28話 星空の下で | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side悠太~

結局・・・何も変わらない。

せっかく会えた好きな人と話すこともできずに、こうして菜穂と歩いている。

これでいいのだろうか。

割り切ったはずなのに、綾音に会ってしまったためにまたそんなことを考えはじめる。

菜穂はいつも笑顔を振りまいていて、尽くしてくれる。

理想的な女の子だ。

好きになろうとは思っている。理性も徐々に傾き始めている。

それでも、脳裏に浮かんでくるのは綾音だ。

・・・なんで会っちゃったのかなぁ。そう思う。

会わなければきっと、少しずつ確実に綾音の存在を消していけるはずなのに。

運命というものがあるのなら、それはずいぶんと残酷なものだ。

振られても、なお好きでいる。そんな女々しい男に、当の女の子をその場に連れてきてしまうのだから。

「考え事?」

菜穂は心配そうに悠太の顔を覗き込む。

少し、胸が痛んだ。

「いや、なんでもないよ」

悠太は空を仰いだ。

日が暮れて、空は暗闇。その中に点々と光がちりばめられていた。

星を見ると、綾音と初めて一緒に帰った時のことを思い出す。

あの頃に戻れたらな。そんなことを思う。

過去に戻ることはできない。そんなことは分かってはいるが・・・。

時間は確かに、一定のスピードで時を刻んでいく。

過去への願望なんてものは虚しいだけだ。

考えなくちゃいけないのは、未来への希望。隣にいる菜穂との今後。

「この後どうしようか?」

腕時計を見ながら菜穂は聞く。

「もうすぐ帰るか?終電近いし」

「・・・」

悠太の問いに菜穂は不満そうな顔をするだけで何も答えない。

「え、なんだよそれ」

「べっつにぃ~」

菜穂は頬を膨らませて、不満そうに逆の方向を向く。

綾音と菜穂は一切重なることがない。

それが悠太にとってはありがたいことだった。

菜穂は不満な時は頬を膨らませて、綾音は睨んで。

笑顔の時も違う。

菜穂はニコニコした明るい笑顔をいつも悠太に見せていて、綾音は穏やかで優しい笑顔を向けてくれていた。

綾音の笑顔は悠太にとっては特別だった。

友達と一緒にいるときのはしゃいでいるような笑顔。それと悠太に見せるものはまるで別物で。

笑っていることは同じなのに、印象が全く異なって、それが綾音にとって悠太が特別なのだと実感できた。

好きという言葉。

ずっと一緒にいたいという言葉。

どんな言葉をもらうよりも大きく・・・強く。

そんな笑顔に悠太はどんな笑顔で返していただろう。

鏡で見る作り笑顔じゃ分からない、綾音だけに向けた笑顔がそこにあっただろうか。

すごく不安になる。

あの頃の自分はどんなだったのか。綾音の笑顔に相当するものを返していたのか。

もし、違うのならば、特別という意識の欠落で綾音は別れを切り出したのか。

綾音の真意はわからない。

けれど、もっとわからないのは、あの頃の自分。

好きだった相手。その相手が冷めだした頃に、なぜ気付かなかったのだろう。

ちゃんと、悠太は綾音を見ていたのだろうか。

それさえも、疑わしくなってくるんだ。






展開が進みませんww

すいませんw

次回は明後日の木曜日です。

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