ツイステ 考察

アズールとアースラ

今回はツイステッド・ワンダーランドのオクタヴィネル寮長

アズール・アーシェングロットくんについての解説です

ディズニーの名作映画である「リトルマーメイド」の
ヴィランである海の魔女アースラから
どういった点がアズールくんに反映されているのか具体的に見ていきましょう!

少し長くなるので前編と後編で分けたいと思います♪

(1):キャラクター設定

公式ホームページに載っているアズールくんのセリフ
「私ならあなたを助けてあげられます
さあ、契約書にサインを」

このセリフはアースラが主人公のアリエルに契約を迫りながら歌う「哀れな人々」の歌詞から来ています

自分の目的を隠し不幸せな人の願いを叶えてあげる
あくまでも親切な人物像を装いながら近づいて来るアースラの特性が表現されているセリフですね

(2):キャラクターデザイン

アズールくんとアースラの見た目はあまり似ていませんよね

ですが二人とも基本的に同じような色が全体的に使われていて
それぞれの色が使われている場所も似ています

二人の配色を似せることでシルエットが違っていても
しっかりと繋がりがあることが感じられるような
キャラクターデザインになっていますね

アースラとアズールくんの外見での共通点は
・銀髪でキチンとセットされた髪型
・位置は逆ですが口の下のホクロがあります

・第3章で判明したように昔のアズールくんは丸々と太っていました

幼少期の人魚形態のアズールくんはアースラと似ていたのかもしれませんね

「リトルマーメイド」ではアースラが
自分の魔法でスレンダーな人間の美女「バネッサ」に変身して
アリエルの邪魔をしに行くのですが
この時のバネッサの時の顔の輪郭や目・眉毛などの表情の作り方
全体的な印象は今の人間形態のアズールくんに似ているように思います

・またアズールくんは
普段は余裕たっぷりで澄ました表情をしていますが

契約書を全て砂にされた時は結構凄まじい表情になって
目を見開いて取り乱していました

・実は「バネッサ」の時のアースラも
ずっと余裕たっぷりな色気のある美女として振る舞っていましたが

アリエルの仲間達が計画を邪魔してきた時はかなり凄まじい表情をしており
本性むき出しに怒り狂っていました

二人とも自分の計画通りに事が進まないとかなり取り乱してしまう点は似ていますね

(3):アースラのモデルや正装

実はアースラにはキャラクターデザインのモデルとなった実在の人物がいます

それはアメリカの伝説的なドラァグクイーン「ディヴァイン」です



体重100kgを超える女装家で数々のカルト映画に出演した俳優でもあり
彼あるいは彼女の性別を超越した迫力と存在感
そして何より容姿がアースラに反映されていますね!

ちなみに17歳の頃のディヴァインがこちらです


アズールくんと丁度同い年ですしある意味アズールくんのモデルとも言えますね

⚪それではキャラクターの内面的な性格や行動面では
二人を比べるとどうでしょうか?

・言葉巧みに狙った人物を自分との契約に誘導する計算高さと強かさを持ち

・口では「不幸せな人達を助けたいのよ」と言ってあくまでも慈悲深い人物のように振る舞います

・国を支配するという自分の真の野望は最後の最後までひた隠しにして
手下のウツボ二匹と共に悪巧みを進めていき
自分を頼ってきた人魚たちの長所を「支払い」として取り上げ

・最終的には魂まで手に入れて自分の庭に植えてコレクションにする事に喜びを感じています

・そしてこれはアースラの最後のセリフでもあるのですが「真実の愛」と言った無償の好意など存在しないと思っている現実主義者です

こう見てみると見た目は違っても内面はかなりアースラから受け継いでいますね

⚪アースラは何故このような性格になったのか
また何故海の魔女になったのか見てみましょう!

アニメ版だとアースラは自分の過去について「昔は王宮に住んで豪華な宴会三昧だったのに」と言っています

アースラは何故王宮に住んでいたのでしょうか?

実はミュージカル版のリトルマーメイドではアニメ版にはない
アースラが自分の過去・身の上を語るシーンがあります

挿入歌の「パパのかわいい天使」の歌詞の中では
アースラはアリエルの父親であるトリトン王の実の姉であり王族の一員でした

美しい姉達と違いタコ足で醜い姿をしていました
そんな娘を不憫に思った父親・ポセイドン王は
魔法の力を持つ貝をアースラにプレゼントします

しかし姉達ばかり贔屓されるのが気に食わないアースラは魔法の力で六人の姉を一人一人殺害していき
やがて父親も死にアースラの天下となります

しかし成長して力を手に入れた弟のトリトンによって王宮から追放されてしまい
その後は海の魔女として狭い洞窟に住み魔法の研究をしながら
弟への復讐と国を支配する機会を伺っているのです

