アガルートの各講座の具体的な使い方についてコメントにてご質問いただいたのでここでまとめておこうと思います。なお、これはあくまで私個人の使い方に過ぎません。使っていくうちに自分に適した使い方を見つけることができると思うので、参考程度としてください

 

1,総合講義、重要問題習得講座の他に別途論証の講座を受講する必要があるか

これについては、人それぞれというほかありません。確かに、総合講義においては論証集で説明されている論点はおおかた網羅されているように記憶しています。また、重要問題習得講座においてもその問題のほとんどが論証集で説明されている論証を用いる問題となっているため、これらで論証を習得することは可能です

ただ、総合講義等を複数回回すことは時間的に困難ですし、論証を覚えるという意味において非効率的です(論証に特化したものではない)。論証集によれば倍速再生で非常に短い時間で何回も回すことが可能です。アガルートの合格者の動画では10回ほど回したと言っておられた方がいました。総合講義等では到底無理です。

また、論証の講義の中で工藤先生が丸暗記すべき点、ポイントとなる点を的確に指摘してくださるので、複数回回しているうちにそこが頭にしみこみます

 

結論として、総合講義などで一度二度聴いただけで内容を覚えられるという方以外は別途、論証集を購入された方がいいのではないかと私は考えます。価格も高くないですし。

 

私個人の使い方としては、何回か聴いて、工藤先生の解説のポイントを書き込んでいました。また、より短時間で回すためにポイントと丸暗記すべき点を自分で録音して聴いたり、ワードにまとめてさらっと見直すということをしていました。

 

2,総合講義、重要問題習得講座の回した回数

これについては時間があれば何回も回すべきだと思います。特に、重要問題習得講座。ただ、私は不合格が確定してから勉強を再開し、アガルートの講座を受講したのは10月頃だったと言うこと、まだその使い方を確立していなかったと言うことからかなり時間を掛けてしまい、総合講義については通しで一回、あとは要所要所で使用するという形でした。重要問題習得講座については2回です

 

3,重要問題習得講座の憲法について

確かに、私見のみを書かせる旧来の問題が多数派を占めています(数問は新司型)。

これについては私も当初は不安になりました

しかし、講義内で工藤先生がおっしゃっていることですが、三者のかき分けについては答練などを受講することにより自然とできるようになるから特段そこを気にする必要はないということです。所詮、テクニックにすぎない、と。

今のような本試験まで時間がある時点においては、しっかりと旧来型の問題を解けるようになることが重要です。旧来型の問題でも反論等を想定して書きますし、私見がベースになることは間違いないからです。

旧来型の問題が十分に解答できないにも関わらず、三者かき分けを重視しすぎ薄い答案になることは避けるべきです。

今はしっかり憲法の判例を理解して典型問題を余裕で解けるようにしましょう。

それができれば自ずと新司型の問題も対応できると思います

憲法については工藤先生も判例学習の重要性を指摘しておられるので、総合講義でしっかりと判例の理解を深めることが重要

工藤先生の講座を受講するならば工藤先生のおっしゃることを信頼することが必要です

工藤先生の講義は膨大で難解ですから、疑心暗鬼なまま進めると消化不良に陥る可能性があります。また、その内容は信頼に値するものだと思います

 

4,過去問講座について

過去問講座については、現在アガルートでは27年の分しか販売していないので、利用しませんでした。なので、LEC時代のものを利用。しかし、これについては現在販売されていないので、言及は避けます。ただ、今後他の年度が販売されれば利用価値は相当高いと思います

また、時間のある方は予備試験の過去問講座、旧司過去問講座を受講されればより合格は確実なものになるのではないかと思います(私は時間がなくて無理でした)

 

5.総合講義、重要問題習得講座の具体的な使い方

総合講義はとりあえず、通して聴きます。そのなかでポイントについては工藤先生の解説を書き込んで、後で見返せるようにします。また、わからない点についてはチェックするなどして完全に理解できるように努めます。

総合講義は工藤先生が短い時間で必要な点を網羅した非常に完成度の高い講義ですが、そうはいっても全科目回すのはとても時間がかかるので、複数回回すのは困難です。また、結局基本的に聴いているだけになるのでこれに時間を掛けても論文を書けるようにはなりません。

総合講義で深い理解を得た後は、論証集、重要問題習得講座で実践していくことになります。これらを利用していく中で適宜総合講義の該当箇所に戻ります

 

重要問題習得講座は典型問題の詰め合わせです。はじめにこれをやってみるとこれをやるだけで本当に本試験に対応できるようになるのかと不安になるかもしれません。

しかし、よく言われることですが司法試験は基本的なところが大事です。

私も一年目は重要問題習得講座で問われているような典型問題についてなんとなく理解はできていたが、実際書いてみると満足に書けない状態だったと自己分析しています。

そのため、基本をベースにした応用問題が出題される司法試験においては基本が曖昧で十分な論証ができていないことから、その上の応用はさらにぐちゃぐちゃということに陥る

重要問題習得講座の中で問われているような典型問題を繰り返すことで安定した論述をすることができます

 

重要問題習得講座の具体的な利用方法として、とりあえず実際に答案を書く必要があります。ただ、時間が掛かりますので答案構成程度で留めておくべきでしょう。ただ、この答案構成というものがくせ者で、その程度は人によってまちまちです。

単に骨格だけを書くだけでは十分効果がでないように思うので、ある程度ボリュームのある答案構成をする必要があると思います。

私自身は骨格だけ書いて、論証部分などについては頭の中でアウトプットするなどして時間を短縮していました。

簡単な問題については全部頭の中で答案構成するだけでも十分でしょう

また、わからなかった問題についてはチェックをつけておき完全に解けるようにしておきましょう

時間がなければ、わからなかった問題だけに絞って複数回回すだけでも大丈夫だと思います

 

6,重要問題習得講座の習得の程度

何回も繰り返して即座に答案構成をできるぐらいになるのが理想ですが、丸暗記をしても仕方ありません。

自分の頭で考えて(以前やったものを思い出すだけでないという意味)答案を作れるような程度に持っていく必要があります←ここ重要

これができるようになれば、答練などでもどんどん成績が上がってくるのではないかな、と思います

重要問題習得講座を回していく中で答案作成の基本的な感覚のようなものを身につけることが肝心です

 

なんと言えばいいのか難しいのですが、各講座いずれも「考える力」を養うベースとなるものと考えています