GP-D赤道儀の追尾ズレの確認と対策をしていた時に、原因がピリオディックエラーという結論に至るまでにいろいろ試行錯誤をしていました。
結果的には徒労ではあったのですが、参考までに記事としてアップしたいと思います。
追尾ズレの写真を見ると 光跡の両端が明るく中央が暗い「ひょうたん型」をしていることから当初はピリオディックモーションのような周期的なズレではなく、突然、ガクンとズレたような異常な挙動によるものと推測しました。
伸びの方向は東西方向だけなので、極軸のずれや振動やたわみといった問題ではないと思われます。

考えれらるのは…
(1) 駆動ギアのバックラッシュ。
(2) 駆動モーターの回転が不均一。
といったところです。
(1)の対策として極軸周りのバランスをわずかに崩し、東側が重くなるようにしてやります。
そうすると、ギアが常に押し付けられた状態になるのでギアのバックラッシュの影響を避けることができます。
これは遥か昔から、天体写真を撮るときの基本だったのですが、久しく天体写真を撮っていなかったのですっかり忘れていました。
⇒ 東側が重くなるようにバランスを調節して実験してみましたが、あまり目立った効果はありませんでした。
(2)の原因は供給電圧の可能性があるため対策してみました。
ビクセンのQ&AやWebにも情報がたくさんありますが、スカイセンサー2000PCは供給電圧が高いと動作が不安定になる場合があるようです。
突然追尾がガクンとズレる「しゃっくり」と呼ばれる現象で、今回発生している状況にかなり近い症状です。(本当はピリオディックエラーでしたが。)
スカイセンサー2000PCの電源としてポータブル電源を使っていますが、出力電圧を測定してみたところ充電や負荷の状態にもよりますが12.7V~13.7Vと高めの電圧になっているようです。
スカイセンサー2000PCの定格電圧は9V~14Vで問題は無いようにも思えますが、低めの電圧の方が動作が安定するという記事も多いのでDC-DCコンバータで電圧を調整してやることにしました。

購入したのは「DC-DCマルチコンバータ KD-52」という製品で、ホームセンターで2,000円弱。3Vから12Vの電圧を取り出すことができます。

出力電圧を測定してみると、入力電圧が変動しても、ほぼスイッチで設定した電圧が出力されています。
困ったことにDC-DCコンバータのDCプラグはセンタープラスで、スカイセンサー2000PCはセンターマイナスなので、このままでは接続できません。
DCジャックの極性は明確な規定がないようですが、現在はセンタープラスが一般的なのでスカイセンサー2000PCのDCジャックの極性を修正した方が良さそうです。
極性の変更はコントローラ側のコネクタのピンを入れ替えることで簡単に対応できます。
コントローラ側のコネクタを分解したようす。
上列右端が+端子、下列右から2番目が-端子です。

コネクタピンの爪を押しながら引き抜きます。

+端子と-端子を入れ替えて完成。


DC-DCコンバータ経由で接続ができました。

これで電圧を変化(&安定化)させることが可能になりました。
動作テストをしてみると、12V設定でも恒星時駆動のモータ音が小さくなり自動導入の1200倍速駆動が少し遅くなるようです。
9V設定だと、モーター音は更に小さく、導入速度は明らかに低下します。
ためしに7.5Vに設定すると、しばらく動作してリセットがかかりました。しかも、メモリの内容まで消えてしまったらしく、言語の設定からやり直しですべての設定がデフォルトに戻ってしまいました。
やっぱり、規定電圧は守らなければいけませんね。
⇒ 撮影テストをしてみましたが、電圧による追尾状態に差異はありませんでした。
手間と予算をかけた割に効果は上がりませんでしたが、「しゃっくり現象」の予防ということで納得しておきましょう。
★今回の改造は手順は簡単ですが電源周りの改変なので、失敗すると電源や機器を破損させる可能性があります。この記事を参考にされる場合は自己責任でお願いします。