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日本の経済成長がSTOPしてから、失われた30年と言われる。論より証拠で、日本の名目GDPのグラフを見て欲しい(前回と同じ始まりだけど、別稿だよ)。
名目GDPグラフ
なぜ、繰り返しているのかというと、1997(平成9)年に社会人になった人は、一度も国としての大きな経済成長を体験しておらず、1997年に20歳だった若者は、2024年で47歳になる。筆者は1986(昭和61)年に社会人になったので、約10年は経済成長時代を体験している。

そこで日本が経済成長をすると、どれぐらい様変わりするかの例を、筆者個人の体験と体感ではあるが、列挙してみよう。筆者は1963(昭和38)年生まれで、小学校入学が1969(昭和44)年。親が地方公務員で官舎に住んでいたが、風呂は薪風呂だった。学研「科学」誌の付録の温度計で、薪の火の温度を測ろうと近づけて、赤い計測液が伸びていくのが面白く、調子に乗ってボンッと破裂させてしまった。白黒テレビはあったが、電話もエアコンも無く、夏は首振り扇風機、冬のこたつは電気ではなかったから、練炭か豆炭だったハズ。何しろ官舎である。
今では信じられないだろうが、公務員の給料はサラリーマンよりも低かった。給料は安いが、定年後は安定しているのが、公務員の長所と言われていた。実は親父は東京で就職していたのだが(親父自身は関わっていなかったが)、アカ狩りの影響を受けて、会社を辞めて地元に戻ったリターン組だ。
話を元に戻すと、店は近所の商店街のみで正月三が日はきっちりと休み。もちろん、コンビニも無く、夜は子供が出歩けるような時代ではない。昭和40年頃は、まだ蒸気機関車が走っていた。
そんな地方公務員一家が、自分が小学校6年生になる5年後の1974(昭和49)年にはマンションを購入して、官舎を脱出しているのだ。この頃には電車が普及している。

何も無かった時代だから? 確かにその側面はあるだろう。しかし、自分が就職してからでも、同期の高卒の子たちは夜勤がある部署に配属されて、夏にはもう自動車を購入していた。当時の若者が就職して最初に買うのは、車、バイク、オーディオといった大金を必要とする趣味方面だったと思う。肝心なのは当時は「年功序列」が当然で、自分の所得が増えることに何の疑問も抱かなかった点である。普通預金の金利が年6~7%はあったはずだ。そういう状況なので、多少の物価上昇はモノともしなかった。筆者自身も趣味の漫画やアニメのレーザーディスクを買いまくった。再生機器の大型テレビやプレイヤーも買いそろえていった。しかし、この風潮は1980年代末頃迄で、90年代に入ると徐々に変わっていった。
ちょうど消費税3%が導入された1989(平成元)年を過ぎたあたりからである。

こうして振り返ってみても、1970と80年代の20年間の様変わりは何とも凄まじい。名目GDPで見ると、1970年が78兆5510億円、1989年が427兆2715億円。約5.4倍だ。一方、政府の税収と歳出面では、1975(昭和50)年に「税収<歳出」となって、初めて特例公債(赤字国債)を発行。以降「税収<歳出」は変わらず、皮肉なことに消費税導入の翌年の1990(令和2)年から、税収と歳出の差額は拡大している。
一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移

一般会計税収と主要3税収(所得税、法人税、消費税)の推移は上のグラフのとおり。名目GDPは消費税5%増税の1997(令和9)年まで増えているのに、税収はむしろ下がっているのは、所得税と法人税の税率が下げられたからだ。
そこからジワジワと、直近では坂道を転げ落ちるように、国民が「貧困化」していく日本が始まり、未だにトンネルの出口が見えない。

トンネル絡みで言及すると、昭和の東海道新幹線の建設費用はどうしていたのか。実は、国内費用では予算調達の目途が立たず、頓挫しかけたところを、故佐藤栄作氏の尽力で、1961(昭和36)年に、世界銀行から8千万ドルの融資を受けたのである。
本当に「外国からの借金」だったのだ。支払い終わったのは何と1990(令和2)年。東海道新幹線が完成していなかったら、日本がここまで成長することは無かったし、もしそうだったら、それこそ債務不履行で財政破綻(デフォルト)していただろう。

このようなインフラ整備ひとつとってみても、50代以上の人間にはその重要性が実感できるのだが、40代以下だとどうだろう? でも、今からでも出来るのだ。今の我々は、政府は税収に頼らず、必要な支出を行えるという「事実」を知っている。
緊縮財政から脱した「適切財政」を地方議員からも要望を上げ、国会議員たちに実行させよう。その後押しをするのは、われわれ「国民」の声なのだと思う。

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