(最終更新:2023/8/31)
過去記事リニューアル中
先に申し上げておきますが、この曲は「初音ミクオリジナル曲」ではありません。ご存じの方も多いと想いますが元々はフィンランド民謡です。今回のお誕生日企画は「初音ミクオリジナル曲」だけ特集するつもりでしたが、初音ミクを語るにはどうしてもこの曲は外せない!ということで誕生日企画第4弾は『Ievan Polkka』について考えてみます。もちろん、初音ミクバージョンです。
"動画投稿は2007年9月4日。編曲はOtomaniaによる。原曲はフィンランド民謡。"
動画投稿が古いため「最古のミク曲」なんて言われることもあるとかないとか。原曲は古い民謡なので現在歌われる時に歌詞やフレーズの数に揺れがあるようだ。本動画に使われているのはスキャット部分なので意味はない。(後述)
動画はこちら
楽曲形式は次の通り。
intro-サビ-間奏-サビ-ラスサビ-outro
歌唱パートはサビ?しかない。
イントロはベースとパーカッション、そして「ら」のコーラスによる音楽である。ベースはi-v-i-v-viiをひたすら繰り返す。
サビ?は4フレーズからなる。前半2フレーズと後半2フレーズはそれぞれ同じような形を取る。前半のフレーズは低めのv音からしゃくるように始まる。コード進行はi-i-v-iのカデンツで、副三和音がないためあまり緊張感はない。後半のフレーズはv音からの順次進行の下行から始まり、流れるように進む。コード進行はi-v-v-iで前半よりvが多い分、推進力がある。
間奏は前後半に分かれており、それぞれサビのメロディが使われる。前後半の境目で「Yo!」が入るので、気を抜いているとびっくりする。
ラスサビはサビと一緒。
アウトロは間奏と同じような感じ。
この楽曲の歌詞は大した意味もないのでここでは考えない。そのかわり、みんな知ってるであろうこの楽曲と初音ミクの関係を著しておく。
①フィンランド民謡『Ievan Polkka』が誕生。
↓
②フィンランドの音楽バンド「Loituma(ロイツマ)」が『Ievan Polkka』をアカペラで歌い発表する。
↓
③それとは別に、アニメ『BLEACH』で登場キャラクターの井上織姫がネギを振り回すシーンがネットで話題(ネットミーム)になる。
↓
④Loitumaが歌った『Ievan Polkka』のスキャット部分を井上織姫がネギを振り回すシーンに合わせた動画(FLASH動画など)が「ロイツマ・ガール」と呼ばれ流行する。
↓
⑤Otomaniaが『Ievan Polkka』を初音ミクに歌わせ、それに合わせて絵師の"たまご"氏が「ロイツマ・ガール」を基にした動画を作成し投稿。
↓
⑥この動画も「ロイツマ」と呼ばれるようになり話題に。初音ミクはネギというアイテムを得た。
「ロイツマ・ガール」時代から、原曲の内で意味もなくつなぎで歌う「スキャット」部分が使われているため、聴き心地が良いだけで大した意味はない。この楽曲はネギ以外にも「はちゅねミク」誕生の動画として知られている。「はちゅねミク」とはたまごが作成したSD(スーパーデフォルメ:2〜3等身にデフォルメされたキャラ)の初音ミクであり、動画でネギを振っているアレである。
どんどん創作が連鎖していくことをn次創作とか言うようなんですが、本当にそれですね。様々な文化や資産が多くの人の手によって新しい価値や魅力が生み出されています。この動画の凄いところは、初音ミク発売から4日後には投稿されていることです。ものすごい創作意欲ですよね。できればクリエイターの方々にはもっとたくさんの面白い世界を作り上げてほしいですね。(他力本願)