3.11 全音楽界による全音楽会 チャリティーコンサート | 洋一のブログ

洋一のブログ

ブログの説明を入力します。

2021年3月11日、東日本大震災から10年が経ちました。

日本全国では様々な追悼式や追悼イベントが行われたと思います。

10年前に宮城県沖で発生したマグニチュード9.0の巨大地震。
岩手、宮城、福島の東北3県を中心に死者・行方不明者1万8425人、関連死を合わせますと2万2000人以上もの犠牲者になるそうです。

あれから10年

あの当時、凄い数のボランティアや募金活動が行われていたのを覚えています。

年月が経つにつれて少しずつそのチャリティーや募金活動も減ってきて。  

しかし東日本大震災が発生してわずか1ヶ月あまりの2011年4月20日に行われた音楽界の方々による東日本大震災で親を亡くされ孤児・遺児になってしまわれた子供たちを支援するチャリティーコンサートが今もずっと続けられています。

「3.11 全音楽界による全音楽会チャリティーコンサート」

途中サントリーホールの改修や昨年のコロナ禍で行われなかった年もありますが、10年間ほぼ毎年行われてきたのは凄いと思います。

継続は力なりと言う言葉を強い信念を持って実行されていると思いました。


そして今年2021年3月11日にサントリーホールで行われた「3.11全音楽界による 全音楽会 チャリティーコンサート」を見に行きました。

会場のサントリーホールはクラシックの殿堂です。


もちろん来るのは初めてです、まさかサントリーホールでコンサートを見る日がくるとは思いませんでした。

クラシック界の帝王と呼ばれたヘルベルト・フォン・カラヤンがサントリーホールの設計から助言など携われ、世界一美しい響きをコンセプトに作られたホール。
実際にホールが完全した後コンサートを聴いたカラヤンはあまりの音の美しさに「まるで音の宝石箱のようだ」と称賛されたそうです。






午後18時に開場しました。

僕は当日電話で予約したのですが、電話受けられた方が「席の方が大変埋まっていて、もう2階のあまり良くない席しかないのですが」そう僕に言われたのですが、僕はこの日のコンサート見れるだけでもとても嬉しいので席の良し悪しは気にしない事にしました。





しかし会場の中に入りましたら。

僕の席の2階LBブロック6列7番はもの凄く良い席でした。

2階のステージ向かって左斜め上の席なのですが、ステージ凄く近いです、出演者の方々の顔立ちまでハッキリと見えます。
1階の中盤から後方席よりもずっと良い席と思いました。
しかも少し上の席なので舞台全体がオーケストラまで全部見えます。
ソロ歌手だけでなくオーケストラ全員の演奏している姿も見れる席でした。

ロビーに行きましたら「エンジン01文化戦略会議」のメンバーの方々が募金活動をしています。


エンジン01文化戦略会議とはどの様な活動されているだろうと思い少し調べさせていただいたのですが。
よく経済戦略という言葉を聞きますが、経済の次にではなく経済戦略と文化戦略を同時に行い新しい文化を創造する為に、未来を担う世代の為に、様々な議論をし仕組みを作り戦略的な活動を行っている'事を説明されているのを読みました。

ホームページから画像をお借りしてしまいました。

行動方針は主に3つの柱からなるそうです。







僕はエンジン01の事はまったく知りませんでしたが、会員の方々の名簿を見ましたら日本を代表する作家や学者、医師、企業経営者、画家、音楽家、プロデューサー、スポーツ選手、シェフまでずらりと名を連れていて驚きました。


ロビーでの募金活動は有名なパティシエの鎧塚俊彦シェフと隣に料理評論の重鎮の山本益博先生がいまして僕は鎧塚シェフの前の募金箱に寄付させていただきました。

山本益博先生は新潟県中越地震の時や東日本大震災の時に全国の料理人に呼び掛けられ被災地への炊き出し、そして風評被害に遭われている被災地の食材を使ったチャリティーディナーを開催するなど「料理ボランティアの会」の中心的存在として精力的に活動されてきた方でした。







