花火は雲一つない空へ上がっては舞い、そして儚く散っていった


僕はそれを何処からか分からない先の見えない渋滞から見ていた


浴衣で手を繋ぐ男女を横目に半月は明るく帰り道を照らしている


どれもこれも新鮮で、たぶん経験していないだろう



いや、今思い出した



誰かとポートピアランドで花火を一緒に見た事を・・・



記憶の断片にあるんだけど、顔も名前も匂いも場所も色褪せて忘れた



憶えてないという事は僕にとっては何の価値もなかったということか?



記憶を呼び覚ますのは困難



夢の中ならさも当たり前かの様に浮き出てくるのに・・・






意外な様で当たり前の様で



どちらにしろ居なくなってしまうと淋しい



滞った悲しみは、いつか表に出てしまうだろう



帰ってくると分かっていても色褪せてしまう面影は心に鈍くのしかかる






夜中に暇だと思う事は最近なかなか無い



実家に帰るとふと思う



睡眠時間を削ってまで何するでもないから友達を送って懐かしい場所で煙草をふかしています



やはりこの建物の灯りは綺麗だ


春夏秋冬いつ見てもそう思う



せっかく帰って来たのに遊ぶ相手もおらず・・・暇だなぁ・・・