なんでBABYMETALと新潮国語辞典 現代語・古語が関係するのか?

BABYMETALの中元すず香さんに心を奪われたブロガーがいて
その人のブログで辞書占いというのがあった。

そのブロガーの方は文章がとてもうまくて引き込まれる。
その方の愛する辞書が新潮国語辞典 現代語・古語で
新潮国語辞典 現代語・古語は中元すず香のようだと
書いていたので、思わず買ってしまった。

残念ながら、新潮国語辞典 現代語・古語は古本しか売っていないのだが、
amazonでかなり程度の良いものを見つけたので買ったのだ。

その辞書をあえて取り上げるほど、なにがすごいのか?

1.和語はひらなが、漢語はカタカナで書かれている。
 漢語は明治以降作られたものだから和語と区別しているとのこと。

2.古語辞典と、国語辞典が同じ扱いになっている。
どちらも日本語だから区別していない。

3.用例ができるだけその言葉のつかわれた初期の文献から引用している。
 井上ひさしさんがいうには、その言葉の誕生日のおよその見当がつくと
 その本の帯に書いている。

実際に「ひともと」を調べてみたら
用例は僕が大好きな和歌 「紫の一本ゆえに武蔵野の草はみながら
あわれとぞみる。」が使われていた。

この和歌の一本をひともとと読むことが昔から気になっていたのだ。

そして、ならば、この和歌の みながら という言葉も
起源がこの和歌じゃないかと辞書をくったら みながら が掲載
されていて、まさしくこの和歌が使われていた。

これには涙が出ました。謎が解けた思いでした。

この辞書、深いわ。まさに中元すず香さんだ。と自分の中で納得。

ただ、この辞書、そういう目で見なければ、普通の国語辞典に
見えて、普通に用例がのっかているので、他の国語辞典と
なんら変わらないのです。

むしろ、一つ一つの言葉の説明は、簡略で他の辞書より読む人に不親切
だったりする。

我が道を行くというのかな。

だから、廃版になったのかな。

ただ、この辞書については、かなり愛好者が多く、
しかも、Webではいい評判のみ。

どこにでもあるように見えて、唯一無二。
好きな人にしかわからない、気付いた人にしかわからないものがあり
しかも、底なしの深さがある。

それが、片手で持てる重さで、表紙や、製本が丁寧な作りで
あったりする。

まさに、中元すず香さんそのもの。

買ってよかった。
BABYMETALと出会ってなければ、この辞書とも
出会っていなかった。

辞書の中で時空を旅することができ、
なにより、自分の一番大切な和歌 紫の一本ゆえに
がしっかり、用例にとりいれられていることだけでも
良かった。

似て非なる辞典で新潮現代国語辞典というのがあるが
これは、用例が、近代の文学作品をベースにしているということ
なので、それはそれで面白いし、まだ新品を売っている。
上に書いたように僕は古今集、万葉集の時代まで言葉の誕生日にさかのぼる
ところまで知りたいから、新潮国語辞典 現代語古語が好きだ。

Webの時代に紙の辞書を買うなどと夢にもおもわなかったよ。