サントリーホールの会場内は撮影禁止でしたのでロビーにあるモニターを撮りました。

サントリーホールのロビーはまるで高級ホテルのエントランスのようです。






そしてコンサート開演時間になり会場に戻りました。

総合司会の露木茂さんと永井美奈子さんが登場しました。
あの露木茂さんと永井美奈子さんの司会が見れてとても嬉しいです。
穏やかで時にユーモアも交えて本当に素晴らしい司会でした。

これから載せさせていただきます画像は3.11全音楽界による全音楽会チャリティーコンサートのフライヤーに載せられてました写真をお借りしてしまいました。







そしてサントリーホールのステージに三枝成彰さん、コシノジュンコさん、湯川れい子先生などチャリティーコンサートの発起人の方々が呼ばれ、代表として湯川れい子先生が挨拶をされました。

湯川れい子先生、初めてお姿を拝見し声も聞いたのですが、声が40代くらいの女性の声ではと思えるほど若々しく驚きました。
先生が挨拶で話されてましたが、このコンサートを実現する為に本当に多くの方々のご協力があった事が解ります。
出演された方々は全員ノーギャラで出演されているそうなのですが、会場を提供されたサントリーホールやチケットの手配を引き受けられたチケットぴあ、日本音楽著作権協会(JASRAC)、譜面を提供されるのも本来は本当にお金がかかるそうです。

湯川先生はコンサートを開催するにあたって協力いただいた協会や企業の方々に心からの感謝の言葉を述べられてました。

チャリティーコンサートでの寄付金を受けられ支援を受けられている被災地の男子学生の方がステージで感謝の言葉を話されました。
実際に支援を受けられている子供の素直な感謝の気持ちの言葉に会場は温かな雰囲気に包まれています。

司会の露木茂さんの呼び掛けで震災から10年になりますこの日に会場の出演者と関係者、観客全員が犠牲者の方々を追悼されるために黙祷を捧げました。

 
そしていよいよコンサートが始まりました。

有志オーケストラと名付けられた方々がそれぞれステージで楽器を調律し始めました。

指揮者は日本を代表する名指揮者大友直人さんです。

今回のコンサートの指揮者はクラシック音楽は大友直人さんが指揮されて、ポピュラー音楽は渡辺俊幸さんが指揮されました。






そしてステージにとても小さな可愛らしい女の子が登場しました。

吉村妃鞠さんというまだ9歳のヴァイオリニストです。


オーケストラの演奏が始まり、サントリーホールの音響の素晴らしさに鳥肌立ちました。
凄い音です、オーケストラの弦の響きが天上の音色で奏でられていると感じられるほど伝わってきます。

そして吉村妃鞠さんのヴァイオリン演奏が始まり度肝抜かれました。
9歳とか年齢関係なく超一流の演奏家の演奏です。
この小さな女の子が登場した時は将来性を買われて特別枠で出演したのかなと思ったのですが、演奏聴いて特別枠でなく実力でこのステージに立たれている事が解りました。

後になって調べてみたのですが、吉村妃鞠さん国内外39ものヴァイオリンコンクールに出場しすべて1位を獲得されたとんでもない少女と知りました。

演奏中の吉村妃鞠さんの表情は鋭い眼差しでマエストロ大友直人さん指揮するオーケストラと堂々と渡り合ってます。

吉村妃鞠さんはチャイコフスキーヴァイオリン協奏曲を見事な表現力、演奏で観客を魅了されました。


2番手に登場されたのはクミコさん。

僕がずっとその歌声を生で聴いてみたいと思っていました歌手の方の1人でした。 
ブルーのとても美しい衣装で登場されたクミコさん。



スコットランド民謡の「広い河の岸辺」を歌われて、クミコさんの歌声はゆったりと聴衆を包み込むように感情豊かに歌われてとてもスケールの大きさを感じました。
もの凄く歌の上手い方ですが、クミコさんの歌声は技術的なものを超えているように思えました。
本当に素晴らしい歌手の方と思いました。



3番手に登場されたのはカウンターテナー歌手の村松稔之さん。

カウンターテナーの歌声をコンサートで生で聴いたのは初めてです。



G.ロッシーニの歌劇「タンクレティ」より「この胸の高鳴りに」を歌われました。

村松稔之さんの歌われるカウンターテナーの歌声を聴いていて不思議な感覚になってきます。
凄く美しい歌声なのですが、男性の声とも女性の声のようにも聴こえます、そして男性の声とも女性の声とも違うようなジェンダーを超えたような歌声のように感じてしまいました。

