こんにちは。サラです
いかがお過ごしですか?
今日は、世界の金融業界の人々も注目する、”ダボス、オンライン会合”と、そのテーマでもある、”グレートリセット”、の話題です。
今回行われている”ダボス、オンライン会合”というのは、
World Economic Forum(=世界経済フォーラム)のオンライン版の会議、
のことです。
世界経済フォーラムは、通称、ダボス会議、と言われていますね。
ダボス会議は、毎年1月にスイスで行われる、世界各国の首相やビジネスリーダーなどが集まる会議なのですが、
今年は、新型コロナの影響で、5月にシンガポール開催へと延期になりました。
それに先立ち、2021年1月25日(日)から29日(金)まで、”オンラインでのダボス会合”が行われています。
注目は、中国の習近平国家主席、のスピーチもありますし、日本からは菅総理が最終日の29日にスピーチするようです。
”ダボス、オンライン会合”で検索するとサイトが出てくると思います。そのページから、誰でも登録なしで、スピーチの動画などを見ることが可能です
今回の会合の一つのテーマにもなっているのが、
グレート・リセット(The Great Reset)、
です。
どういう意味でしょうか?
その答えは、ちょうど、今年のお正月休み中に読んだ、
”グレート・リセット”、ダボス会議で語られるアフターコロナの世界
クラウス・シュワブ著
という本の中にありました。
この、著者のクラウス・シュワブさんは、世界経済フォーラムの創設者で、現在も会長です。
”グレート・リセット”と聞くと、素晴らしいリセット?、とついつい感じてしまうのですが、このグレートというのは、素晴らしいという意味ではなく、”大きな”という意味の方ですね。
つまり、
”グレートリセット”、というのは、
”新型コロナ後の、世界のとてつもなく大きなリセット”、
という意味、と理解しました。
今回のオンライン、ダボス会合ではこの内容について、各国首相や、各会社のCEO、学者の方等々、様々な方がそれについて、語るようなので、楽しみにしています
先日読んだ、この本、
”グレート・リセット”、ダボス会議で語られるアフターコロナの世界
クラウス・シュワブ著
の中で、私が、特に面白いな、と思った内容について、そのポイントをご紹介します。
〇面白いなと思ったポイント
その1.経済優先か、命優先か
”命を犠牲にしても、経済を守るべきという経済論の誤り。健康と経済はトレードオフの関係にない。”
→命を守れなければ、その生活は守れず、結局は経済も救えないから。
その2.MMT(現代貨幣理論)
財政金融政策についての中で、先日勉強した、”MMT(現代貨幣理論)”についても触れていました。
政府が発行する国債を中央銀行が買い入れる。もし中央銀行がこの国債を売り戻さないことにすれば、これは財政ファイナンスと同じ。つまり財政赤字を中央銀行が埋めることになる。
そして政府は、その資金を何にでも自由に使えるようになる。たとえば、資金を必要とするものに広く、比喩的に言えばヘリコプターからばらまいてもいい。
(中略)
しかし、この方式は、社会の期待を大いに膨らませるあまりに、政治のコントロールが効かなくなる恐れがある。
国民がこの「金のなる魔法の木」の存在に一旦気づけば、自らの票で政界に送り込んだ代議士に、その魔法の木にもっと多くのお金を実らせるよう求め始める。
※MMTとは?に関する記事はこちら→
その3.ジャパニフィケーション(日本化)
著者のシュワブさんによると、世の中のエコノミストは、世界がジャパニフィケーション(=高所得国で成長もしなければインフレも起こらないが、耐えがたい額の借金を背負うというような意味)、することを懸念しているそうです。知りませんでした。
ただ、著者のシュワブさんは、ジャパニフィケーションにも良い面があると言っています。それは、
豊かな国々の中でも社会格差が小さいこと
派手な消費の割合が世界でもかなり突出して低いこと、
の二つ。
”派手な消費もせず、「質素」に生きつつ、人生の意義や目的を探して生きる、というのこそが、ジャパニフィケーションのいい所ではないか”、というのが、著者のシュワブさんの考えのようです。
うーん、どうなんでしょう。
確かに、ギラギラとした大きな腕時計を買って、高級車を乗り回し、タワーマンション最上階に住む、というようなタイプよりも、
「服装や食事も、シンプルで、心も体も、健康的に生きていく」
というような方が、世界的にもトレンドなのかもしれませんね。
完全にそれだけ、になってしまうと、少し寂しい、ような感じもするのですが。
その4.日本の社会基盤のリセットが進む?
ヘンリーキッシンジャー(元国務長官)のコメントの、紹介がありました。
「新型コロナウイルスのパンデミックが終息したときには、多くの政府が対応に失敗したとみなされるだろう」
まさに、日本のことを言っている、と、感じました。
そして、著者のシュワブさんによると、
進んだ医療制度、研究、科学技術、イノベーションの資産を十分に持ちながら、他国に比べて対応がかくもお粗末だったのかはなぜかを、国民に問われることになる。
そうした国では、社会構造と社会経済システムの本質が浮き彫りとなり、それが多数の国民の経済的・社会的福祉を保証できなかった「真犯人」だと糾弾されるかもしれない。
ということです。
日本も今、次々と、社会基盤の問題が浮き彫りになってきていますが(元々あった問題が表面化しているだけかもしれませんが)、これを”リセット”する、大きな機会となるのかもしれません
その5.大きな政府の復活
過去500年の間に欧米諸国が得た大きな教訓の一つに、重大な危機は国家の権力を拡大させるというのがある。
程度に差こそあれ、すべての国のすべての業種で、企業幹部は強まる官の介入に適応していかなければならない。
日本もこうなりつつあるように感じています。。
グレート・リセット。とても面白い本です。
ご興味ある方は、是非読んでみて下さい