1987年12月号では、10月に発売された2ndアルバム「NO-NO-YESMAN」について。
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春に発表された「テレビの中に」続く2ndアルバム「NO-NO-YESMAN」がリリースされる。

1st同様、初期の佐野元春を彷彿とさせるポップなメロディと、

多分この人独特の洗練されたビートを持っていることは変わらない。

(自分は佐野さんの楽曲はメジャータイトルくらいしか知らないけど、そうなの?)

けれどすぐに気が付くのは、2枚目のほうがより深く考えられて作られているのだろうなぁという点である。

抽象的な言い方で申し訳ないのだが、もしも1枚目のときに、階段を1段上がったところで考えたとしたら、

今回はそれより3段上のレベルで考えているのではないのだろうか?

「そう思ってもらえると嬉しいですね。1枚目は何も知らないでやりましたから、

一応はステップアップしているんじゃないかと思いますけど (笑)

1枚目のアレンジは完全に1人でやりましたが、今度はキーボーディストの松本君と2人でやってます

それで僕の考えつかないことも彼は考えるし、2倍あるからアイデアは凄く豊富でした。

ただね、それをまとめて組み立てて整理するのが面倒くさいんですけどね。

だから振り返ってみると、かえって時間はかかったんじゃないかなって思うけど」

松本君とは松本晃彦氏 http://www.kimurakan.com/musicians/human/m012.php)

1stが24歳なりの彼の元気さ(彼はこれをSpunkyと呼んでいる)を目一杯体現しているとすれば、

2ndではちょっと格好つけて”おとながっている”25歳のKANクンに会える。

「ま、”おとながっている”というのはサウンド面での狙いですね。

単純なことだから、言うと面白くないんですが。

俗にオシャレと言われている音楽はカフェバー音楽で、

それは厳密にいうとたいしたことなかったりするんですよね。原理的には。

で、まあそういう方法論をとってやったら、こういう雰囲気のやつができたんです」

このアルバムでは、他に何人かの作詞家も起用している。

けれど、彼が自分で書いた詩の時に生まれる男の子のちょっとした自分勝手さとか、傷みとか、

女の子の装飾に甘んじている同性への批判とかは、とても素直に受け取れるのだ。

僕は単純に有名人志向だから、そのための手段としての音楽なんです

たまたま音楽教育を受けていたからこうなったけど、そうでなければどうなっていたか分かりませんし、

音楽は趣味で好きな時に好きな音を出しているだけの方が絶対楽しい

だけど、有名にならなきゃいけないから (笑)

そういう意味ではアルバム作るにしても絶対皆がいいって言ってくれるものを作らなきゃいけない」

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