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HOTEL LEVEL02.2 〜03




ここまで来て何とっ!!

2階から3階へ続く階段が何と、途中で焼け落ちてしまい、俺達の行方を遮っていた。




しかし、普段から階段の手摺りを滑り慣れている俺達はそんな事には動じない。

だが、ここで一緒に入って来た学生達は、さっきのラップ音を聞き、焼け落ちた階段を見て、これ以上は行けないと思ったらしく、Give up!!


「ここで待ってる」


と言うので、俺達は彼等を残し、“ヤマカシ”で慣らした俺が先陣を切り、2階のエントランスまで1度戻り、廊下で10メートルほど助走を付け途切れた3メートルまでの階段を60%位の走りで駆け込み、走り幅跳びの如く、焼け落ちて無くなっている階段脇の壁に飛び込み、更にその壁を2歩分位一瞬走った所で壁を蹴り、身体を捻り540゜回転させ、3階側の焼け残った段板にその様子を見守るメンバーの方を湧き上がる歓声の中、向きながら着地する。



それに、続き他のメンバーも似た様に、壁や手摺り各、

途中、壁を蹴るタイミングが遅く、助走足りずに落ちそうになり仲間を先に上がった3人で掴み引き上げ各、

それを見た最年長のクリスは少しビビッタのか?

始めに位置に付いた場所より、5メートル程後ろに下がって助走距離を延ばし、壁伝いに3階へ上がる。


それを見ていて、その距離カラなら安全に飛び越えられる。



と見込んだ残り2も、クリスと同じ場所から続けざまに駆け出し、2人がほぼ同時に、




各々が渡り安い方法で、7人全員が3階へ駆け上がる。


こうしてメンバーが揃った所で3階のフロアーへとのぼった。






3階の廊下に出ると、そこは2階とは全く違い、天井全体が焼け焦げ、所所が焼け落ち4階部分がみえており、部屋の壁も至る所が焼け落ち、部屋の向こう側が見えていた。


その様子からも、当時の火災がどの程度のものだったかが見て取れた。



3階には別ルート、
(多分、俺達が地下1階から2階へ上がった、続きになってるSTAFF用通路を通って来たであろう)

先客が奥の方に数名居るが話し声や姿、足音等から判った。



暫く立ち止まり、辺りを見渡した俺達は先ず手初めに一番近くの部屋に入る事にした。


ただ、
俺には、
3階に着いてから、ずーっと気になって居たのが、3階だけ妙にあちこちが軋む音が聞こえる事と、


その軋み音に混ざって、建物自体が小刻みに揺れている事だった。




俺はこういうスポーツをやっているせいか、微妙な揺れを他の人より良く感じるのだが、こね時は昼間の大会と打ち上げパーティーの疲れもあったから、この時は気のせいだと思っていた。

HOTEL LEVEL02




1BからSTAFF用通路の階段を上がりそのまま2階へ行くと、再び1階のレストランよりはこじんまりとした厨房に出、


一瞬呆気に取られていると、ふとデジカメを手にしたスコーゲンがさっき1階で撮った案内図を見ると、どうやらソコは2階にあるカフェの厨房だと言う事が判り、厨房はもう飽きてるので適当に見てすぐフロアーに出ると、何故か?2階のカフェには椅子やテーブルは手付かずのまま昔からその場所に置いてあったと思える位置に置いてあった。


辺りを興味深く見回すメンバーをよそ目に俺は、カフェの窓から外を見下ろすと、来る時は降っていなかった雪がシンシンと降りしきり、地上にはロビー側の階段を伝って降りたであろう先客が急々と車へ小走りで戻って行く数名の人影が見えた。



車に乗り込むのを見届けた俺は振りえり、あちこちに散らばるメンバーの大体の数を確認すると。



ふと目が行った、赤や透明、青色で同じデザインの花を挿す花瓶が気になりつつ(←ココが日本だったら、多分持ち帰った^_^;)も、メンバーと共にカフェを後にした。



このHOTELの2階にはなにやら訳の判らない部屋が続き、


この場所に先に来た連中がそうしたのだろう。


ネットに書いてあったルール通り通路を挟んで対角に並ぶ、各部屋のドアが開かれて居た。




ここでまた俺達の悪い癖で、自分達が入った部屋は一目で解るように!


と、敢えてそのルールを破り、

入った部屋のドアはすべて閉めて行く事にした。




そうして2階にある全ての部屋を見終わる頃、今までは全く気にならなかった焦げ臭い匂いが辺りに立ち込めて来るのを感じ、


「何か焦げ臭くないか?」

と訪ねたところ。
入口から行動を共にしていた学生ら4人と、俺達スキーメンバー3人はその事に気付いた様だが、残りの4人には判らない様だった。


そして、その階突き当たり最後の部屋を出、ドアを締め切ろうとした瞬間、3階の天井側から


パァンッ!!