可愛らしい題名にもかかわらず凄まじい過去の内容ですね

アズールくんの過去はメインストーリー3章で明らかになった通り
珍しいタコ足の人魚として生まれ太っていた事からイジメられて友達も無く
狭い蛸壺に引きこもっていたが自分を馬鹿にした人魚達を見返すために努力して魔法の腕を磨き続けた結果
今のユニーク魔法を手に入れたと言うものですね

人魚の基準では生まれ持った容姿や能力に恵まれていなかったものの
しかも家族や学校など周りには恵まれている人魚達ばかりのため
イジメられて苦しんできたという共通点があります

そんな苦しみの中で二人とも魔法の力を身につけた事で
これまで自分を虐げてきた周りの人魚たちを「今度は自分が支配する側に回ってやるよ!」という思いを抱き支配欲の強い性格になったのだと思われます

アズールくんだけではなく
元ネタであるアースラにもこのような過去があったのですね

ただしアズールくんは未だに昔の自分や海の中の自分の姿に強いコンプレックスを抱えている描写がある一方で

アースラは自分の姿に対してコンプレックスを抱いている描写は全くありません

先程もお話した通り劇中でアースラは魔法で自分の姿を美女のバネッサに変身して
アリエルの美しい声を使って王子様と結婚する一歩手前まで行くシーンがあるのですが
目的を果たしたら人前で堂々と魔女の声で丸々としたタコの姿に戻っています

そして物語全体を通してタコの人魚である自分を恥じている様子は全くありません

過去自体は似ているもののこの辺りはまだ十代のお年頃なアズールくんと
貫禄のあるベテランな魔女アースラとの違いですね

(4):アズールくんの寮服

次にアズールくんの寮服を見ていきましょう!

アースラが洞穴の中でも常にドレスを着ているような格好をして化粧
を欠かさなかったのに習って
アズール君もタキシードスタイルでビシッとしいますね

アズール君達が着ているジャケットは基本的にディナージャケットと呼ばれる物で
元々は燕尾服の裾をカットしてカジュアルにしたものです

紳士達がレストランや夜の社交場に行く時の服装です
こういったジャケットのラベルには絹が使用されているのも
元々は夜間の室内照明の下でも顔周りが明るく見えるようにする意図があったそうです

またアズール君はオーバーコートとしてトレンチコートを羽織っています
本来はチェスターフィールドコートが正装用のコートなので

軍服から派生したトレンチコートを合わせるのは割とカジュアルなスタイルとなります

マントのように羽織ったコートで一気にボス感が出ますね!

中に合わせているのもウエストコートではなくカマーバンド
パンツの上に巻く帯のようなものでこれ自体にパンツを抑える働きはないので必ずサスペンダーを着用するのが決まりです

ハット、ストール、手袋、ポケットチーフなど小物を合わせてオシャレ感がありますね

ボウタイはウエイターがよく付けているホックタイプではなく個性の出る手結びタイプと
これまたカジュアルさと伝統のバランスが取れていますね♪

オクタヴィネルの寮服はフォーマルでありながら十代男子らしい軽やからさがありますね

アズールくんの杖は紳士のアイテム「ステッキ」としての役割がありますね
ステッキは片手がふさがっていても何不自由なく過ごす事が出来ますということを示しており
自分の生活水準と権力を主張するファッションアイテムとなっています

(5):最後にオーバーブロットのアズールくんを見ていきましょう!

頭の後ろにある黒い冠のような物はアースラが
トリトン王から奪って被っていた冠と突起の数が一致しているので
これが元になっているでしょう

首から下げている貝のネックレスはアースラがアリエルの声を奪って詰めていた貝のネックレスです
アズールくんネックレスの方が紐部分が豪華になってますね!

基本的にアースラの黒いドレスを男性の人魚らしく変えたような感じですね

後ろにいるブロットの化身となったアースラには劇中では身につけていたなかった
黒いマントと手袋を着用していて
そのマントをよく見るとフジツボやヒトデなどが付着し珊瑚みたいな物も生えていますね

そしてアニメの終盤でアースラがトリトン王から奪った力
海を支配する鉾「トライデント」を手に持っています

さらに見えづらいですが腹部に一際大きな縫い目があります
これはアースラが劇中で槍のように先端が尖った船首に腹部を貫かれて倒され
船と共に海の底に沈むという最期を迎えます
なのでこの縫い目は倒された後のアースラである可能性が高そうです

⚪オーバーブロット状態のアズールくんが使う技の「波よ従え」は
アースラがトライデントを使って天候と海を操りながら言うセリフ
「私がこの海の支配者だよ!
波よ私の命令に従うのだ!!」から来ています


以上、前半戦のアズールくん解説でした!