安倍晋三元総理大臣の遺産「インド太平洋戦略」を読んで | 洋一のブログ

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僕が勤めているホテルは故・安倍晋三元総理大臣に大変ご贔屓にしていただいてたホテルです。

 

誤解していただきたくないのは、僕も与党の政治家の方々のにたくさん料理を作ってきましたが。

野党の政治家や政治関係者の方々の食事もたくさん作ってきました。


僕が特定の政党に肩入れしないのも、仕事で与党や野党の政治家の方々の料理を作る機会が多かったのもあります。



7月8日

安倍晋三元総理大臣は選挙の応援演説中に、奈良県奈良市西大寺東町で山上徹也容疑者によって狙撃され亡くなられました。


僕はこの事件の一報を知ったのは仕事の真っ最中でホテルレストランで働いていて、料理長が安倍元総理が撃たれて病院に搬送されている、意識不明の重体という事を話されて衝撃を受けました。


数時間後、安倍晋三元総理大臣の訃報を知りました。


安倍元総理を狙撃した山上徹也容疑者を、その不幸な生い立ちから同情する声が多くあがってくるのを見て。

中には山上容疑者の減刑まで求める動きまで出てきて唖然としてしまいます。


たとえどのような理由であろうと不幸な生い立ちであろうと、あんな理不尽な圧倒的な暴力によって人を殺害する事が赦されていいはずはないです。

山上徹也容疑者は身勝手な理由でジョン・レノンを射殺したマーク・チャップマンと同類の人間と思います。


それからしばらくはメディアも政治家も安倍元総理を追悼する言葉で溢れてましたが。

山上容疑者の証言で安倍晋三元総理大臣と与党の政治家の方々との統一教会に関する報道で一色になりました。


安倍晋三元総理大臣ほど生前も亡くなられた後も日本国内で誹謗中傷を受け続けられた政治家の方はいないのではと思います。


日本国内で安倍元総理に関する話題のほとんどが統一教会問題、森友・加計問題一色です。

それとはまったく対照的なのが海外での世界での安倍晋三元総理大臣の政治家としての評価です。


日本の歴代首相で安倍晋三元総理大臣ほど世界で高く評価された首相はいないのではと思います。


何故このような現象が起きているのだろうか。


亡くなられたあと米国「TIME」誌の表紙を飾り、ニューズウィーク日本版では世界での評価が高いのに何故国内で叩かれるのかの特集記事が掲載されてました。








9月27日仕事が終わって19時頃、安倍晋三元総理大臣の国葬義が行われた日本武道館へ行きました。

じつはこの日は国葬義から1週間前に新しい仕事場に異動になったばかりで、食材を搬入する業者さんがこの日。


「安倍さんの国葬の一般の献花の列が武道館からすぐそこの四ツ谷駅まで凄い長蛇の列が続いてますよ!本当に凄いです!」


そう驚きと共に教えていただいて。

僕はランチ営業が終わって、かたずけも終えて少し休憩中に歩いて数分のところの靖国通りを見てみましたら。

午後16時過ぎにもかかわらず、国葬の一般献花の列が本当に四ツ谷駅近くまで続いていて驚愕しました。


こちら僕がスマートフォンで撮影した献花の列です、地下鉄麹町駅近くで撮影しました。







18時頃仕事終わりまして、そのまま日本武道館に行きました。
安倍晋三元総理大臣の国葬義は終わっていて、一般人の献花も17時に終了していたのですか。 
すべて終わっていても凄くたくさんの人々がまだ武道館にいて、安倍晋三元総理大臣の遺影に向けて手を合わせてました。

お年寄りの方が涙を流し震えながら安倍元総理の遺影に手を合わせていた光景が忘れられません。

国葬反対のデモ隊を遥かに上回る安倍元総理を偲ぶ一般人の献花の長い行列を見て。
メディアの放送の一方的に片寄った報道などに惑わされず、本当に多くの人々が安倍晋三元総理大臣を偲んで献花されていた姿に心から感動しました。
亡くなられてこれほど一般の人々が献花に訪れる総理大臣は二度と出てこないだろうと思いました。








