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消費税は直接税か間接税か? 結論は「直接税と間接税」の「定義」によって変わるのだが、そこを明確にしないままでは、話が噛み合わないのは当然である。WTO分類に入る前に、担税力の観点から「支出」課税と「収入」課税を考えてみよう。

「支出」課税は、課税物件が「買手の支出(支払)」、租税債務者(納税義務者)が「買手」で、これは担税力100%である。何故なら、税の原資の「支払」が既に完了しているからだ。だから消費税がその名の通り「消費」への課税なら、事業者の負担(支出増、あるいは売上減)は無い。

反対に「収入」課税は、課税物件が「売手の収入(売上)」、租税債務者は「売手」になるが「担税力」は常に保証されているだろうか? もちろん「否」である。何故なら売手は収入(売上)から、必要な支出(コスト)を支払うからだ。具体的には、仕入先と社内に対しての支払で、その支払分を除いた「利益」こそが「担税力」だ。だから「収入(売上)」課税は「赤字でも納税額が発生」してしまう。
消費税は、消費者の税金(預り金)ではない!



消費税の問題点は、法的には明確に「収入(売上)」課税であるのに、国や税理士や間税会の連中が「支出(支払=消費)」課税だと虚偽を吹聴している点だ。

~~~ここから~~~

事業者に課される消費税相当額は、コストとして販売価格に織り込まれ、最終的には消費者が負担することが予定されています。
(「直接税」と呼ばれる所得税などに対し、このように納税義務者と実質負担者が異なる税を「間接税」と呼びます。)

~~~ここまで~~~
いかがだろうか。このロジックは法的に明確に「収入(売上)」課税の税を「解釈」で「支出(支払)」課税だと言い包めようとしている詭弁に過ぎないことがお分かり頂けると思う。繰り返すが、「支出(支払)」課税なら、租税債務者(納税義務者)が、買手でなければならない。それが「租税法律主義」だ。

だが、これは日本の消費税から始まった話ではなく、付加価値税から始まっていると思われる。ここで1948年に発足したGATTが発展したWTOの「直接税」「間接税」の分類を読んでみよう。なお、WTOによって、自由な貿易競争を阻害する輸出補助金と国内産品優先補助金の交付・維持は禁止されている(補助金協定 3 条 2)
~~~ここから~~~

「直接税」とは、賃金、利潤、利子、賃貸料、ロイヤルティその他の所得に対して課される税及び不動産の所有に対して課される税をいう。
「間接税」とは、売上税、個別消費税、取引高税、付加価値税、フランチャイズ税、印紙税、流通税、事業資産税、国境税その他の税であって直接税及び輸入課徴金以外のものをいう。

附属書1 輸出補助金の例示表 注2より

https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/it/page25_000424.html#section13

~~~ここまで~~~

 

直接税の範囲がずいぶんと限定されていることが分かる。仰け反るのは「間接税」の定義が最終的には「直接税以外」になっていることだ。つまり「直接税」でなければ「間接税」なのだ。おそらく、これは英語の「direct-tax」と「indirect-tax」を直訳したせいだろう。こんな乱暴な分類なら「直接税」と「直接税」と訳すべきだ。

で。いつもの売上構成図にWTO定義の直接税と間接税の範囲を反映させてみた。




図を見れば分かる通り、何と消費税(付加価値税)はWTO定義で「直接税」でもあり「間接税」でもあるのだ。何でこんなことになるのかと言えば、付加価値税は「仕入控除」でも「税額控除」でも算出できるから。
・仕入控除:売上高-仕入高 に課税 ⇒ 自社のみで税額を算出可能

・税額控除:売上税額-仕入税額(仕入先の売上税額)⇒ 自社のみでは算出不可能

だが、WTOは「付加価値税」を「直接税」ではなく「間接税」に分類している。理由はもちろん「仕入税額までの還付(税の払戻し)」を「輸出補助金」として「容認」するためだ。
先の輸出補助金の例示表(g)がそれである。

(g)輸出される産品の生産及び流通に関し、同種の産品が国内消費向けに販売される場合にその生産及び流通に関して課される間接税(注2)の額を超える額の間接税の免除又は軽減を認めること。
逆に直接税は(f)で明確に輸出補助金が禁じられている。
(f)直接税の課税標準の計算において、国内消費向けの生産について認められる控除に加え、輸出又は輸出実績に直接に関連させて特別の控除を認めること。

「前段階」「売上税額控除型」付加価値税が如何に「特異」な税かがお判り頂けると思う。そして、この2面性を有する「付加価値税」を「間接税」に固定化するレトリックが、税法に依らない下記の説明なのだ。
「最終的に消費者が負担する事が予定されている」
「納税義務者と実質負担者が異なる税が間接税」
この説明においては「租税債権債務」の原則は「意図的に無視」されている。一体、誰に課された税なのか、誰が租税債務を負っているのか、誰の私有財産から「徴収」される税なのか。「租税法律主義」からも逸脱して、とことんまで定義を曖昧にして誤魔化して「ゼロ税率に依る輸出補助金」を得るための恣意的な分類。

それを知ってか知らずか、後生大事の金看板に祀り上げ、崇め奉っているのが、国や税理士や間税会の連中なのだ。

いい加減に嘘は止めようではないか。担税力が保証されない「収入」課税を、それが確実な「支出」課税だと吹聴して誤魔化すのは。

消費税は、消費者の税金(預り金)ではない!

↑この図面は、転載・流用フリーです。オリジナル図面のURL↓
https://www.mitsumori-yoichi.com/shohizei/wp-content/uploads/2024/03/shohi_zei_diagram.png

↑この図面は、転載・流用フリーです。オリジナル図面のURL↓

https://www.mitsumori-yoichi.com/shohizei/wp-content/uploads/2024/03/shohi_zei_daiagram_akaji.png


「憲法84条「租税法律主義」も「租税債権債務」も無視したWTO定義の「間接税(非直接税)」分類を崇め奉って、税法で「収入」課税なのに「支出」課税という嘘を、国や税理士や間税会は吹聴するな!」にご賛同いただける方は、
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