「セールストーク」 | 現役スポーツアナウンサーから学ぶ、スポーツ実況に特化したアナウンス講座! 

現役スポーツアナウンサーから学ぶ、スポーツ実況に特化したアナウンス講座! 

野球・サッカーの実況歴は各1000試合以上、競馬実況数は15000レースを超えています。数多くのシビアな現場を経験してきた現役アナが「喋るスキル」を通して、貴方の才能をアッという間にパワーアップします!

僕が主宰しているアナウンス講座 には、20歳代前半の営業マンの女性がいます。


特に野球が大好きで、将来は野球を始めとするスポーツ中継のレポーター を目指しています。



講座のワークの中に「セールストーク」があります。


自分が当日持参、もしくは身に付けているものを他の受講生にセールスするというものです。


発表時間は1分程度、考える時間は3~5分です。



彼女は営業マンですから、いつも仕事でしていることなので簡単なように思えます。



ところが・・・



単にセールスすることが目的ではない、アナウンス講座の「セールストーク」。


短時間で相手の興味を惹き、何に興味があるか探り出し、効率よく商品のアピールをしなければいけません。


もちろん、相手を惹きつける喋りのスキルも問われます。



彼女も苦労していました。


たまたま九州出張から帰ったばかりだったので、お土産を持ってきてくれました。


それを題材にしたのですが苦戦していました。


トークだけで、土産物の美味しさや魅力を伝えるのは簡単ではありません。


おそらく彼女は、普段の営業では「まず味をみてください」と試食を勧めているのではないでしょうか?


講座では、そうはいきません。


なので、商品の説明だけで終わってしまいました。


食べると何を感じることができるのか、類似品とは何が違うのか、どこに価値があるのか、などには全くアプローチできませんでしたので、再チャレンジしてもらいました。



スポーツの現場でも、取材したことを試合の流れによっては、すぐに伝える必要があります。


情報の鮮度が落ちれば、もう、その情報は使えなくなります。


また、伝える情報は、何が特別で価値のある情報なのか、その情報で何を感じてもらいたいのか、などテーマがしっかりしていないと、伝える意味がありません。


レポートを入れる時は、放送や現場の流れを変化させてしまいます。ということは情報に価値がないと「変化させる意味」もなくなるのです。


黒子的な仕事ですが、流れを生かしも殺しもする役割なのです。もちろん、ここまで理解しているレポーターは少ないかもしれません。


僕の講座に来た以上は、そこはキチンと抑えてもらわなければ現場に紹介はできません。



「誰が」「どんな情報を」「伝えるか」が問われる仕事ですから、「パーソナル」「情報収集力」「スキル」が必要な仕事です。


その鍛錬の方法は講座だけでなく、仕事先にも、普段の生活にも、山ほど転がっています。


それに気づきながら「自分のゴール」に向かって進んでいくことができるか、そのお手伝いをしっかりできるよう僕自身も「自己鍛錬」を心掛けて生活しています。



彼女にはタイミングを見計らって「現場研修」をしてもらうつもりです。




土曜日は「うまDOKI」の出演です。メインレースの担当なので「ダイジェストの束縛」 から逃れられます!(笑)



以上、スポーツアナウンサー 寺西裕一でした。