最近の息子、朝起きるのが遅い。
以前は今よりは早く起きていた。
そのときは朝ごはんを食べて薬を飲み終えた息子と一緒に犬の散歩に行っていた。
今は起きるのが遅くなった上に、息子が肌の手入れを念入りにするようになったので朝の身支度を終えるのにとても時間がかかる。
それを待って散歩に出かけるとなると帰ってきたら昼近くなってしまう。
そうかと言って、毎朝いちいち息子を起こすのも面倒くさい。
私は息子を待たずに犬の散歩に行くようになった。
ある日、一匹めの散歩から帰ってきたら、玄関に息子の靴がなかった。
息子は私の負担を考えて二匹めの犬を散歩に連れて行ったのだ。
(もぅ、散歩より朝ごはん食べて薬飲まないとだめなのに…)
散歩から帰ってきた息子に私は言った。
「散歩に行ってくれてありがとう。でも今度からお薬飲むのを優先してね。散歩よりお薬飲むことのほうが大事やから」
息子「いや、散歩のほうが大事やろ」
なんでやねん。
私「散歩はママが行けるけど、お薬は他人が代わりに飲むことはできないでしょ」
息子「ほら、ママが行ってしまうやろ?だからオレが行くねん。薬飲むのが遅れるより、ママが2回も散歩に行くことのほうが嫌やねん」
私「だったら早く起きて散歩に行ってよ」
息子「それはそう」
息子は自分の非を認めながらも引き下がろうとしない。
息子「オレが朝起きひんのが悪いのはそうなんやけどな、薬の時間は2〜3時間やったらずれてもいい、て言ってた」
小憎たらしい。
私「だからって、そんな遅い時間に起きて薬のために朝ごはん食べて、てやってたらお昼ごはん作るときにはお腹減ってない、てなってやりづらいのよ」
これはほんとにそう。
私は昼前にはお腹ペコペコだし、普通の時間に食べたい。
自分の勝手で朝起きない息子のために昼ごはんを遅らせたり、息子の分だけ後で作るなんてごめんだ。
息子「でもママ一人に2回行かすのは嫌やねん」
(だったら起きろよ)と思考は堂々めぐりになる。
私「じゃ、朝ごはん食べてたら時間かかるから、とりあえず起きて薬だけ飲んでしまいなさいよ」
あ、それはきついか。
10種類もの薬を胃に何も入れずに飲めとはさすがに言えない。
私「いや、あの、とりあえず免疫抑制剤だけは起きてすぐ飲んだら?時間を守らないといけないのはあれだけやから」
うん…、とようやく息子は反論をやめた。
こんなことで言い合うのも息子が生きていればこそ、と思うと嫌な気がしないから不思議だ。
そもそもは息子が優しいからだ。
息子が私に二匹とも散歩に行かせて自分は平気で寝ていられるような性格だったなら、こんなやりとりは起きないのだ。
移植後外来で看護師さんに「薬の時間のことはあまりきつく言わずに気長に」と言われたことを思いだした。