「手応えが力になる」 | 現役スポーツアナウンサーから学ぶ、スポーツ実況に特化したアナウンス講座! 

現役スポーツアナウンサーから学ぶ、スポーツ実況に特化したアナウンス講座! 

野球・サッカーの実況歴は各1000試合以上、競馬実況数は15000レースを超えています。数多くのシビアな現場を経験してきた現役アナが「喋るスキル」を通して、貴方の才能をアッという間にパワーアップします!

 木曜日は大学の講義でした。


他のウィークデーは院生として講義を受け、木曜日だけは講師として教壇に立つ。


奇妙な二重生活です・・・。


先週は始業日だったこともあり、受講人数が3コマとも少なく「今年度の前期は少ないな」と思っていたら、それぞれ倍近くの受講数になっていました。


特に3時限目は200人仕様の教室がほぼ満杯でした。思わず学生に「この教室、日本語の技法だよね?」と聞いてしまいました。先週は40人くらいでしたから・・・。



したがって、一から自己紹介や講義の目的やルールなどを説明する必要があったので、講義終了がギリギリになってしまいました。



院生として講義を「受ける側」を経験することにより、「講義する側」にもいい影響が出ていると感じています。


まず、今まで以上に「受講心理」をリアルに考えることができます。


「聞く時間」「書く時間」「観る時間」「考える時間」「実行する時間」、いろんな時間を与えることによって集中力を持続してもらいます。


また、相槌などのリアクションがないと「わかっているのかな?伝わっているかな?」と不安に感じることがありましたが、もう動揺することはなくなりました。


講義後に「先生の話を聞こうと頑張っていたら、ビデオ観る時間におちて(眠って)しまいました・・・」と正直に言う学生もいました(笑)。


「眠る=退屈」という恐怖の構図がありましたが、自分も実際、大学院の受講中に「おちてしまう」ことがありました。(苦笑)


決して退屈と感じていたわけではないのに「知らぬ間に・・・」という感じです。なので、恐怖を感じることは無用だと思えるようになりました。



受講感想もA5サイズの出席用紙に「最低一面はすべて埋めなさい」と言うと、必死に書いてくれます。


中には「一面、埋まりませんでした・・・」と申し訳なさそうに渡してくる学生もいますが、埋めること自体を要求しているわけではありません。


「そのハードル、ゴールに向かって頑張ってみる」ことを経験して欲しいのです。


おそらく何も言わなければ、ほとんどの学生は数行しか書かないでしょう。


しかし、一面埋めろと言えば、10行以上を埋めることが「目標」になります。


数行を埋めるだけなら講義を振り返らなくても書けるでしょうが、10行以上だと90分の講義内容をある程度振り返らないと書けません。


振り返って「フィードバックすること」で、講義で取り組んだことが実践で活かせるのです。


したがって受講中の集中度も受講感想でうかがい知ることができます。


また、10行以上書こうと思って数行しか書けないのと、ただ数行書いて提出、では次回以降の学習意欲にも影響が出ます。


「数行しか書けなかった」と思えれば、次週以降は「しっかり振り返る」ためにも集中して聴けるようになるはずです。



講義を受ける目的を明確にする提案も、教壇に立つ側のなすべき責任だと思います。


学生の皆さんの「努力の賜物」でもある受講感想は、次の講義への僕の活力源でもあります。


高いレベルの目標設定、目的意識を僕自身が持って、来週以降も講義に臨みます。目指すは「満足度100%の講義」です!



土曜日は競馬中継「うまDOKI」に出演します。




以上、スポーツアナウンサー 寺西 裕一でした。