 

4番目に登場されたのはソプラノ歌手小川里美さん。
藤原歌劇団の一員の方だそうでこれまで数多くの名門オーケストラとソリストとして出演されてきた方と知りました。
歌われたのはP.マスカー二の「アヴェ・マリア」

クラシックファンでなくても多くの人々が知っているほど大変有名な曲ですが。
数多くの実績を積まれてこられた小川里美の歌われる「アヴェ・マリア」は伝わってくるものが違うと心から感動しました。


5番目に登場されたのは歌手の川島ケイジさん。
曲は「Woman~“Wの悲劇より“」



松本隆さん作詞 呉田軽穂さん作曲で薬師丸ひろ子さんが歌われたこの曲は日本のポピュラー音楽史上に残る名曲中の名曲と思います。

多くの音楽アーティストがこの名曲をカバーしていますが男性歌手がカバーしたのは初めて聴きました。

クラシックの殿堂サントリーホールでフルオーケストラで川島ケイジさんは渾身の気持ちを込めて歌われ、会場中に川島さんの感動的な歌声が響き渡りました。

今回のこのチャリティーコンサートは1人のアーティストにつき1曲が与えられた持ち時間です。

1人1曲と言うと少ないように思われるかも知れませんが、出演されたアーティストの方々は自分に与えられた1曲に全集中し全員本当に素晴らしいステージを見せてくれました。

一曲入魂と言えるほど出演者の方々はこの日の一曲に凄い歌唱、演奏を見せてくれました。

川島ケイジさんが歌われた「Woman~“Wの悲劇より“」心震えるような胸に迫ってくる歌声でした。



6番目に登場されたのはヴァイオリニストの服部百音さん。

曲はサン=サーンス「ハバネラ」


曾祖父は国民栄誉賞を受賞された作曲家の服部良一さん、 祖父は作曲家の服部克久さんで父親は作曲家服部隆之さん。
凄い音楽一家に生まれ育たれた方ですが21歳の服部百音さんの活躍と実力は世界レベルです。
国内外の多くのコンクールで優勝され、巨匠ウラディーミル・アシュケナージ指揮するEUユース管弦楽団と演奏されたり、日本では大河ドラマ「真田丸」でのヴァイオリン演奏で有名になりました。

服部百音さんのステージも見てみたいとずっと思ってましたが本当に素晴らしかったです。
ヴァイオリンを歌わせる技術的にもの凄い演奏が十分に伝わってきました。
若い世代の日本が世界に誇れる演奏家と思いました。


7番目に登場されたのはヴァイオリニストの川井郁子さん。

曲は萩森英明さんの「赤い月」



服部百音さんの次に再び川井郁子さんと言う素晴らしいヴァイオリニストの演奏が聴けてとても幸せでした。
川井さんの演奏は凄く情熱的でいて素晴らしかったです。

僕はこの後少し席を立ってロビーの方に行ったのですが、8番目に登場された神楽坂女性合唱団のステージ中だったのでステージ披露中は席に戻る事は出来ないので神楽坂女性合唱団のステージは僕は見ていないてす。

9番目に登場されたのはチェロ奏者の宮田大さん。

曲はマーク・サマー「Julie―O」

1人ステージに立った宮田大さんはチェロをパーカッションのように弾いてリズミカルに、そして時に凄く繊細に弾かれて1人で演奏されているのにオーケストラを聴いているように思えるほど多彩な音色に魅了されました。


10番目に登場されたのは森山良子さん。
曲は「さとうきび畑」

テレビで何度も森山良子さん見てきましたが、ステージで実際に見た森山良子さんとても小柄な方でまるで少女のような雰囲気を持たれた方でした。

   
「さとうきび畑」は太平洋戦争で日米両方民間人も含む20万人もの犠牲者が出た沖縄戦を歌った曲です。
1人の少女が「鉄の雨」に撃たれ亡くなった父親への想いをさとうきび畑の風景に想いを馳せて追憶した反戦歌。

