熊本でなでしこリーグ! | 現役スポーツアナウンサーから学ぶ、スポーツ実況に特化したアナウンス講座! 

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土曜日は熊本でなでしこリーグ「INAC神戸vs浦和L」の中継でした。

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場所は大津町。

熊本震災の被害が大きかった地区の一つです。

駅からグラウンドに向かうタクシーの窓から、いまだに瓦が落ちた屋根の家並みが目に入りました。

現地では、まだまだ地震の爪痕は残っています。


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夏を思わせるような強い陽射し…


13時キックオフは、選手が大変だな!という気候でした。

試合はゴールを奪い合うエキサイティングな展開に!

ホームのINACが接戦をモノにしました。


ところで、この日の会場ボランティアやグラウンド周りのお手伝いは地元の小中高生がしてくれました。

その中でグラウンドのボールパーソンという役回りがあります。

ピッチの外に出たボールを返したりする仕事です。

このボールパーソンをした中・高生が地元のサッカークラブの選手たちでした。


益城ルネサンス熊本FCという熊本県内では強豪チームです。


そして震災でもっとも被害が大きかった地区のチームでもあります。


地震が起きた当日も練習中だったといいます。

チーム責任者は当日、別の用事で現場にはいませんでした。

そこで電話で指示。

報道や連絡により、帰宅する方が却って危険と判断し、グラウンドで寝泊まりするように伝えたそうです。

近くに体育館などもありましたが、そこにはお年寄りなどの避難している人が多く、そこへの移動すら危険と判断したからです。

夜が明けてから帰宅して、非日常的な現実が待ち受けていたことはいうまでもありません…


それでも数日後にクラブの活動は開始したそうです。

そして5月の大会、夏の大会などで好成績をおさめ九州大会にも出場しました。

様々なことを乗り越えて、サッカーで自己実現を遂げていく選手たち。

精神的にも随分逞しくなったと、責任者はおっしゃっていました。

そんな彼女たちは、なでしこジャパンメンバーが所属しているチーム同士のサッカーをどのような気持ちで観ていたのでしょうか。

少しでも、勇気や感動が伝わっていたらいいなぁと思います。


以上、スポーツアナウンサー寺西裕一でした。