と、銃声にも似た大きな音が鳴り、

まだドアを完全に締め切っていない事から、ドアを締めた音でないのは一目瞭然だった。

その激しい大きな音がした方をそこに居た誰もが、



「おいおい、マジかよっ;」


「今の聞いたか!?」


「あぁ、確かに聞こえた…」


「今のって、ラップ音だよなぁ…;」




と、息を飲む中



俺の心の中には恐怖と言うモノは全く無く、むしろこれから訪れるファンタスティックな出来事に期待が膨らみ、武者震いを覚えた。





今回のメンバーはこういうの大好き人間の集まりだったので、臆するどころか急ぎ足立って3階へ続く階段へと、

これから起こりそうな予想を話しながら向かった。

HOTEL LEVEL01B




STAFF用の通路・階段を下り地下1階に着くと、その通路には良く洋画で見掛ける布が朽ちた洗濯物を入れるキャスター付きのフレームが幾つも騒然と列び、そのスグ脇にクリーニングする無駄に広い部屋があり、コレまで得に霊障と思われるものはなかったが、

この時からとうに壊れて動かなくなっているだろうと思われる機械が動いている様に思える、低く聞こえ始める



      ゴォーオォォォーッ


っという音、



「おいっ、なんか音聞こえないか!?」

という俺の問い掛けにメンバーの数人が答えた。

「あぁ、」

「チョット前から聞こえだしたなぁ」
「俺だけかと思ってたよ(^_^;」


時期が時期だけに、

「多分、外で強い風でも吹いてんだろう…」


と、その場ではそういう結論に達した。





腐った布や天井からぶら下がったアイロン、ドラム式の洗濯機、
その他日本のクリーニング屋なんかで見掛けるより遥かにでかいアイロン台や霧吹き等ばかりで、得に目欲しいモノは何もなく、


クリーニングルールを出て暫く廊下を歩くとSTAFF用のロッカールームがあり、中に入り立ち並ぶロッカーを次々開けて行くと中には、当時の従業員の物であるだろう…

と思われる私服などが不気味に床等がな散乱し残されていた。


1つのロッカーを開けて中を覗いていると…


ふと背後で誰かが着替えをしてる気配を感じ、

『まぁーたEric の悪戯だなぁ』
と思い、
笑みを浮かべながら後ろを振り返りながら

「おぃ、Eric いい加減…


そう言いかけると…



ソコには誰もおらず、
さっき確かに開いて中を見た後、閉じたハズのロッカーの扉が開いていて、悪戯してると思ったEricの姿は自分から散乱し3メートル位離れた視界に入る場所で、床に落ちた雑誌を照らしながらソレを足でめくっていた。



それをみた瞬間、

一瞬ゾォーッとしたが、スグに

『気のせいか?』



と思い、
Ericのもとにより


「Hey Eric 何見てるんだ?」


と肩に手を回しながらそう訪ねながら同じ様にその雑誌を覗き込むと、


今、俺達が居るこのHOTELの火事の記事が載ってる情報誌だった…


『何で火事があったHOTELの記事が載った本がこんな所に…』


…と、一瞬の不快を覚えたが、


火事があった後、廃HOTELになってから、誰かが持ち込み此処に置いて行ったものだろう…


ということが、差ほど時間が経たない内に理解出来た。



この頃から妙な違和感を覚えた俺は、他の仲間が何してるのか一緒に着いて周り、10分程でロッカールームの捜索を終え、そのロッカールームから続きになってるシャワールームへ入り、先に入って行ったフランス人のVinchentが、不自然に閉められた朽ちたシャワーカーテンを1つずつ勢い良くふざけながら開いて行くと、

4つ目の腐ったシャワーカーテンが破け真っ二つになり、そこにいた全員がその事に爆笑しながら最後の5つ目のカーテンを、


「どーせ何もねぇーんだろっ!!
 くやしかったら本物のGhostでも出てきやがれ!!」


なんて叫びながら、今まで以上に勢い良く開けると…


Whuwhaooow!!


なんて声を裏返しながらvinchentが後ろに両腕を広げながら驚き倒れ込むと同時にvinchentと同じ視線で同時にカーテンを開いたシャワールームの中をみた左隣のphilseも続いて悲鳴を上げ後ろに倒れ込む。


2人を一体どうしたんだぁ?
とばかりに、支える右隣に居たmaickも、その視線の先を見て思わず声をあげた。


それを後からシャワールームに入った俺達は怖い物見たさでカーテンをしっかり開き手で押さえながら中を覗き込むと、


そこには血のりが塗られた布とロープでグルグル巻きにされた人形(ダッチワイフ)だった…




紐を解いて正体が判ったソレを尻餅を付いてみたvincentはキレたようで、なにやら叫びながら人形を破裂スル程ボコボコに蹴り上げ、大体見終わったシャワールームとロッカールームを出、


地下のトイレでは、既に何人もの人間が用を足したであろう…

土がこんもり溜まった洋式の便器、粉々に破壊された仕切りや扉、割られた鏡、掃除道具がありだけで…




残すは
異様な空気を醸し出す最終STAGEボイラー室








では特に何も無く、
俺達はそのまま2階へ昇がる事にした。