安倍晋三元総理大臣の国葬義が行われた数日後の10月3日

僕は1冊の本の刊行を記念した講演会を紀伊國屋書店新宿本店にあります紀伊国屋ホールに見に行きました。


それは安倍晋三元総理大臣が世界で初めて提唱しました「インド太平洋戦略」を世界中の学者や識者が研究し書かれて発表された論文を1冊の本として編集された「インド太平洋戦略 大国間競争の地政学」の刊行記念講演会で、この本には安倍晋三元総理大臣の遺稿になりました「序文」と「日本語版メッセージ」の2つの文章が掲載されています。


この「インド太平洋戦略 大国間競争の地政学」は日本語版が刊行される前に英語版「Indo-Pacific Strategies Navigating Geopolitics」が海外で発売されていたそうです。


安倍晋三総理大臣が世界で初めて提唱された「インド太平洋戦略」とはどのようなものなのか。


それまでのアジアと太平洋の結びつきからインド洋を結びつけた「2つの海の交じり合い」を2016年に安倍晋三総理大臣がアフリカ開発会議において「自由で開かれたインド太平洋戦略」として提唱し。

インド洋と太平洋をダイナミックに繋ぎアフリカとアジアを繋ぐ事で国際社会の安定と繁栄を目指すのが目的で。

 

1.法の支配、航行の自由、自由貿易等の普及・定着。


2.経済的繁栄の追及(東南アジア、西南アジア、中東、東南部アフリカの連結、EPA/FTAや投資協定を含む経済連携)


3.平和と安定の確保(海上法執行能力の構築、人道支援、災害救援等)


この3つの柱を中心に「自由て開かれたインド太平洋戦略」は国際政治における最も新しい最重要戦略の1つと世界に認められました。


アメリカのトランプ大統領はこれを受けて、アメリカ軍の9つの統合軍の中で最も古くからある「太平洋軍」の名称を「インド太平洋軍」と名称を変えるほどの影響を及ぼしました。


日本の政治家で国際社会でこれほど壮大なビジョンのグランドデザインを提示し、世界が実現に向けて動く程の影響力を与えた政治家は安倍晋三総理大臣しかいないと思います。


よく言われる安倍晋三総理大臣が世界で評価されているのは「自由で開かれたインド太平洋戦略」によるところが大きいと思います。



僕は書籍付きのチケットを購入して本も読もうと思いました。

日本でほとんど報じられない安倍晋三元総理大臣が政治家として世界で実現させようとした構想とは何だったのかを知りたいと思ったからでした。







僕はこの講演会は早めに予約していたので最前列から2番目と真ん中の席という非常に良い席で講演会を聞く事が出来ました。


講演者は2人いました

最初の1人目の講演者は安倍晋三総理大臣の第一次と第二次政権で内閣官房参与を勤められ、安倍政権の外交演説を起草された、言わば安倍総理大臣のスピーチライターを勤められた谷口智彦さん

現在は慶應義塾大学大学院教授をされている方です。






もう1人の方は「インド太平洋戦略 大国間競争の地政学」をブレンドン・J・キャノン氏と共に編著された墓田桂さん。

墓田さんは成蹊大学教授で国際政治学と安全保障研究をされている方です。






お2人の講演はまったく対照的でした。


最初に登壇された谷口智彦さんは登壇して。


「身長175cm、安倍晋三さんの身長です、本当ならば安倍さんがここに立っているはずでした、しかし安倍さんはもうこの世にはいません」


そう谷口さんは述懐されて


「150年…150年掛かりました、明治維新から近代国家へ日本が歩み出し、日本が国際政治に認められ世界に影響を及ぼすほどの戦略を提唱出来るまでに、それをやったのが安倍晋三総理大臣でした、伊藤博文や山縣有朋がインド太平洋戦略を知ったら驚愕したと思います」


