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先週6月5日(水)の農林水産委員会における、立憲民主党)亀井亜紀子議員の質疑動画が公開された。


前半は割愛して、後半の亀井議員から財務省への質問は2点。

(1)インボイス制度の導入目的(軽減税率とセットで導入されたが、軽減税率を廃止
   すれば、インボイスも必要が無くなるのか)
(2)赤字事業者からも消費税を徴収する理由

財務省の政務官の答弁は、下記の通り。

(1)インボイス制度の導入目的は、売手と買手の適用税率に対する認識を一致させる
  ことで、複数税率のもとでの課税適正性を確保するために必要な仕組みとして、

  導入。政府として、単一税率のもとでのインボイス制度の必要性を主張してきた
  ものではない。
(2)消費税は企業の黒字赤字とは関係なく売上時に受け取った消費税額から仕入れ

  時に支払った消費税額を引いた額がプラスになっている場合にはその差額を納税
  していただき、マイナスとなっている場合には、その差額が還付される仕組みと
  なっております。
  こうした仕組みは諸外国でも同様でありまして赤字企業でも消費税の納税が必要
  となることに、問題があるとは考えてはおりません。なお、企業が赤字の場合で
  あっても、消費税の納税が必要となる場合があるのは事実ではありますが、課税
  される売上が仕入れよりも少なければ、仕入税の還付を受けることとなり、こう
  したケースも実際に相当数あるものと認識しております。

これを受けた、亀井議員の指摘と再質問。

『売手と買手を一致させるためというようなご答弁がありましたけれども、消費税の仕組みいうのは、いわゆる預かり税ではないですよね。例えば1000円の物を買って、1100円払って、その100円分が消費税に当たるわけですけど、その100円分を売れた分かき集めて、そっくりそのまま過不足なく納めるという制度じゃないですよね。
どちらかと言えば売上税ですよね。売上に対して10%かかっている。だから誰が消費税を納めているのか、それは仕組みとして価格転嫁が出来るという前提で、価格転嫁が出来れば、消費者がその分消費税を払うわけですけど、出来ない状況だと事業者が負担するわけですよ。その負担が大きくなっていることが問題で(中略)だから借金してまで、消費税を納める必要があるのかと(後略)』で、(2)を再質問。

 

財務省政務官の再答弁

『消費税は経済的に税を負担する能力である、担税力を消費に認めて課しているものであります。納税義務者は事業者ではありますが、最終的な負担主は消費者となることが予定されておりまして、消費を多く行う消費者ほど担税力が高いものとしてより多くの税をご負担いただくこととなっております(以下省略)』


さて、亀井議員と政務官の発言をチェックする前に、総額主義の構成図↓


(1)の答弁は「単一税率ではインボイスは必要が無くなる」という言質を得たものとみてよいだろう。大収穫だと思う。Good Job!
(2)は問題だらけだ。
消費税は企業の黒字赤字とは関係なく
大間違いである、上図を見れば分かるとおり、消費税納税額は粗利(利益+人件費)への課税と等価なので、もしも、売上総額=税込み仕入+税無し仕入で、利益ゼロの赤字では、消費税は納税出来ない。(下図はその手前で、ギリ納税が出来る状態)


売上時に受け取った 仕入時に支払った
憲法84条「租税法律主義」も「租税債権債務」も、意図的に無視した答弁。消費税法にそんなことは一言も書かれていない。
第4条(課税の対象)事業者の販売行為=売上
第5条(納税義務者=租税債務者=課税対象者)事業者
国と国民との間の課税関係納税義務発生)は、納税義務者につき課税物件(課税の対象とされる物、行為又は事実)が帰属したとき成立するものである。
東京地裁 平成9年(行ウ)第121号(第一審)判決
https://courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=16105
買手の支払代金に消費税は存在せず、売手の売上になって初めて消費税は発生する。

赤字企業でも消費税の納税が必要となることに、問題があるとは考えてはおりません赤字とは必要な支払が行えない(担税力を喪失した)状態だから、問題大有りだ。

課税される売上が仕入れよりも少なければ
基本的に「仕入>売上」って、商売が成立しないのだが、財務省は馬鹿か阿呆の集団なのだろうか?

ここからは、亀井議員。残念だが、ちょいと詰めが甘い。
売上に対して10%かかっている
惜しい! 正しくは売った値段が「税込み取引」だ。
・売上税額=売上総額*消費税率/(100+消費税率)
・税抜売上=売上総額*100(100+消費税率)
いい加減「売上に10%」という発想は改めないと、財務省側の「消費税は、最終的に消費者が負担する事が予定」論理に、絡めとられてしまうので、要注意。

消費者がその分消費税を払う
価格に上乗せされているのは「消費税」ではなく「消費税相当額」で「税(負債)」の性質を失った「金額のみ」と、きちんと認識していないと、財務省に突っ込まれる隙を見せてしまうことになる。
消費税という「負債」を担っている、税負担者は事業者であり、消費者は価格転嫁時に「金銭負担」をしているのだ。「税負担」と「金銭負担」は「金額」は同じだが、「国と課税関係が成立するかどうか」という、最も重要な点が異なる。つまり「誰の私有財産から税が徴収されるか」であり、それはあくまでも「事業者」だ。

そして、最後に再び財務省政務官。
担税力を消費に認めて課している
きっと、国民を猿未満の微生物にも劣る、知能皆無の表面がツルツルの脳みそだと思っているのだろう。消費(支出)課税と、売上(収入)課税の区別もつかない奴等だ(草)と嘲笑っているのだ。
・消費(支出)課税
 買手の支出に課税 ⇒ 売手の「売上」にならない(買手の私有財産だから)
 担税力100%
・売上(収入)課税
 売手の収入に課税 ⇒ 売手の「売上」に課税。
 自身の私有財産の「売上」から納付するが、売上という収入から仕入先や従業員等
 への必要な支払を行うため、利益ゼロの赤字という「担税力を失った状態」もあり
 得る。その場合でも、仕入<売上である限り、納税額が発生
 

消費税は、財務省が説明しているような、消費(支出)課税ではない。れっきとした売上(収入)課税である。諸問題は、まさにそこから生じている。

亀井議員には、ぜひ次の質疑でとことんまで財務省を追い詰めて頂きたい。

消費税は、消費者の税金(預り金)ではない!

↑この図面は、転載・流用フリーです。オリジナル図面のURL↓
https://www.mitsumori-yoichi.com/shohizei/wp-content/uploads/2024/03/shohi_zei_diagram.png

↑この図面は、転載・流用フリーです。オリジナル図面のURL↓

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