森山良子さんは叙情的に深い思いを込めて歌いギターを弾かれて、まるで戦争の語り部のように思えました。
100年後も残り歌い継がれるであろう音楽史に残る名曲を森山良子さんの歌で実際に聴けて良かったと心から思いました。


11番目に登場されたのはピアニストの紅林弥生さんと歌手の神野美伽さん。

歌われた曲はなんと「与作」でした。




「与作は木を切る、ヘイヘイホー」のフレーズで大変有名な曲ですが。
紅林弥生さんの弾くピアノは非常に斬新で神野美伽さんのソウルフルな歌声が与作の曲のイメージをまったく変えています。
この日本的な原曲を新しい曲解釈で歌い演奏されて生まれ変わったように感じられて本当に凄かったです。




12番目に登場されたのは歌手の平原綾香さん、曲は「Save Your Life」です。



僕は平原綾香さん大好きです。
平原綾香さんがまだ20代前半だった頃「Jupiter」が100万枚のミリオンを達成した時の日本武道館公演を見に行きました。
昨年11月帝国劇場で上演されたキャロル・キングの物語のブロードウェイミュージカル「ビューティフル」も見に行きました、平原綾香さんが主人公のキャロル・キングを演じられて最高に素晴らしかったです。

平原綾香さんのステージでは引き続き紅林弥生さんがピアノ伴奏をされました。
平原綾香さんのお父様でサックス奏者の平原まことさんのグループにピアニストとして紅林さんが出演されていたそうで、平原綾香さんは子供の頃から紅林さんと親しかったそうです。

その平原綾香さんは紅林弥生さんのピアノの凄さを力説されてました、紅林さんは1度譜面読んだだけで最高に素晴らしいピアノを弾かれる事を、紅林さんの事を天才とまで言われてました。

その紅林さんのピアノ伴奏で歌われた平原綾香さんの「Save your Life」凄く良かったです。
平原さんは「Jupiterでなくてすみません」と謝られてましたが、とんでもないです。
平原綾香の素晴らしい歌声をここサントリーホールで聴けて最高に幸せでした。


13番目に登場されたのは島津亜矢さん、曲は「木蘭の涙」です。
ピアノ伴奏は引き続き紅林弥生さんでした。




着物姿の島津亜矢さん、マイクをお腹のあたりまで離して歌われてその歌唱力の凄さに圧倒されました。
情感込められた魂の熱唱に観客の多くが島津亜矢さんの歌が最高でしたとSNSで書かれていたのを見ました。





14番目に登場されたのはアコーディオン奏者のcobaさんで、曲もcobaさんのオリジナル曲「campana」




cobaさんはアコーディオン奏者として世界トップクラスの方と思います。
アコーディオンの国際コンクールで優勝し世界一になっても「どうしてまたこんな楽器を選んだのですか」などと言われて続けて。
それが劇的に変わられたのはcobaさんが世界最高の音楽アーティスト、ビョークのワールドツアーにアコーディオン奏者として3年間も帯同されたからと思います。

ビョークがcobaさんのアコーディオンを聴いて「どういう音楽聴いてきたら、こういう音楽になるわけ?」そう言われたそうでcobaさんは「文化は旅するほど成熟するんだよ」と答えられたそうです。
「僕も彼女もまだ見たことないもの、聴いたこともないものにとにかく惹かれるのだと思います」
そうインタビューで語られてました。

世界は素晴らしい音楽に満ちていて、一流のアーティストは国境を超えて世界の音楽を吸収し新しい音楽を創造されていると思いました。

そしてサントリーホールのチャリティーコンサート。
cobaさんは1人でステージに立ってビョークをも驚かせた斬新で素晴らしいテクニックのアコーディオンを聴かせてくれました。
アコーディオンという楽器の多彩な音色と可能性、素晴らしさを多くの人々に知らしめた第一人者の方と思います。



