春の激混み診察中に、こっそりサボるのが好きな獣医師youです。
こんにちは。
登場人物紹介◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
:このブログの筆者です。虫歯の治療をしたら知覚過敏に。
サボると言っても漫画読んだりゲームする程度。
:動物看護師長。おたアヒドグーのママ。週5日出勤に昇格(降格)
サボり警察。発見からの逮捕が早いと評判。
:おたま。5歳半児。勝ちにこだわるが、わざと負けるという技も習得。
:アヒル先生。3歳児。座右の銘は「他力本願」。
:ドグーさん。マザコンofマザコン。1歳半。
:アヒル先生のせいにしてお片付けサボることを覚えてきた。
:色々と訳があってここに集まってしまった動物たち。
:ほぼ1日中寝ている。ご飯を探す必要もない。
そういう生き物なので仕方ないが…。
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院長って、かなり混んでいるときにふと手が空いてしまう時があるのです。
そんなときに何するか。
事務仕事が無限にあるのでそれをやるべきなのですが、どうしてもやる気になれないときってあるじゃないですか(大体やりたくない)
そんなときに仕事しても効率悪いので、やらないというのがいいと思うんですね。
と思って裏に隠れてさて遊ぶか…と思うと
ツカツカツカツカツカ
「あの、院長出ないと回らないんで」
大体、座って5分以内に捕まります。
なぜバレているのか。
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今週はちょっと聞き慣れない病気、多発性骨髄腫について書いていこうと思います。
獣医師でもあまりお目にかかる機会がない病気(個人的感想です)なので、読者の皆様には認知度が低いものかもしれません。
頭の隅っこに入れておくだけで、いざという時に早めに治療できるかもしれない…ということで、一緒に勉強していきましょう
○多発性骨髄腫とは
「たはつせいこつずいしゅ」と読みます。
人間では聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
俳優の佐野史郎さんがこの病気にかかったというニュースは、まだそんなに古いものではありません。
世にも奇妙な物語をはじめ、色々な映画やドラマで見ることがある方ですね。
犬では、悪性腫瘍の0.3%、血液系の腫瘍に限定していえば2%程度と稀な病気となっています。
そのために、初めからこの病気を疑うこともあまりないため、診断に時間がかかってしまう場合があります。(これは獣医師側の問題でもあるので、申し訳ないと思っています)
○早期に治療に入りたい病気
そう、そうなんですよ。
診断に時間がかかる一方で、早期治療できるかどうかがその後を左右してしまう病気でもあります。
それなら、少しでも怪しいなと感じたら検査するのがいいのか…というと、診断にほぼ必須な検査の中に「麻酔」が必要なものがあるので、色々な意味で悩まされるのです
診断に関してはまた後日お話ししようかと思います。
○何が原因なの
白血球って知っていますか?
では、白血球にも色々な種類があることをご存知でしょうか。
好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球…などなど。
その中のリンパ球の一種である形質細胞ががん化(無限に増える能力を得てしまう)してしまうことが原因で起こります。
形質細胞は元々、体に侵入した細菌やウイルスを倒すための抗体を作っている細胞です。
この細胞が異常を起こすということは…なんとなく症状も想像できますよね
○様々な症状が出る
検査の異常も含めて、非常に多くの症状が出ます。
なぜそのような症状が出るのかも含めて解説していきます。
a.レントゲン検査での異常
骨が溶けているような画像になることがあります。
虫が木を食べていくように、薄く写ります。
これは、腫瘍細胞が骨を破壊しながら増えていくためです。
そのため、足を引きずったり、動かなくなったり、触ったところを痛がったりします。
どこの骨が破壊されてきているかによって症状は異なりますが、場合によっては全身どこを触っても痛がるなどという症状も見られることがあります。
b.カルシウムの数値が高い
血液検査上の異常ですね。
多発性骨髄腫になった場合の15〜20%ほどで出る可能性があると言われています。
これは、骨を破壊するときに出てくる、または副甲状腺ホルモン関連蛋白というものが関与していると考えられています。
c.感染症にかかりやすくなる
免疫系の異常を起こしやすいため、感染症にかかりやすくなります。
元気なときならなんともないものも、重症化することがあるという意味でもあります。
症状については書ききれないため、続きは次回にしましょう
『時間が無い方はここを読めば大体OKのコーナー』
・多発性骨髄腫は比較的珍しい病気
・早く治療に入るほど、治療効果は高い
・形質細胞ががん化してしまう病気
・様々な症状が出る(歩き方がおかしい、カルシウムの数値が高い、感染しやすいなど)
これで大体完璧ですね
難しい病気ですが、少しずつ紐解いていけば症状も想像できるものです。
また来週をお楽しみに。
検査のお話までできる…かなぁ。
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知らなきゃよかった生き物の不思議のコーナー
「ハチドリは常に○○○していないと死ぬ」
マグロが泳いでいないと死んでしまう、という話はよく聞きますが、ハチドリはどうしたんでしょうか。
ハチドリって、空中で飛びながら静止(ホバリング)して花の蜜を吸うことができる生き物ですよね。
この静止にはかなりのカロリーを消費するらしく、常にカロリー摂取していないと死んでしまうらしいです。
つまり、花の蜜を吸い続ける必要があります。
でも、蜜を吸うためにはカロリーを消費してしまうわけで…常にライフが削られていくゲームみたいですね。
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