子 「今日はお弁当いらないって言ったでしょ!!」


母 「え?!そうだけ??」



こんな物忘れが、まさかアルツハイマー病の前兆だったとは家族が知る余地もなかった。



私は母が大好き。



辛い時、悲しいとき、寂しい時、いつも母が笑顔をくれた。


なんでも話を聞いてくれた。なんでも応援してくれた。



泣くときは一緒に泣いて、笑うときは一緒に笑った。


だから母の病気も、一緒に闘うんだ!!



でも本当は・・・すごく不安・・・