15番目に登場されたのはピアニストの横山幸雄さん、曲はショパンの「英雄ボロネーズ」


横山幸雄さんと言えばショパンと言われるほどの方だそうで18時間ショパンの曲を暗譜で弾き続けられギネス記録にも認定された事も知りました。

横山さんの弾かれるショパンは凄くパッションに溢れていて聴いていて心打たれました、凄いピアノと思いました。



16番目に登場されたのはフルート奏者の上野星矢さん、曲はJ.イベール「フルート協奏曲第2楽章」




最高の音響のサントリーホールで、マエストロ大友直人さん指揮するオーケストラの音色と上野星矢さんの演奏するフルートの音色が共鳴し、極上の音楽体験をした気持ちになりました。



17番目に登場されたのは男性4人組のボーカルグループLE VELVETSで曲は「オー・ソレ・ミオ」でした。


歌は凄く上手いです、メンバーの1人がロングトーンを披露して観客から大きな拍手が起こりました。
メンバーの方々はグループ活動だけでなく、それぞれミュージカルでも活躍されていて聴いていてその実力の高さを感じました。



18番目に登場されたのはヴァイオリニストの大谷康子さん、曲はV.モンティ「チャルダッシュ」





大谷康子さんは宮城県仙台市出身の方です。
東京交響楽団のコンサートマスターを勤められ、海外でも演奏活動をされています。
病院や施設を訪問し音楽を演奏する活動もされてきた方と知りました。
東日本大震災では積極的に音楽のチャリティーイベントに参加され、大谷さん自らもチャリティーイベントの企画をされてこられた方でした。
 
震災から10年経つこの日、被災地出身のアーティスト大谷康子さんの心の込められた演奏を聴けてとても良かったです、心に響きました。

 
ここから日本の三大テノール歌手の方々の出演が続きます。

19番目に登場されたのは笛田博昭さん。
曲はF.レタール歌劇「微笑みの国」より「きみこそ我が心のすべて。



プロのテノール歌手の方の歌声はここサントリーホールで素晴らしい音響と共に最高に響きます。
笛田さんオペラ歌手の世界大会で優勝されて迫力のある歌声を披露されて観客を魅了されました。


20番目に登場されたのはテノール歌手の樋口達哉さん、曲はA.ララ「グラナダ」

  
僕はクラシック音楽は詳しくはないのですが、樋口さんの歌唱を聴いていて迫力のある歌声の中にとても繊細なものを感じました。
多くのテノール歌手の方も繊細さを持ち合わせ表現されていると思われますが、樋口さんの歌声には一際それを感じました。

樋口達哉さんは福島県二本松市出身だそうです。
きっと今回のチャリティーコンサートにも深い想いがあったと思います。


21番目の登場で今回のチャリティーコンサートでクラシックジャンルのトリを勤められるテノール歌手ジョン・健・ヌッツォさんが登場しました。
曲はG.プッチーニ歌劇「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」




ジョン・健・ヌッツォさんは日本で最も有名なテノール歌手と思います。
ジョン・健・ヌッツォさんがステージに登場して驚きました、マイクを持っていません。
僕はもしかしたらハンドマイクではなくイヤモニマイク使うのだろうかと僕の席からはステージ上のアーティストの表情もよく見えたのでよく見ましたら、それらしきものはどこにもありません。

ジョン・健・ヌッツォさんはマイクを使わず完全生声生歌を披露するつもりだと解りました。

そしてオーケストラの演奏が始まってジョン・健・ヌッツォさんの歌のパートが始まりました。
マイクをまったく使わずジョン・健・ヌッツォさんの歌声はサントリーホール中に朗々と響き渡りその歌声の凄さに圧倒されてしまいました。

人間の声はここまで凄くなるのか。

考えてみましたら今歌われているオペラのレパートリーもその曲が作られた数百年前の時代にはマイクなどまったくなく完全に生声生歌でホールに響き渡る歌声を当時のオペラ歌手は持っていたと思います。

