今村洋一オフィシャルブログ「人は飛べる」Powered by アメブロ

ユーリンタウンも一度目の休演日を迎えた。



金曜にプレビュー


土曜に初日


日曜に2日目



そして休演である。




ぷひゃーー



この舞台は、、ほんとにすごい!!



楽しくて激しくて、エネルギッシュ!!



次々と劇評も書かれているようだ。




僕は ビンボー という革命家青年の役をやらせて頂いているが、



これはなんと



今回主演のロクスッポをやられている



別所哲也さんが数年前に日生劇場で日本で初めて演じられた役なのだ!!



しかも僕は別所さんと同じ静岡県島田市出身、



小学校も、高校の時の英語の先生も、先祖代々の眠るお墓も一緒のお寺にある。



つまるところ、憧れの大先輩だ!!



この不思議な偶然を、力に、



いくぞぞおぞぞぞ!!




別所さんいわく、



体力を消耗しすぎて公演中に体重が6キロも落ちたとのこと!!



だから覚悟しときな!!とのこと。



これは大変な役を頂いた!!




休演日だから家で寝そべりテレビをつけた。



全世界格差デモ行進のニュース。



まるでユーリンタウンがテレビの中で上演されているかのようだ。



画面の中に思わずビンボーを探した。




独占企業にしろ、デモ行進にしろ、舞台設定にしろ



ユーリンタウンは今の世界と日本にリンクしすぎている。



こんな不思議な戯曲はあるだろうか。




明日から一週間ぶっ通しで本番だ。



どうぞ、秋の高円寺にて起こる大事件を目撃ください!!







洋一




別所哲也が“悪”を好演! あの型破りミュージカルが再び開幕!(ぴあ劇評)

台本・坂手洋二、演出・流山児祥により2009年に上演された、ブロードウェイミュージカル『ユーリンタウン』。座・高円寺1のこけら落としとして上演され、紀伊國屋演劇賞団体賞に輝くなど、その年の演劇界で一際大きな注目を集めることとなった。そんな『ユーリンタウン』の再演が早くも決定。キャストも新たに、10月14日、同じく座・高円寺1にて初日の幕を開けた。

世界的な水不足のため、節水を余儀なくされた近未来のある街。用を足すためには公衆トイレを使用せねばならず、しかも有料であるため、貧民街で暮らす人々にとってはたまったものではない。“立ちション”をしたならば、警官のロックストック(別所哲也)らによって即逮捕。恐怖の「ユーリンタウン」へと連行されてしまう。そんな中、すべてのトイレを管理しているUGC社の社長クラッドウェル(塩野谷正幸)が、トイレ使用料の値上げを断行。それに反発したトイレ管理人助手のボビー(今村洋一)は、貧民街の人々とともに革命ののろしを上げる。

きらびやかで美しい、誰もが幸せに満ちた世界。そんなミュージカルを『ユーリンタウン』に期待して行くと、観客は大きく裏切られることになる。まずタイトルは直訳で「小便の街」。開始早々にハッピーエンドではないことが告げられ、ミュージカルなのに歌えなかったと登場人物が愚痴り出す。何ともミュージカルらしからぬミュージカルな のだが、その猥雑で、底知れぬ熱量を秘めた群衆たちがハーモニーを奏でた瞬間、全身に鳥肌が立ち、観客は一気にこの世界に引き込まれてしまうのである。

ロックストック役の別所は、これまでにない魅力的な“悪”を好演。狂言回しとして観客へのアピールもたっぷりと、劇場を大いに盛り上げた。警官バレル役の清水宏は、飄々とした演技で作品にリズム感を与える。前作から引き続きの参加となる塩野谷は、さすがの存在感。コミカルさに狂気を同居させ、資本側のいやらしさと苦悩を体現した。また舞台下手に配された生バンドの効果は絶大。三谷幸喜作品の常連でもある萩野清子が音楽監督を務め、4ピースとは思えないほどのエネルギッシュな演奏で魅せた。

前出の通り、本作にハッピーエンドは用意されていない。群衆たちは高い理想を掲げ、革命を成功させるが、現実はそううまくいかないのだ。しかしその失敗から学ぶか、学ばないか。どちらを選択すべきなのか、観る者に痛烈に訴えるラストが印象的だった。

公演は同劇場にて10月30日(日)まで上演。チケットは発売中。

(取材・文):野上瑠美子