またたくよる / メガマソ | 夕暮れビジュアル鑑賞会

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 どうもー。最近は学生時代の友人たちとオンライン飲みがてらスマホゲームのマリオカートツアーで対戦してます(笑)。これいわゆる体力みたいなのがないから延々やってしまう…。通常どおりの出勤になったのにガシガシと睡眠時間削られてます。

 

 今回は特に理由もなくメガマソ!なんとなくこのアルバム聴きたくなったから!彩冷える/アヤビエのリーダー涼平がバンド脱退後に結成。メガマソでも大半は涼平作詞作曲で、彩冷える時代と同じくメロディアスで独特な世界観全開。ボーカルのインザーギ(涼平が名付けたらしい)は元は別ジャンル出身だけど、涼平が惚れこむほどの歌唱力がインパクト大。解散してしまいましたが学生時代から大好きでしたねー。

 

 

 

 

『またたくよる』

 

01.牛乳(mjolk) ★★★☆

 民族楽器な可愛いイントロから疾走感をもって幕開け。インパクトあるタイトルからは全く想像できないほど、ドラマチックな歌詞と正統派メロディアスロック。瞬く星を思わすキラキラなシンセも綺麗。ふんわり心ときめく言葉たちが好きだなあ。

 

02.LIPS ★★★★

 シングル。こちらも心地よく疾走するポップロック、歌詞も比較的わかりやすい恋愛モノ。「君の声でご飯がおいしい、君がいたから形を保てる。」って歌詞がとにかく好き。バンドの勢いも良く、とにかくメロディが全編キャッチーで素晴らしい。夏らしい。

 

03.monoeye old team ★★☆

 ハードでシリアスめ、王道V系な疾走ロック。少し展開は物足りないけど、コンパクトにまとまってるのは良い。特に一番ラストのメロディなんてすごく良いけど、全体的にバンドのアレンジ力不足な印象。

 

04.雨楽器隊 ★★★★★

 ピアノが跳ねる4つ打ちダンスロック。リズミカルなメロディが気持ちよく高揚感がある。やはりこの手の曲は元気で心地よいベースが目立つ、とても良いフレーズ。シンセも良いバランスで、踊れるけどしっかりロックしてる。インザーギのハイトーンも冴えわたる。

 

05.ギムナジウム ★★

 重厚なリフとオリエンタルな摩訶不思議フレーズが絡むヘドバン曲。不穏な雰囲気を保ちながらサビでは高速のツーバスで爆走。メロディも悪くないけど音がスカスカでさすがに勿体ない。本来は面白みのある曲だと思うのだけど…。

 

06.put a whammy ★★★★

 透明感のある疾走ロック。アルペジオの音使いや、歌詞にいたるまで可愛らしい良曲。いじらしい健気な主人公が本当に愛らしい。流れるようにサビに入る展開も、ポップだけで優しくも切ないメロディも良い。変拍子も自然。ところでタイトルのwhammyはどんな意図だろうか。

 

07.ユキココヤシ ★★★★

 民族的というかハワイアン?打ち込みとアコギ、クリーンギターの音色が優しくゆんわりとしたミディアム曲。ハネた可愛いサビは切なさもある。涼平ワールドな歌詞だけど、言葉一つ一つが可愛い。

 

08.a winter's day ★★★★

 再びアコギメインのミディアム曲。どことなくPlastic Treeがやってそうな、優しくメロディアスで、サビでは寒い冬の哀愁が漂う。別れて遠く離れてしまった恋人に宛てた手紙のような、胸が締め付けられる歌詞も素敵だ。まさに冬ソングのお手本のような。バイオリンは涼平の実弟が演奏したそう。

 

09.めのう ★★

 バリバリとしたギターが中々やかましいものの、琴のようなシンセが和フレーズを放り込むハードナンバー。サビではキャッチーな和メロが登場、初期Kagrra,な感じ。メロディやフレーズは良いけどギターが耳障りで勿体ない。

 

10.星降街にて ★★★☆

 シングル。満天の星空を思わせるイントロから疾走するメロディアスロック。冬の澄んだ空気はそのままに、疾走感と解放感に溢れたサビが最高に心地よい!やはりシンセの取り入れ方が上手い。歌詞もストレートなラブソングで良い。

 

11.モダンアプリファイア ★★★

 どこかオルタナ的な憂いあるボーカルで始まりすぐに切なく疾走。やはりサビはキャッチーで高揚感がある。冬っぽい雰囲気はなりを潜めるも、今作で一番ストレートで分かりやすいロックサウンド、シングルっぽい。初回盤はここでラスト。

 

12.Love you so... ★★★☆

 唯一のインザーギ作詞作曲、通常盤のみ。アコースティックでしっとりと〆。やけに耳馴染みの良い普遍的なバラードだなと、歌詞もメロディもなんか90年代な。GLAYっぽく感じてアレ?ってブックレット見たらやっぱり涼平曲ではなかった。素直な歌詞はアルバムの世界観と違うかもしれないけど、伸びやかなインザーギの歌も、バンドの暖かみのある演奏も良くて、しっかりとアルバムをクローズしてる。ボーナストラックなんて勿体ない。

 

 

総評 [お気に入り度★★★☆/おすすめ度★★★☆

 メガマソの2ndフルアルバム、ドラマー脱退後では初。冒頭の通りしっかりとメロディアスなロック中心。涼平のことだからパッと聴いてわからないギミックは沢山あるのだろうけど、概ねキャッチーで聴きやすい。

 世界観的な事はさっぱり理解してないのだけど、アルバム曲は架空の世界の冬の情景、それにまつわる恋愛モノ中心な感じがした。ブックレットのホログラム?がキラキラしてて素敵。不思議で謎めいた言い回しの印象が強いけど、反対に口語表現も多くて結構その雰囲気が良いんですよね。感情がスッと入ってくる。

 

 今作はなぜか前作「ゆきしたたりほし」より楽器の音が悪いです。いつもだけど。本人も自覚しているほど独特なギターサウンドは、よりのっぺりと潰れた歪みで輪郭が取りづらい。音圧はあるけど余りにエッジに欠けハードな曲は割と台無し。

 ベースも同様で若干丸くなった?のかギターに掻き消され気味。せっかくいいフレーズ多いのに…。ドラムも妙に音がペコペコしてしまって重みは皆無。CD実家だから確認できないけど打ち込みなのか?なんか結成時のアヤビエ音源みたいな音だし。音の好みなんて人それぞれですが。

 

 学生時代に次回作以降の音源はかなり聴いたものの、この頃の音源は音質が苦手で(笑)そこまで好きでなかったのですが、今聴くと良曲多し。根幹のメロディアスな部分は解散まで変わらなかったので、どのアルバムから手にとってもいいのは嬉しいですね。

 セールスには恵まれなかったけれど、本当に素敵なバンドでした。今後もレビューしていきたいな、最近ほんと聴いてなかったし。ほんと

 

ベストソング / 雨楽器隊