花火は雲一つない空へ上がっては舞い、そして儚く散っていった


僕はそれを何処からか分からない先の見えない渋滞から見ていた


浴衣で手を繋ぐ男女を横目に半月は明るく帰り道を照らしている


どれもこれも新鮮で、たぶん経験していないだろう



いや、今思い出した



誰かとポートピアランドで花火を一緒に見た事を・・・



記憶の断片にあるんだけど、顔も名前も匂いも場所も色褪せて忘れた



憶えてないという事は僕にとっては何の価値もなかったということか?



記憶を呼び覚ますのは困難



夢の中ならさも当たり前かの様に浮き出てくるのに・・・