素晴らしいサンデー ~ヤングサンデー休刊と僕と度胸星~ | Please trust over 30

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体は大人、頭脳は夢見る乙女な30歳の"乙っさん"の僕が気になるものや事に関してつらつらと書き散らす駄ブログ

三池監督の映画等で「殺し屋1」はご存じの方が多いかもしれませんのでここでの説明は省きます。


さて、もう一方の「度胸星」はメジャーとは言えない作品ですが、デカスロンを同誌でヒットさせた山田先生の次回作で、ネットでは未だに続編を望む声も多く、少し前ですが講談社 より復刊しました。

度胸星 1 (1) (KCデラックス)/山田 芳裕

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この講談社というところがミソですね。(ヤングサンデーは小学館)
話はというと、謎の物体テセラックに襲われ、連絡が途絶えた火星探索隊の救助隊の宇宙飛行士募集にトラック野郎、度胸が挑むというのが大筋なのですが、これが実に面白い!

全て直進の主人公の度胸とハッタリとウソですべてをけむに巻く筑前等々の宇宙飛行士選抜の為の数々の試練に挑むクセありまくりの救助隊候補生、そして一方で火星の裏側で人間の努力をあざ笑うかの如く振る舞う人間の理解を超えた存在テセラックに絶望的な戦いを挑む孤独な宇宙飛行士スチュアート、登場人物がそれぞれ、火星の裏側や停電した住居モジュール、極寒のシベリアなど、極限且つ絶望的な条件下において自身の信念の下に試練に挑む様は圧巻です。
正にSF、ヒューマンドラマ、シチュエーションサスペンスのエッセンスをすべてぶち込んだ、当時のヤングサンデーという雑誌を体現する漫画だと思います。

しかし2000年ごろ『度胸星』『殺し屋1』等のヤングサンデーの看板作家が描く漫画が不穏な空気をみせ始めたのです。あまりにも急なストーリ展開、掲載が徐々に後半になる等、この流れはジャンプで華々しく巻頭カラーで始まった新連載が、次回ではセンターカラー、掲載中位となるも3回目以降から突如掲載順位が後半となり、ストーリーも急展開、そして最後は巻末で断末魔を迎える、そう打ち切り・・・、しかし、不自然なのはそれまで仮にも90年代中盤~後半の本誌を支えていた作家の作品が短期間で一斉にそのような動きをみせたのです。

レッドパージのごとくマンガ達が粛清されていきます。

噂によると編集長が変わり、往年の少年サンデーの如くさわやかスポーツ路線への大きな路線変更を図るため、路線にそぐわないマンガを次々と打ち切ったとか・・・。これが本当なら頭が腐っているとしか思えませんね。その割には闇のイージスとおしゃれ手帳がこの時期連載開始しているのは不可解ですが、とにもかくにもこうした素晴らしいマンガ達が連載途中にして突然終了してしまったのは厳然たる事実です。

レッドパージのごとく素晴らしいマンガ達が粛清され、後には毒にも薬にもならないようなつまらないマンガが生まれては消えていきました。時折、思わず唸るようなはあるもののドラマや映画におんぶにだっこな原作ものの集中連載が妙に多かったり、単なるエロマンガにしか思えないマンガ、狙い過ぎてほんとにつまんないギャグ漫画、他誌のパクリなど安易な人気取りに走ったマンガが数多く、マンガ本来の面白さから徐々に離れ、迷走していた感があります。

「ヤングサンデー」のようなメジャーな漫画雑誌までもが売上減で休刊していくなか、一方では、こんなのまで?と疑問符が付くような漫画がアニメ化のみならず映画化、ドラマ化していきます。今まで漫画は子供が読むものとされ、事あるごとに社会悪としてスケープゴートと化してきた経緯から考えると今の状況に異質さえ覚えます。ネタの枯渇したコンテンツ産業に安易に、そして都合のいいように利用され血肉をむしり取られていってるようなこのような状況は漫画にとって健全といえるのか?そんな気さえします。







ちなみに、ムジナを描いていた相原先生、今こんなの描いてます。

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やっぱ、相原先生はスゲー