ジョン・健・ヌッツォさんのステージを見て、遥か数百年前のオペラ歌手の魂の歌声が現代に蘇って僕の心に響きわたったように感じられて本当に感動しました。


そして22番目に登場されたのは氷川きよしさんでした。
曲は氷川きよしさんの最新曲「南風」



氷川きよしさんは真っ白の純白のスーツの衣装に身を包み登場し、その美男子ぶりに大スターオーラに圧倒されました。

しかしステージに登場した氷川きよしさんはオーケストラにも指揮者の渡辺俊幸さんにも、そして観客にも何度も何度も頭を下げられてその謙虚さに心打たれました。

会場全体が氷川きよしさんか登場するのを待っていたような雰囲気がありました。

そして氷川きよしさんのステージが始まりました。

僕にとって氷川きよしさんは長いこと演歌界のプリンスのようなイメージがあって馴染みはなく感じていたのですが、氷川きよしさんが「限界突破×サバイバー」を歌われたのを見た時は信じられないものを見たような衝撃が走りました。

クイーンの歴史的名曲「ボヘミアン・ラプソディ」をカバーされて、それも日本語で歌う事に強くこだわり湯川れい子先生に日本語訳詞を依頼されたほどです。

近年、日本の音楽アーティストでこれほど変貌を遂げたアーティストはいないと思います。
僕も氷川きよしさんのアルバム「パピヨン~ボヘミアン・ラプソディ」を購入して全曲聴きました。
演歌界のプリンスから日本トップクラスのボーカリストに変貌された最高の音楽アーティストのアルバムと思いました。

サントリーホールのステージで初披露された新曲「南風」
氷川きよしさんの歌声は本当に温かな南風のように感じられ会場全体を優しく包み込み、最高に素晴らしい感動的なステージを披露されました。

湯川礼子先生のTwitterから画像をお借りしてしまいました。

この日のステージ後の湯川れい子先生と氷川きよしさん林真理子さん。








そして23番目の今回のサントリーホールチャリティーコンサートのトリを勤められたのは日本の演歌界、音楽界の大御所五木ひろしさんでした。

歌われた曲は「山河」


僕は今回のブログを書くにあたってチャリティーコンサートに出演された1人ひとりの方々の事をWikipediaなどを読んで、どのようにここまで歩まれてきたのだろうと考えながらチャリティーコンサートでの歌や演奏を思い出して書いています。 

五木ひろしさんは僕が子供の頃、物心ついた時にはもう大スターでした。
今回五木ひろしさんについていろいろ読ませていただいて、売れるまでの下積み期間が大変長く大変な苦労をされてこられた方と知りました。
紅白歌合戦50年連続出場ととてつもない大記録を現在まで続けられている方がこれほどの下積みを経験されていたとは。

魂込めて歌う五木ひろしさんの歌は技術を超える大切なものを教えてくれます。
サントリーホールでの五木ひろしさんの歌声を聴いて心震えるほどの感動を覚えました。



すべての出演者の方々のステージが終わりました。


司会の露木茂さんと永井美奈子さんがステージに現れ、今回のチャリティーコンサートを主催された「3.11塾」の代表や発起人の方々がステージに呼ばれました。

そして露木茂さんからこの日集まった寄付金の合計金額が発表されました。

1568万7419円

その金額が発表された時、会場はどよめき湯川れい子先生は感激のあまり手で顔を覆ってました。

今年はコロナ禍の影響で観客入場も制限され少ない入場者にもかかわらず、一昨年行われた超満員のチャリティーコンサートに匹敵するほどの募金が集まりました。

本当に凄い事と思います、震災から10年という節目の年という事もあると思いますが、出演者の方々、企画実行された方々、協力された企業や協会の方々の思いが観客の方々の心を動かされたのだと思います。

この日集まった募金額は1円残らずすべて全額東日本大震災で親を亡くされ孤児・遺児になってしまわれた子供たちを支援する為に送られます。

3.11塾のホームページには実際にチャリティーコンサートの売り上げの支援を受けられた被災地の子供たちの事が書かれています。
支援を受けた子供たちは高校、高専、大学、専門学校に合格されています、そして医者、看護師、薬剤師、パイロット、音楽家、女優、ビジネスマン等になる夢に向かって頑張っています。

よく芸能人の方がボランティアやチャリティーなどの活動をされると必ずと言っていいくらい「偽善だ」「売名行為だ」との心無い言葉を投げ掛ける人たちがいますが。
実際にチャリティー活動によって集まった募金によって支援を受け成長されている子供たちがいる現実を見ればそのような言葉はまったく無力と思います。


