名探偵コナン APTX4869はガンに関係する?

※少し専門的な知識が入るのでWikipediaを参照しています※

APTX4869の基本概要

⚪まずはAPTX4869(アポトキシン4869)とは工藤新一が組織のメンバーであるジンに飲まされた薬の名称です

ジンは毒殺目的でこの薬を飲ませましたが新一は死ぬことなく体が幼児化するといった効果が発現しました

その目的のための開発過程で「体から毒が検出されない完全犯罪が可能な代物」である毒薬が生まれました

これが薬の本来の目的でないことはジンの「出来損ないの名探偵」(出来損ないの試作品)の台詞や
灰原哀の「毒なんて作っているつもりなかった」との台詞からも明らかです

その一方でピスコこと枡山憲三は本薬の副作用で小さくなったシェリーを見て「まさか君がここまで進めていたとは」と完成には至っていないことを示唆すると同時にAPTX4869の効果が幼児化と同種の類であるような言い方でした

⚪宮野志保は幼児化した江戸川コナンの姿を見つめながら「組織が半世紀前から進めていた極秘プロジェクトに深く関わってしまっている」とモノローグで語っているのでAPTX4869が組織の真の目的に大きく関わっておりそれも幼児化に類する効果がありそうです

板倉卓の日記には「時の流れに逆らって死者を蘇らせようとしている」との組織メンバーのベルモットの発言が残されています

しかし「死者を蘇らせる秘薬」のような「夢のような薬じゃない」と灰原が発言しています

⚪服用者は作中で確定しているだけでも3名存在します

・工藤新一(江戸川コナン)
・宮野志保(灰原哀)
・メアリー世良(メアリー赤井)
この3名の服用シーンが本編中で描かれており確定しています

APTX4869の服用リストにはこの薬を飲んだ人物のリストが存在します

このリストの名前の横にはその後の状態が記載されており工藤新一以外のすべての名前に「死亡」の2文字が記載されています

工藤新一については「不明」でしたが
組織を抜け出したシェリーによって「死亡」に書き換えられます

⚪開発者は宮野志保(シェリー)で
単行本の18巻で「組織に命じられ私が作った薬」と明言しています

また単行本の89巻で「私の父と母が作った薬」で「資料を掻き集めてその薬を復活させた」と語っていることから
本薬が宮野厚司・宮野エレーナによって開発されたものが元となっていると思います

また哀ちゃんは「私が本当に作らされていたのは別の薬」と続けて話しています

解毒薬が存在するようで幼児化した灰原哀が薬のデータを元に開発したものです

効果は幼児化する前の姿は元の姿に戻るものであり過去にコナンくんは3回服用することで新一の姿に戻っています

その効果は一時的なものであり24時間前後でコナンの姿に戻ります

これについて灰原哀は「これぐらいは許容範囲ね」と認識しており
「完全に元の姿に戻る薬」としての完成には至っていない試作段階のようです


⚪キーポイントのとして服用時に風邪を引いていることが条件となっており
コナン・灰原ともに服用時点では例外なく風邪を引いていることが確認されています


⚪APTX4869は2種類存在することが確定しています

一つは宮野厚司・宮野エレーナ夫妻が作成したもの
もう一つが灰原哀が作成したもの
です

(1):宮野夫妻の"銀の弾丸"

宮野夫妻の開発した薬は正しく使えば人類の救い悪用されると人類の脅威になる「モルヒネ」のような薬だった

単行本の95巻では18年前の宮野厚司とエレーナ先生の回想シーンが描かれています

・宮野厚司には研究している何かがありその研究は宮野厚司の夢である

・町医者の片手間にできる研究ではなく宮野厚司は学会でマッドサイエンティストと言われていた

・この研究のために烏丸グループ(黒の組織)に加入したという流れです

回想シーンでの夫妻の会話は明るく前向きで後ろめたさがないので人類に害する類いの薬ではなさそうです

この回想シーンの時期はエレーナが宮野志保を懐妊中(3カ月)であることから志保ちゃんの年齢18歳から逆算し18~19年前と判断できます

単行本の78巻での宮野エレーナのカセットテープには「とても恐ろしい薬」との言葉があります

このテープは死期を悟ったエレーナ先生が哀ちゃんに残したもので
夫妻の死亡時期は「私が生まれてすぐ」と語っていることから16~18年前となるでしょう

そのテープの続きにはラボの仲間が「夢のような薬と浮かれている」ことと
宮野夫妻がこの薬を「シルバーブレッド」と「願いを込めて」呼んでいることも明かされています

仲間が浮かれている理由と宮野夫妻の「明るく前向きな夢」とは一致していてもおかしくありません

ただ組織の目的としては危惧していることが分かりますね

宮野夫妻は組織に加入したことで用法用量を守って正しく使えば「夢のような薬」だけど悪意を持って使用すると「とても恐ろしい薬」になることに気づいたのかもしれません

例えば現実世界にも存在するモルヒネは鎮痛目的に使用される医薬品ではありますが
モルヒネをもとに作成されるヘロインは最強・最悪の覚せい剤としての一面を持ちます

薬の類いと毒は紙一重ですから誤った量を服用すると最悪の事態に至ります

だから宮野夫妻の開発した薬は二面性を持つていたのかもしれません

(2):宮野志保のAPTX4869

宮野夫妻が作成した薬と宮野志保が復元させた薬は一部の効果が異なるのは何故でしょうか?

