そうだ、桜を見に行こう。
家の近くに見事な花を咲かせる桜の木がある。
その桜の開花時期は早くて、うかうかしていると見逃してしまう。
私は息子に言った。
「今日はあとで桜見に行ってくるわ」。
それを聞いた息子が言った。
「ふぅん。オレも行こかな」
嬉しい。
私は息子を誘いたい気持ちはあった。
その桜は本当にきれいだから。
けど22歳の男性が母親と桜なんて見に行かないよね、と思い誘うのをやめたのだ。
息子と二人で自転車に乗り桜の木がある場所に向かった。
桜の木まで数十メートルというところまで来たとき向こうにピンクのかたまりが見えた。
私「あ、きれいに咲いてる!」
息子「え?あ、あれ桜か」
息子はその桜を見るのははじめてだ。
木が生えている場所は、お寺とか大きな公園ではなく道路わきだ。
それでも結構有名みたいだ。
近所の人や、カメラをたずさえて来ている人がちらほらいた。
私たちも美しく咲き誇る桜に見入った。
私「きれいね」
息子「うん。この桜は今まで見た桜の中で一番きれいかもしれん」
私がスマホで写真を撮っていたら息子が言った。
「ママ、桜と写真撮ろうか?」
私は自分が写真に入るつもりはまったくなかった。
だから家からスウェットのまま来てしまったのだ。
でも私は息子に言った。
「うん。ありがとう」
正直、自分の写真はどうでもいい。
でも息子がそう言ってくれたことが嬉しくて、せっかくの好意を断る気になれなかった。
シャッターを押してから息子が言う。
「念のため、もう一回撮っとこか?撮った写真、見てみて」
私「ありがとう。でも、もういいよ。べつにそれほど変じゃなかったでしょ?」
息子「いや、分からんで。変かもしれん」
私「変だとしたら、それはママの顔の問題やと思うw」
そうこうするうちに、桜のまわりには来たときより人が増えていた。
私のお気に入りの桜を息子と見に来れてよかった。
こういう時間が何より幸せだと感じる。