由紀は大人の階段をどれぐらい登ったのだろうか。
手を繋いだりキスをしたり。そういった行為をしてはきたが、まだその先はない。
数えきれないほどに2人はデートを重ねてきた。今日で何回目のデートだろうか。
直樹と付き合い始めて、気付けばもう冬。
緑でいっぱいの葉は赤やオレンジに色を染め、冬になるとそれらは散りゆき、寂しげな様子を映し出す。
寒空の下、由紀はそんな木々たちを眺めながら、はぁと大きく息を吐き出した。
宙に浮いた息は白くなり、ゆっくりと大気中に消えていく。白くなった息を見ると、冬になったのだと実感する。
冬になったんだと実感することは多々あるが、由紀にはこれが一番の目印だった。
ケイタイがポケットの中で振動した。
由紀は、手袋をとって、ケイタイを見る。
『あと五分で着くよ!』
そんな直樹のメールに由紀は、分かった。そう返信を打った。
ポケットにケイタイをしまった後、光が点在しているのを見て、もうすぐクリスマスだということを思い出す。
クリスマスは、家族と過ごしたり友達と過ごしたり、毎年違った過ごしかたをしてきて、例年通り・・・なんてものは存在しない。
今年はどんなクリスマスになるんだろうな。
期待もあれば、不安もある。
直樹は誘ってくれるだろうか。それとも、用事があるとか言って、誘ってくれないだろうか。
イブに友達の家に泊ってクリスマスも一緒に過ごして・・・なんていう女子会をやったり、家族の人たちと談笑しながら、来年は彼氏と居られるといいね。なんて冗談めかして言われるクリスマス。
どちらも楽しいものだけれど、一番だとはいえない。
イルミネーションが燦然と輝いて、それを寒い中で寄り添いながら2人で見る。
それが一番であると由紀はそう思っていた。
夏に2人で公園にいるときに思い浮かべた、理想のクリスマスが叶えばいいなぁ。
「待った?」
後ろから、直樹の声が聞こえた。
由紀は振り返り、ううん。首を横に振る。
いつも通りの光景。
20分前には着く由紀と時間ちょうどに着く直樹。
時間を守る直樹は悪くない。早くつきすぎる由紀が悪い。
だから、由紀はいつも、私も今来たばっかなんだ。彼に笑顔を向ける。そして、直樹は嘘をつく由紀には気づかずに
「そっか」
彼は由紀の手を握り、どこ行こうか?にこっと笑みを浮かべながら聞く。
この直樹の行動に由紀はいつも不安を感じる。
手を握ることは由紀にとっては依然、緊張する行動だ。
直樹にとっても、最初はそうだったはず。
なのに今は平然と繋ぐ。
恋人なら当たり前なのは分かっているのだけれど、緊張しない。どきっとしない。
それらは、「好きじゃない。」そこにイコールで繋がる気がして・・・。
・・・だめだなぁ。
内心肩をすくめて苦笑した。
せっかくのデートなのに、ネガティブなことを考えすぎている。
デートは苦しくなるためにあるんじゃない。
その人との時間を楽しむためにあるものだ。
当たり前のことをもう一度頭に刻み直す。
「どこでもいいよ」
直樹君と一緒なら。
恥ずかしくなるセリフを飲み込んで、繋がれた手を握り返した。
ゆっくり・・・強く。
いつまでも、いつまでも。この手を握っていられますように。
切に願いながら。
↑ ↑ ↑
押してください~!!
励みになるので
話が進みませんね。
いい加減進展させますww
多分次くらいにでも・・・。。
あと、更新遅くなってすいません><
ちゃんと更新しないとなぁ・・・。
次回は水曜日です!
時間はなうで!