母が末弟を連れて到着。
分娩室へ入ってくる母に対して「わたしを産むときもこんなやった?なぁ、こんな?」と問いかけてた覚えがあります。
陣痛の合間はウトウトしていたのですが、分娩室の外に座っている末弟に、確か「○○く〜ん、入って来ないの?」と言った気がします。
やっといきんでも良いという正式なOKを頂き(時すでに遅し)、母を蹴りながら、お尻を助産師に押さえてもらいながら、全力でいきむ。
いたぁぁぁぁい!!痛いよ!!
あーーーーーーー!!!!
いやーーーーーー!!!!
分娩室から聞こえる声に、末弟は完全にビビってしまったらしいです。
お産が終わってから「ねーちゃんってあんな声出るんやね…」と言われました
10:07
子宮口全開大になり、お産の準備を始めました。
助産師から「どうする?四つ這いでいってみる?」と言われたのですが、もうそんな勇気はどこにもなく…
このままで…いいです…と、右側臥位で産むことを決意
末弟もいつの間にか分娩室にいる
途中、いきんでいるときに一瞬だけ物凄く痛かったタイミングがあったのですが、どうやらベビさんの頭がわたしの腟中隔をぶち破った模様。
晴れて腟は一本になりましたありがとう
左足の上げ下げすらお腹に響いて痛かったので、上げたままにしておきたいと言って自分で抱えました。
陣痛が来たらいきんでね、息3回吐いてから吸って息止めていきむ!と言われたのですが、陣痛が来ていきみたくなるタイミングまで本当にすぐなので、ここでもわたしは適当に息を吸ってました
いきむことだけは絶対の自信があったのです。
そしてあっという間に排臨。
自分の腟に挟まるベビさんの頭を触らせてもらいました
あと何回いきんだらいいですか?という、またもや愚問を投げかけると、
「う〜ん…いきみ方が上手やったら5回陣痛分かな?」
え、あと5回でいいの
よっしゃあということで、1回の陣痛につき4回はいきみました。
でもやっぱり下腹部は変に痛くて、何回も何回も「なんでお腹が痛いんもう生まれるのに」と1人でキレてました。
旦那さんはわたしの頭元にスタンバイ
ここまで来ると、わたしは陣痛間欠時にはかなり冷静になっていました。
CTGモニターを見ながら、ベビさんの心音が下がってないか、下がってたら体の力を出来るだけ抜いて深呼吸。何なら心音を自分で取るほど。
発露というときには鏡で会陰部を見せてもらったのですが、それを見たわたしは「初産婦、って感じ…」とコメント。頭の中ではまだかかりそうだな、と思っていました
ところが、わたしのいきみは本当に上手かったらしく、あれよあれよとベビさんの頭が半分出かかってきました。
ここで本当の意味で冷静にならないと、会陰裂傷を起こしてしまう。
でも、ここにいる助産師に任せていれば大丈夫な気がする。
いきませ続けることはせず、ちょっといきんだらすぐに息を吐く、ちょっといきんだら…を繰り返すよう指示。
「今頑張って!後が楽だから!」との助言に、任せて下さい、そういうのは得意ですと言いかけました(言ってはいない)。
会陰は熱く感じましたが、不思議と「裂けそう!」とは思わなかったです。
そして「次の陣痛は何としても逃して!いきまないでいいからね!」と言われ、わたしがドキドキしました
結局、やっぱりちょっといきんでと言われたので少しだけいきんで、頭がスルンと出ました。
ここで、旦那さんは「すごい!すごいすごい!出てきてる」と大興奮。
しかし、頭が出た段階で旦那さん、母、末弟から「可愛い〜」の声が。
ん?可愛い?なぜ?はて?
普通はベビさん、わたしのお尻側を見ながら頭が出てくるので、お顔は見えないはずなのです。
第4回旋は今やってるみたいだし、なぜ?