宮野志保が復元させた薬は
単行本の89巻で「私の父と母が作った薬」の「資料を掻き集めてその薬を復活させた」と明言しています

宮野夫妻によって作成された薬とは基本的に同じものでも効果は異なるみたいです

羽田浩司は17年前に亡くなっていますが羽田浩司は「宮野夫妻によって開発されたAPTX4869」を服用していると思われます

しかし工藤新一は前述のジンの発言から「灰原が復元したAPTX4869」を服用していることになります

このことからリストは新旧APTX4869をすべて含めた接種者リストになっていることが分かります

単行本の18巻で哀ちゃんはコナンくんに対して「あの薬を飲んだ人間の中であなたの死亡だけが確認されていなかった」と言っていました

つまり宮野夫妻の作った薬を服用した人物はすべて死亡していそうです

銀の弾丸を飲んだ人物は死亡しており幼児化していない
APTXを飲んだ人物の中には幼児化している事があるのかもしれません

(3):APTX4869の目的

ピスコやベルモットの一部メンバーは認識しているがジンなど組織の幹部でも知らない人間もいます

単行本の24巻で組織に捕まり死期を悟った哀ちゃんはコナンくんに対してAPTX4869について

APTX4869のアポ(AP)とはアポトーシス(プログラム細胞死)の事でこのアポトーシスを誘発している
またテロメラーゼ活性も持っている(細胞の増殖能力を高めている)ようなので細胞に対し作用する薬であることは間違いなさそうです

⚪アポトーシスとは日常的に人間の体内で発生しており
日本人の死因の第1位であるガンの要因の一つに
本来は日常的に発生している癌細胞をアポトーシスによって死滅させるプロセスが何らかの原因で正常に処理されなくなったものだそうです

細胞死は人間が生きるために必要なものの1つです

これを誘導するAPTX4869の作用がどのような意味を持つかは不明ですが
もし正常な細胞のアポトーシスを誘導する場合は細胞死が急速に起こるため死亡する試作段階の毒薬としての作用を表しているのでしょうか?



⚪テロメラーゼ活性とは多細胞生物は細胞の分裂・増殖時に自分のDNAの複製しますがDNA(染色体)の両端が徐々に短小化してしまいます

⚪テロメア (telomere) とは真核生物の染色体の末端部にある構造でありまた染色体末端を保護する役目を持っています

この末端部分が年月の経過とともにテロメアが無くなっていき細胞としての限界が近づきます





これらが細胞の老化そして人間の老化につながるとされる現象だと言われています

ここでAPTX4869が持つテロメラーゼ活性はこの末端複製の問題を回避するものであり
テロメラーゼによりDNA(染色体)複製時の短小化を防ぎ事実上の細胞の不死化を実現する作用になります

言葉だけみると細胞死と対照的な作用ですが先ほどのガンがこの現象によって引き起こされます

ガン細胞も末端複製問題により細胞の劣化と細胞死が起こっていますがテロメラーゼ活性によって不死化が起こるということです

結果として体内のガン細胞が死滅せず増殖を繰り返しガンを促進させるようです





APTX4869のもつ2つの作用は人間の体内で起こっている体内の作用に及ぼすため限られたメンバーにのみ共有されているのでしょう

ピスコは幼児化したシェリーをみて現象そのものに驚いているのではなく
彼女の研究の進捗に驚いているためピスコは薬の目的や研究についてある程度理解していたようです

⚪ジンは工藤新一の幼児化についてまるで想定していないとしか言いようがない行動をとっています

新一が薬を飲まされ世間的に行方不明となっていますが
組織の動きは機敏なものではなく2ヶ月の間に2回ほど新一の家を調査しただけでした

普通に眠りの小五郎やその周囲に頭の切れる小学生がいることは一般人の本堂瑛祐でも調べればわかるほどです
 
ジンが薬の目的や研究テーマを知っていたらよほどのことがない限り幼児化の可能性を考慮していたでしょう

ベルモットとピスコの2人は認識していそうです

(4):「別の薬」の存在

単行本の89巻で哀ちゃんは「私が本当に作らされていたのは別の薬」と述べています

「別の薬」に完全版のAPTX4869が関わっていると想定されます

・完全版のAPTX4869を「別の薬」として一緒に服用することで求める効果が発現するのでしょうか?

完全版よAPTX4869と「別の薬」では効果が違うと仮定した場合

⚪完全版APTX4869と「別の薬」を一緒に服用することで求める効果が発現するとは
この別の薬が現実世界にある「DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)」のようなものではないかと思います

ガン治療に用いられる治療薬は様々ですがそのほとんどは副作用の危険性が指摘されています

それは薬がガン細胞だけでなく正常な細胞にまで作用し傷つけてしまうからです

⚪DDS(ドラック・デリバリー・システム)とはガンの治療薬をガン細胞だけに運び作用させることで
副作用を限りなく抑えようというものです





完全版APTX4869にはアポトーシス・テロメラーゼ活性の2つの作用があると哀ちゃんによって語られています

この作用を狙い通りに発現させる目的として「別の薬」があるのではないでしょうか?