安倍総理大臣の側近中の側近で安倍総理を見続けてきた谷口さんは安倍総理の事を好奇心の塊のような方だったと述懐されてます。

フィリピンのトランプと言われるほどの型破りのドゥテルテ大統領と会う時も「面白そうな男だ」と目を輝かせていたと言います。


谷口さんは語られます、安倍元総理の外交は相手の懐に飛び込むような外交だったと。

アメリカの大統領選挙てドナルド・トランプ大統領が誕生した時も。

トランプ大統領は本当に一筋縄ではいかない方だったらしく、安倍元総理をどのような男か試すような事を何度もしてきたと。

トランプタワーというトランプ大統領の本丸と言っていい場所に会いに来いと。

安倍総理が意気揚々とトランプタワーに乗り込んで行ってエレベーターの最上階の扉が開いた時に。


トランプ大統領、メラニア夫人、イヴァンカさんなどトランプファミリーが勢揃いで満面の笑みで安倍総理を出迎えたそうです。


余談ですが安倍総理とトランプ大統領の日米首脳会談が霞ヶ関カンツリー倶楽部て行われた、いわゆる「ゴルフ会談」が行われた昼食会のレストランは僕が勤めてるホテルのレストランが運営していて、東京オリンピックのゴルフ競技の会場にもなってました。

東京オリンピック期間中、僕はここで働くように指示を受けました。


安倍元総理はまったく仕事を休まない方で、谷口さんはイギリス首相と安倍総理の仕事時間を比較されてどれたけ長時間働いていたのかも語られてました。

分刻みのスケジュールで移動の最中も仕事をしていて、人と会うのが大好きな方だったと。


谷口智彦さんの講演は聞いていて本当に惹きこまれました。

僕はたまに講演会を聞きに行ったりしますが、これほど講演の上手い方は見たことないと思いました。

内閣総理大臣の演説のスピーチをずっと書かれてきた、言わば演説のプロ中のプロの方ですから講演が非常に上手いのは当然かも知れません。



谷口智彦さんの講演が終わって「インド太平洋戦略 大国間競争の地政学」を編著された墓田桂さんが登壇されました。  


谷口さんの講演は語りに撤していてスクリーンを使ったりはしなかったのですが。

墓田さんの講演は谷口さんとは対照的に講演の演壇を舞台の端に移動させて舞台中央の備え付けられた大きなスクリーンを使って図解や写真を使って講演をされました。


墓田さんの講演内容は著作の「インド太平洋 大国間競争の地政学」をスクリーンを使って詳しく解説されているような内容でした。

墓田さんの講演も谷口さんとはまったく別で聞いていてとても惹きこまれました。

学者の先生らしく凄く専門的な内容でしたが、「インド太平洋戦略」が世界的に見てどれほど新しい戦略なのかを地政学的に非常に詳しく解説されてました。


お2人の講演が終わってお2人と来場者との質疑応答に移りましたが。

質問者の1人が台湾問題について聞かれて、谷口さんがその質問に答えられたのがとても印象的でした。


谷口さん

「台湾ですか、まったく頭の片隅にもありません」


そう答えて会場が少しざわついたあとに谷口さんは。

「なぜなら台湾は頭のど真ん中にあるからです」


そう答えて谷口さんは台湾に対する持論を語られてました。


谷口智彦さんと墓田桂さんによる安倍晋三元総理大臣の「インド太平洋戦略」の講演を聞きに行って本当によかったと思いました。

メディアでほとんど報道されない世界での安倍元総理の政治家としての活動を知る事が出来ました。

そして日本国内で安倍元総理が政治家として見直されて評価されるのには100年くらいかかるのではと思ってしまいました。



ジョー・バイデン米国大統領の安倍晋三元総理大臣への追悼の声明。


そして安倍晋三元総理大臣の国葬に参列されたカマラ・ハリス米国副大統領の公式Twitter






アメリカ合衆国の大統領と副大統領の安倍晋三元総理大臣への追悼声明の両方に「自由で開かれたインド太平洋」」について書かれています。




僕の大好きな10歳の日本とアメリカのハーフの歌手の鈴木莉愛さん。






今年の7月1日に行われたアメリカ海軍司令官交代式という日本とアメリカを繋ぐ非常に重要な式典で、鈴木莉愛さんは日本国歌とアメリカ国歌の両方を歌う大役を任されました。


厳かな式典の中で歌われた鈴木莉愛さんの清らかな日本国歌とアメリカ国歌のアカペラの独唱を聴いていて。


莉愛さんの歌う歌声も遥か自由に開かれたインド太平洋に繋がっていると思いました。







写真は鈴木莉愛さんのお母様から許可をいただいてブログに載せさせていただきました、ありがとうございます。