古代の怪奇① オリンピアのゼウス像 | 帰らざる日々

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オリンピアは、ギリシャのペロポネソス半島北西のエリス地方にあるゼウスの神域で、4年ごとに開かれる競技で古くから知られている。

 

オリンピアは、昔からギリシャで最も美しいところといわれ、宗教的な崇拝のひとつの中心地になっていた。

 

その理由のひとつは、ガスの出る地孔があったため、そのガスを使って占いがおこなわれていたことにあったようだ。

 

はじめはクロノスやヘラなどの地の神、女性の神が崇拝されていたが、のちにゼウス崇拝にかわり、紀元前457年になって、雷神ゼウスの神殿がつくられ、ゼウス像が安置された。

 

神殿はもりあがった台地の上にそびえ建ち、両側に13本ずつ、正面に6本ずつのドーリア風の列柱にかこまれ、ゆるい傾斜のついた屋根があったという。

 

ゼウス像は神殿の大中央室の高さ90センチ、幅6・6メートルの石の台座に安置されてあった。

 

その高さが12メートルで、ほとんど天井にとどくほどだった。

 

像の全体は木製で、体の露出部分は象牙、衣服は金の板でできていたらしい。

 

両足は礼拝者のほぼ目の高さにあたる金製の足台にのせられ、右手には黄金と象牙製のニケ像(勝利の女神)を載せ、左手は黄金をはめ込んだ杖をもち、その杖の先にタカがとまっていた。

 

ところで、そのゼウス像は紀元前426年に破壊され、同522年と551年の大地震と大洪水で、3~5メートル下の地下に埋もれてしまった。