息子はキッザニアが大好きでした。
物怖じせず、何でもチャレンジしてみる子でしたので、キッザニアは息子にぴったりの場所でした。
はじめて行ったのは小学一年生の時。
夏休みの旅行で行きました。
息子は、目を輝かせて、お仕事をしていました。
次の日も、また行きたいと少し駄々をこねました。
翌日は、スカイツリーに行く予定で入場券も手配してあったし、キッザニアは予約しないと入れないからと説明したら、幼い息子は、なんとか分かってくれました。
それから毎年、最低年2回、GWと夏休みに行きました。クリスマスに行ったこともあったような気がします。
二泊三日で行ったとしても、三日間ともキッザニアに行きます。それでも、まだ居たいと言いました。
ほとんど全部のお仕事をした息子。
年二回しか行かないけど、お仕事の記録も残るのでキッザニアクラブにも入りました。
息子の一番好きなお仕事は、ラジオ局。
頼みこんで、ウェディングセレモニーの新郎役をしてもらったこともあった。息子は不機嫌だったけど、私には最高の思い出。
キッザニアは15歳までだけど、それまでずっと行くと言っていた。
それが、
息子、小学5年生の2月頃、コロナウィルスが蔓延し始めました。
そろそろGWの旅行のホテルの予約をしないとなぁと思っていた時でした。
息子は15歳まで行くと言っていたけど、6年生で行くキッザニアがきっと最後になるだろうと思っていました。
さすがに中学生になったら行かないだろうと。
最後のキッザニア、そして最後の親子旅行になるからと楽しみにしていたのに、緊急事態宣言で、それも叶わなくなりました。
貯まったキッゾもそのままです。
「最後に行く時に全部使って帰る」と息子は言っていたのに。
息子はもう中学生。
この先、コロナがなくなっても、もうキッザニアには行かないでしょう。
あのキラキラした息子の姿は、
二度と見ることができません。
もう子供じゃなくなったんです。
先日、キッザニアクラブから、
手紙が届いていました。
もう行かないと思って、退会したはずなのに。
もしかしてうまく退会できていなかったのかなと思い、また会費が落ちては大変なので電話をして確認しました。
「確認しますので、しばらくお待ちください」
電話口で係の方がおっしゃいました。
その時、流れてきた保留音が、
あの聞き馴染んだキッザニアの音楽。
その音楽を聴いて、
ものすごく、悲しい気持ちになりました。
6年生の時に、最後にもう一回行って、たくさん思い出作るつもりだったのに。
低学年だった頃の息子は、とってもかわいかったなぁ。
たくさんお仕事したくて、興奮してたなぁ。
旅行でホテルに泊まるのも楽しみにしてたのに。
私には、もう何にもなくなっちゃった...
私の手助けなんか何にも必要なくなった、
大きな息子が一人いるだけ。
私は、もうキッザニアには行けない。
できることなら、
小さい息子ともう一回、
キッザニアに行きたい。
保留音が終わり「退会は完了してます」と伝えられました。
退会した人にもお知らせが届く仕組みになっていたみたい。直します、と言われた。
今は思春期の息子と毎日対峙して、辛い時も多いけど、あの小さかった頃の思い出と一緒に、
生きていけそうです。