娘の脱毛が、日に日に増してくる。

あんなに束になって抜け落ちるものなんだ。

映画で見た、あの脱毛シーンは、盛ってなんかいなくて、本当のことだったんだ。


日中は、ヘアキャップをかぶっている娘だけど、お風呂上がりは洗いざらしのままドライヤーをかける。当たり前だけど。

日中には隠れている頭が、その時には露わになる。


そのたびに、娘は落ち込み涙を溜めている。

その姿をみるたびに、私も心がギューッと掴まれるかのように痛くなる。


娘の気持ちは計り知れない。


私はただ願うだけ。

必ず治る。必ずまた髪が伸びて、オシャレして、笑って過ごせる日が来る。


娘を守りたい。

守るんだ。