Jealousy / X | 夕暮れビジュアル鑑賞会

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 どうもー。今回は満を持してと言いますか、ついに出ましたX JAPAN。平成生まれなんで世代ではないんですが、知らないわけがない超有名バンド。この令和の時代においても老若男女問わず、日本人で「紅」を聴いたことがない人なんていないんじゃないですかね?こんなハードなメタルバンドの曲が甲子園でいまだに演奏されてるの、よくよく考えるとすげえ事ですよね(笑)

 

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 そんな説明不要のX(当時)による3枚目のアルバム。高校生の時に、やっぱり聴いとかなあかんなと思って購入。さほど聴いていませんでしたが(笑)

 

 

Jealousy』

 

01.Es Durのピアノ線 ★★★

 ピアノインスト。美しい旋律に癒されるも、後半突如として現れる不協和音にハッとする。インストは基本好きじゃないですけど、長さも丁度よくインパクトもあって良い感じ。

 

02.Silent Jealousy ★★★★☆

 さあ来ました。ヴィジュアル系好きなら大半知っているであろう超名曲。高校の頃よく聴いてました。サビの旋律を奏でるピアノからバンドサウンドで疾走。刻みと伸びやかなリードフレーズの対比が気持ち良い。メロディがとにかく聴きやすく、Bメロ~サビのメロディはやはり語り継がれるだけあって、美しく劇的。

 間奏で崩れ落ちていくピアノと対になる様に、高らかに上昇していくツインギターソロはマジで鳥肌モノ。7分という長さを感じさせないドラマチックな曲展開。メタルとか、ヴィジュアル系とか、ジャンルとかどーでも良くて、日本が誇る大名曲ですよこれは。

 

03.Miscast ★★★

 YOSHIKI先生の大名曲の後はみんな大好きHIDE作曲のハードロックナンバー。いい意味で軽さがあるも、終始ノリが良くサビのメロディーも覚えやすい。HIDEらしいキャッチーなセンスがとメタリックさがいい具合に融合してる。弾きまくりのギターソロのクラシカルな展開はXならではって感じ。

 

04.Desperate Angel ★★☆

 USA!ロサンゼルス!荒野!ハーレー!ジャックダニエル!って感じの(笑)、TAIJI作曲のザ・LAメタル。最初の女性コーラスは何事かと思いましたよ。まあカラッとして聴きやすいんですけど、別に…。オルガンみたいなPATAのギターソロと後半の盛り上がる展開は好き。

 

05.White Wind From Mr.Martin ~Pata's Nap~ ★★★

 PATA先生によるインスト。全編アコギで収録、1分と短いですがとても心地よいですね。そして美しいアコギはそのまま次曲へ。

 YOSHIKIのイメージがどーしても強いバンドですが、ここまで2~5曲とも作曲者が全員違うのがすごいですね。

 

06.Voiceless Screaming ★★☆

 TAIJI作曲のアコースティックバラード。このギター演奏すべてがTAIJIというのが凄い、めっちゃ上手い。悲壮感漂うギターと力強くも消え入りそうなボーカルに心揺れる。良い曲ですが、長すぎ。アウトロの叫びは痛々しくて良い。

 

07.Stab Me In The Back ★★

 作詞が"白鳥瞳"名義ですが、普通にYOSHIKIです。見た目のイメージと一番近い超高速のスラッシュメタル。これも高校の頃よく聴いてました。今聴くと…取り立てて面白くはないというか、完全に好みじゃない。でもサビのメロディはなんか海外の民謡を思い出して癖になる。

 

08.Love Replica ★★★

 HIDE作曲の三拍子のインスト(と語り)。インダストリアルなリズムに、チープな音色でクラシカルなギターソロを披露。異国の妖しい祭りを思わせるような雰囲気がとても良い。これは逆にTOSHIの声がなくて正解かも。

 

09.Joker ★★☆

 続いてもHIDE作曲のLAメタルナンバー。カラッとしたサウンドに、キャッチーなメロディが映える。好みではないんだけど、HIDEらしいハズしが聴いていて面白い。

 Visual Japan SummitでGLAYがカバーしてましたね。Xでカバーするなら妥当な選曲かな?

 

10.Say Anything ★★

 「ENDLESS RAIN」と並ぶ名バラードとしてX名義では最大のヒット曲に。穏やかなメロディとピアノが美しい。正直まったく刺さる部分は無いんですけど、それはあまりにスタンダードなバラードとして慣れてしまっているからでしょうね。間違いなく名曲。超劇的なメロスピナンバーからこんなに真っ直ぐに美しいバラードまで、高次元でやってのけるのだから、やはり一つ歴史を打ち立てたバンドだなあと。

 

 

 

総評 [お気に入り度★★☆  おすすめ度★★★★☆

 X(X JAPAN)自体僕は全然好きじゃないんですよ。hideのソロとかはめっちゃ聴いてますけど、やっぱりメタルやハードロックがどうしても苦手で。あとTOSHIの声もあんまり。

 でもでも、今回10年以上ぶりに(というか最初から最後までちゃんと聴くのが初めてかもしれないです)このアルバムを聴いて、やっぱりすげえなと。ヴィジュアル系を聴く者にとっては教科書のようなアルバム。

 

 内容自体は意外とジャンルが広いですね。YOSHIKI曲はイメージ通りとして、TAIJIとHIDEの曲はかなりわかりやすいロックで。ジャケットやイメージからくるよりもずっと聴きやすい。元々YOSHIKI以外の曲を多く入れるのがコンセプトらしいですね。

 ただ「Silent Jealousy」の破壊力がすさまじくて。「紅」とか他のハードな曲のなかでもダントツに好き。かっこよすぎでしょ。

 その分他の曲が意外とパワーないなって感じてしまっているかもしれませんね。好みじゃないのはおいといて、どれも申し分なくかっこいいんですが。曲そのものがヴィジュアルちっくと言うわけではないので、あくまでハードロックアルバムとして聴くのが正解ですね。

 

 X JAPANにまつわるアレコレはご承知の通りだと思いますが、やっぱりヴィジュアル系の一般教養としてこの作品はマストですね。がたがた言わずに聴いとけと。別に大好きなアルバムではないんですが(笑)

 色々あって再結成して、再び色々問題が出てきたみたいですが、なんとか、最新アルバムのリリースはとん挫させないでいただきたいものです。

 

ベストソング / Silent Jealousy