日記・雑談ランキング

 

消費税は間接税か直接税か。なぜ、これが大切なのかというと「負担者」は誰なのかを明確にするためだ。税法に基づく限り、税負担者は納税義務者(租税債務者)だ。しかし、消費税に関しては、財務省は「価格転嫁で最終的に消費者が負担することが予定」と説明して、税法の租税債務者である事業者と、実質負担者(規定は無い)が異なるから「間接税」だと説明する。これが一般人には混乱の原因となる。

 

そこで、原点に戻って、消費(課税)と売上(収入)課税を比較してみよう。

 

(1)消費(支出)課税

・課税標準:消費者(買手)の対価(代金=売手の販売価格)

・納税義務者(租税債務者):消費者(買手)

・特別徴収義務者(徴収と納付):事業者(売手)

例えば、売値1,000円の商品を消費者が1,000円の対価を支払って購入した時、税率10%なら、100円の税(負債)が消費者に発生する。

・消費者の支出=対価A1,000円(課税標準)+税額B100円=1,100円

 A:対価1,000円は売手に譲渡され、売上(事業者の私有財産)となる

 B:税額100円は売手に譲渡されず。
   買手の私有財産のまま「預り金」として、事業者が間接納付する。

 

(2)売上(収入)課税(付加価値税が登場する前)

・課税標準:事業者(売手)の売上(代金=買手からの領収金額

・納税義務者(租税債務者):事業者(売手)

 納税義務者(租税債務者)の事業者が、直接納付する。

例えば、売値1,000円の商品を消費者が1,000円の対価を支払って購入した時、税率10%なら、100円の税(負債)が事業者に発生する。

・消費者の支出=対価A1,000円

 A:対価1,000円は売手に譲渡され、売上(私有財産)となる

・事業者は私有財産となった対価A1,000円から、税額B100円を直接納付する。

 

ここで(2)は「価格転嫁」をしていないじゃないか!という指摘があるだろうが、その通りで、付加価値税の前の「売上」税は「買手が最終的に負担することを予定」なぞしていなかった。
もちろん、事業者は税負担を軽減すべく、税額分の値上げのインセンティブ(誘因)が働くが、「最終的に消費者が負担を予定」は「前段階 売上税額控除型 付加価値税」という「最終事業者の売上税額の分割納付」があって、初めて成立する(しかも最終事業者が売上税額分の値上げをするかどうか、その一点に成否が掛かっている)。

 

そこで、付加価値税が登場後の売上(収入)課税はどうなったか。

 

(3)売上(収入)課税(付加価値税が登場した後)

・課税標準:事業者(売手)の売上(代金=買手からの領収金額)から
      売上税額を差し引いた「税抜売上

・納税義務者(租税債務者):事業者(売手)

 納税義務者(租税債務者)の事業者が、直接納付する。

例えば、売値1,000円の商品を消費者が1,000円の対価を支払って購入した時、それが「税込み取引」で、下記の比率で按分する(税率10%時)。

・売上税額=対価*税率/(税率+100)=1,000*10/110=091

     =税抜売上*税率

・税抜売上=対価*100/(税率+100)=1,000*100/110=909
 

売値1,000円だとメッチャ分かり辛いが、売値1,100円だと

・売上税額A=100円

・税抜売上B=1,000円(課税標準)

になって、いかにも「1,000円の商品に、100円の売上税額を価格転嫁(値上げ)して販売」したかのように見える。

しかも、税抜き経理では、下記の項目名になるから、尚更だ。

・仮受消費税等=100円(消費者の私有財産を預かったように見える)

・売上=1,000円(税抜売上しか、事業者の私有財産になっていないように見える)

 

つまり(3)は(2)の直接納付税を、あたかも(1)の間接納付税であるかのように『擬態』させているのだ。これが財務省の「騙し」のテクニックだ。

今回はテキストベースの説明でパッと読んで分かり辛いと思うので、次回は構成図に起こして、消費税廃止ツールとして可視化および武器として共有できるようにする。


消費税は、消費者の税金(預り金)ではない!

↑この図面は、転載・流用フリーです。オリジナル図面のURL↓
https://www.mitsumori-yoichi.com/shohizei/wp-content/uploads/2024/03/shohi_zei_diagram.png

↑この図面は、転載・流用フリーです。オリジナル図面のURL↓

https://www.mitsumori-yoichi.com/shohizei/wp-content/uploads/2024/03/shohi_zei_daiagram_akaji.png


「消費税の『課税標準=税抜売上』の規定こそが、直接税を間接税に『擬態』させる『騙し』のテクニック!」にご賛同いただける方は、
↓のバナーをクリック!↓

日記・雑談ランキング