塩の街 | borderless fingerboard

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message from Y.O.U.

立て続けに有川浩作品。
つい一昨日くらいに「海の底」を読み終わって、そのまま「塩の街」に突入してみました。

相変わらずのぶっ飛び設定はもはや定石。
これがデビュー作ということで、うん、まぁ取っ散らかってました。笑
でも、デビュー作ってやっぱり気合い入ってるんだなぁ、と。
作品の構成が凝っていて、グイグイ引き込まれました。

有川浩作品には設定が突飛なものが多いのですが、それを説明してくれる気が一切ない。笑
読み進めて行くうちに、物語の進行の中で徐々に知っていくわけです。
なるほど、こういう世界観か。
あぁ、こういうことが起きてるのか。

だから入り口では大いに戸惑います。
えっと、なんか変な話が始まったぞ??
これは一体、どういうことだ?

しかし、登場人物の恋愛模様という分かりやすいテーマを推進力に、物語はグングンとその進行速度を増すのです。

このバランスが非常に上手い。
あくまでも恋愛セクションはサブなので、執拗な恋のライバルとかそんなのは出て来ません。
只管に甘ったるい。笑
でも、それくらいじゃないとメインディッシュが霞むんですね。
このさじ加減はデビュー作で既に確立していたようで、有川浩女史、おそるべし。

この「塩の街」という作品は本編と後日譚という構成で文庫化されていますが、正直、本編のラストには物足りなさを覚えました。
強引に畳みにかかったな、という印象。
電撃ゲーム小説大賞の受賞作ですから、もしかしたらコンテストの枚数制限とかあったのかも知れませんが、それにしても駆け足だな、と。
その淡白さを後日譚でフォローした感じを受けました。
本編と後日譚、通して1つの作品と捉えることでようやく完結する物語。
後日譚というと蛇足になってしまっている作品もままありますが、この作品に関しては、付け足されるべくして付け足されたストーリィだな、と思いました。

ところでこれで自衛隊三部作を全て読んだことになりますが(一番好きだな、と感じた空の中の感想をまだ書けてないけど)、全ての作品において「クソ生意気な子供をけちょんけちょんにする」という図式が成り立っている点が、個人的にはとても気持ち良く受け止められました。笑
でもラノベとして発表されてるわけで、つまりこれって子供たちに対する説教だよね、という点に気付いた時、僕の中での有川浩は更に株を上げたのでした。笑

未読の方は、是非とも読んでみて下さい。