1話 平凡と非凡 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

いつも通りの平凡な日常。


普通に登校して、授業を受けて下校して。


景色は何も変わらない。


心の色に変化は見られない。


同じような毎日が淡々と繰り返される。


なにも『変わらない』んだ。


僕が奈々に抱いている思いも。


それを伝えることができないことも。


奈々が気付くことがないということも。


そして、僕らの距離は広がることはあっても狭まることはないんだ。


一気に広がった僕らの距離は修復を不可能にさせる。


喧嘩をしたわけじゃない。


ただ、高校生という思春期に入った。


それと同時期に君が夢を叶えた。


この二つが影響したんだ。


一つ目だけなら僕らの距離は中学生のころと変わらなかっただろう。


けど、二つ目が大きすぎたんだ。


僕とは違った世界に足を踏み入れた君は特別な人。


限られた「輝ける者たち」の仲間入りを果たした。


対する僕は平凡な人間。


どこにでもいるような冴えない男だ。


いくら昔仲が良くてもここまでの差ができてしまうとけん制してしまう。


僕自身が身を引くと同時に君も・・・僕と距離を取るようにしているのだろう。


それが正しい。


雑誌の表紙を飾るほどの君はある程度、名の知れた有名人だ。


記者とかだってマークしているはず。


そんな君が男と二人で歩いてたら・・・昔みたいに一緒に帰っていたらどうなるだろう?


どこかしらの週刊誌に載る可能性は否定できない。


「モデル!!交際相手発覚!」


みたいな見出しで。


だから僕は決めた。


今後、僕は彼女を遠くから見るだけにすることを。


辛い?


そう問われたら僕は辛いと答えるだろう。


絶対に。




今までと違う生活。


君が傍にいなくなってしまう生活は嫌だ。


けど、彼女の夢を尊重する。


壊してはいけないものなんだ。


それが僕にできる唯一の彼女への協力。


奈々。


君は少しでも僕と同じ気持ちを抱いてくれているだろうか?


君の中で僕の存在はどれほどのものなのだろう。


ふとそんなことを考えるときがある。


けど、全く分からない。


「分かる必要もない・・・か」


分かれば辛くなるかもしれないし。


きっと、いいことなんてなに一つない。


『今』の君の想いを聞いても。




4月半ば。


新しい学校での生活はそこそこ充実はしていた。


特別スタートダッシュに遅れたわけでもなく、友達もできて十分普通でありふれた日常を手に入れることができたのだから。


それは君も同じようだった。


友達を作って、いつも笑顔で。


違うところといえば・・・目にクマがよく見られること。


仕事と学校の両立は大変なのだろう。


学校もたまに早退することがあるぐらいだ。


まだ始まったばかりですでに片手は越える回数だ。


大丈夫だろうか?


そんな心配をする。


けど彼女にそんな言葉をかけることはない。


そうあるべきだと思っているから。


「千草さんって可愛いよな~」


そんな話は日常茶判事。


可愛いの基準がどこにあるかは知らないが。


「モデルやってるらしいな~」


僕はすべて知らないふりをして「そうなんだぁ」


そう答える。


幼馴染であるということは誰も知らない。


・・・奈々が言っていないこと前提にする話だが。


まあ、そんな心配はする必要はないだろう。


“奈々だから”




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