そうこう考えていると、肩が出にくかったらしく、ちょっといきんで!と指示。
最後に「んっ」といきむと、ズルンと生まれたベビさん
旦那さんがそばで「うわぁ〜生まれた」
可愛い可愛い声で、うにゃあ〜と泣きました
臍の緒が繋がったまま、バスタオルにサッと包まれてわたしの胸の上へ
旦那さん号泣。わたしも号泣。
初めまして、君を待ってたよ
頑張ったね
「かにたま、ありがとう、頑張ったね」と旦那さんから言われたとき、この人の子どもが欲しいと望んで良かったと心から思いました。
臍の緒は予定通り旦那さんが切りました
わたしはベビさんをバスタオルで拭き拭き(職業病)。
末弟も出てくる瞬間をばっちり見ていたらしく、でも引かずに、生まれてきたベビさんを可愛い〜と愛でてくれていました。
誰よりも旦那さんがメロメロですが
結果として会陰裂傷もなく、腟中隔がぶち抜かれただけで済んだので、出血も分娩時100mlでした
腟中隔の処置に1時間ほど費やし、その後授乳しました。
ちゃんと吸ってくれましたこれで一安心。
処置後、1時間ほど分娩室で休み、トイレに行きたくなったタイミングでベビさんは小児科医の診察へ。
わたしはわりとスタスタトイレへ行けました
尿もすんなり出ました。
母と末弟は帰宅!
その後ご飯が運ばれて来て、白米と八宝菜以外の副菜や汁物やぶどうを食べました。
しかしやはり眠気がすごくて、ベッドをフラットにしてもらい、しばしウトウト…
15時過ぎ頃に車椅子で病室へ。
ベビさんも病室へ到着
旦那さんと2人で可愛い可愛いと愛でました
旦那さんはスタッフさんの計らいで、別室に寝に行きました。雨もすごかったので、すぐに帰れなかったんです
本当に頑張ってくれた旦那さんでした。
旦那さんがいてくれたから、わたしは産むことが出来たと言っても過言ではないです。
わたしも寝ようと思い、ベビさんをナースステーションへ。
ナースコール鳴らしてくれたら、連れに行ったのにとびっくりされました。
1時間半ほど爆睡
すぐ晩ご飯でした
食べたいのですが、やはり完食は出来ず。
体はやはりお尻、お尻のほっぺが痛いのと、会陰部がヒリヒリするなぁといった感じ。一応円座に座ってみてます。
産後1日目に内診があるみたいなので、ちょっと怖いな〜と思っています
朝4時過ぎから本格的に陣痛が始まったと考えれば、約7時間しかかからなかった超安産でした。
その7時間も、わたしからするととても短い時間でした。
お産は本能のままに、これは間違いではなかったです。
一心不乱に何度も絶叫し、雄叫びをあげ、体力がよく持ったなぁと自分でも思います。
しかし、それを受け入れてくれたこの産院の助産師。
わたしらしいお産のお手伝いをしてくれました。
この経験を糧に、これからもっと勉強して、その人らしいお産のお手伝いが出来たらいいなと改めて思いました。
お産後に教えてもらったこと。
それは、ベビさんが後方後頭位で生まれてきたこと。
だから頭が出た瞬間に「可愛い」という言葉が出たんですね。
回旋異常甚だしいのですが、それでもこんなにスピーディーに生まれてきたのは本当に感心します。
恐らく、わたしの病院だったら吸引分娩になっていたと思いますし、今から考えると搬送になりかねない事案でした。冷静に考えると怖いです。
可愛い可愛い娘
一晩離れて寝ただけで、すごく寂しかったです。
でも不思議と、小さくなったお腹も感じなくなった胎動も、すんなりと受け入れることが出来ました。
陣痛中もよく動いていた娘。
あのとき旦那さんの前でちゃんと泣いて、「寂しい」と言葉に出したから、今はこんなに心穏やかでいられるのかも知れません。
今日からは本格的に育児が始まります。
わたしたちらしいペースで、ぼちぼちやっていこうと思います
長い出産レポになりましたが、最後まで読んで頂いてありがとうございました
これからご出産を控えておられる妊婦さん。
助産師のわたしでもこんなお産でした。
しんどいし、痛い。思い通りになんていかない。
赤ちゃんのことなんて考えてられません。
でも、必ず終わりは来ます。周りを巻き込みながら、みんなで頑張って乗り越えて欲しいです
わたしは時間的に見ると、恐らく超安産でした。
でも、安産=楽なお産ではないです
めっちゃしんどかったです。
しんどいのが大前提で、あとは自分がお産に満足出来ていれば、それが安産なんだと思います
どうか皆さまが自分らしいお産を迎えられますように。
コメント、ありがとうございました
必ずお返事します