2010/08/25 | 茨の海

茨の海

在りったけの花で飾って そして崩れ堕ちて 何度でも 正しくなど無くても 無くても

ぬかるみに足を取られて
動けないと信じていたのに

気が付けば
その両足には

足枷が付いていた。




鍵が無ければ
外しようがない。





何度も同じ道を辿っても
帰り道すら見失ってしまって

それでも
迷いさえ振り切れば

いつか帰れると信じていたのに



地図が無ければ
帰りようがない。





足枷を外すための鍵も
帰るための地図も


はじめから何処にも無かったんだと
言い聞かせて

何度自分を騙せばいい?




限界だと泣く悲鳴(こえ)に
何度耳を塞げばいい?




目的地も分からないのに
傷だらけの脚で

どこまで歩き続ける?





ずっと探してた自分を
いつか取り戻せると信じてた自分を


何処にも存在しないと
心を閉じて。






仕方が無いから
そのまま笑っててあげる。