少し今回のチャリティーコンサートから話しが逸れてしまうのですが、僕は今回のチャリティーコンサートが行われた4日前の3月7日に福島県いわき市に行ってきました。

津波で大変な被害に遭われたいわき市四ツ倉の海のすぐ近くにある施設「チャイルドハウスふくまる」




この施設はNPO法人「ふくしま震災孤児・遺児をみまもる会」が運営されていて、東日本大震災で親を亡くされ孤児・遺児になってしまわれた子供の心のケアをする為の施設として、放射能の影響で外で思い切り遊ぶ事の出来ない福島の子供たちの遊びの場として設立されました。

2011年7月に東日本大震災復興支援の為に行われた吉川晃司さん布袋寅泰さんの伝説のロックバンド「COMPLEX」の2日間限定の復活チャリティーライブの売り上げで設立された施設でもありました。

チャイルドハウスふくまるの中にはお忍びでプレゼントを持ってふくまるを訪問し子供たちと交流された吉川晃司さんの写真が飾られています。
まったくのお忍びなのでこの施設に来た人しか知らないと思います。






この日、チャイルドハウスふくまるでは震災から10年のメモリアルイベントが開催されてました。

僕はこのイベントに出演した1組のアイドルグループを見に来ました。
「シーサイドシスターズ」と言うグループで歌とダンスのステージで募金活動を行い集まった募金全額をチャイルドハウスふくまるに寄付し続けているチャリティーグループです。
メンバー入れ替わりながら6年間ずっと活動を続けられてきました。









この日のシーサイドシスターズのステージで集まった募金額は1万8084円。

でも僕はそのチャリティーの「志」と「想い」はサントリーホールで集まった1568万7419円の募金額とまったく同じと思います。








サントリーホールでのチャリティーコンサートでは3.11塾代表の作曲家三枝成彰さんが最後の挨拶をされました。

「今日は来にくい環境の中、来ていただいて本当にありがとうございました、来年も開催しますのでよろしくお願いします」

そして最高に素晴らしいチャリティーコンサートは幕を閉じました。









世界の音楽の歴史では地球規模のチャリティーコンサートが行われた事が何度もあります。

そのチャリティーコンサートの中でも史上最大規模だったのが1985年7月13日に行われた「ライブエイド」でアフリカ難民救済のために「1億人の飢餓を救う」をスローガンに掲げられたチャリティーコンサートでした。

このチャリティーコンサートのライブエイドがハイライトになった映画があります。

英国の伝説のロックバンド「クイーン」のボーカリスト、フレディ・マーキュリーを主人公に描き世界的に大ヒットした映画「ボヘミアン・ラプソディ」です。

僕も見ましたが本当に感動した映画でした。

音楽アーティストにとってチャリティーコンサートに出演する事はどのような意味を持つのだろうか。

ショービジネスの世界に生きている方々にとってチャリティーコンサートに出演する事は、ビジネス抜きに純粋に音楽の力で多くの人々の役に立ったり救う力になれると実感する事が出来るのではと思いました。


映画「ボヘミアン・ラプソディ」の中で主人公のフレディ・マーキュリーが長い年月厳格な父親と断絶してましたが、フレディが史上最大規模のチャリティーコンサートライブエイドに出演する事が決まって父親は息子の事を誇りに思い、長い年月の断絶から父子の和解への物語になります。

フレディはライブエイドに出演する前に父親に会いに行きました。

「父さんが言ったように、これ(ライブエイド)に出るのは正しく善き行いだ」


そしてライブエイド当日、フレディの父親は家族に言いました。

「テレビを付けろ」

超満員のウェンブリースタジアムに向かっていくフレディの勇姿を見た父親は…

そしてフレディは超満員のスタジアムで歴史的パフォーマンス「ボヘミアン・ラプソディ」を歌います。


氷川きよしさんは映画「ボヘミアン・ラプソディ」を見てフレディ・マーキュリーの生き方に大変感動されて、多くの人々にこの素晴らしい曲の歌詞を伝えたいと日本語による「ボヘミアン・ラプソディ」カバーを制作されました。

サントリーホールでの氷川きよしさんのステージは本当に素晴らしかったです。

音楽の持つ力は凄いとチャリティーコンサートを見て心から思いました。