101話 選べない・・・。 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「夏帆・・・なんでここにいるんだ?」


「そのセリフそっくりそのまま返すよ」


夏帆は微笑した。


「僕は日本の最北端に来たかっただけだよ。せっかく稚内に来たんだし・・・」


「私もだよ。ねぇ・・・裕樹君」


夏帆は髪を耳にかける。


その仕草を見ると彼女がすごく大人っぽく見える。


「何・・・?」


「できれば夜にここで会いたかったよ」


彼女は僕の目の前に来て、上目遣いで見てくる。


「なんで?」


「ここってさ、夜になるとライトアップされてすごく綺麗なんだよ」


夏帆はそう言って地の牌を見る。


「そうなんだ」


「でも、君と最北端の地にいられて私はすごく幸せな気分だよ」


夏帆は僕の手を握った。


その力はいつにも増して強い。


僕はその手を握り返す。


「裕樹君。昨日はありがとう。ホント嬉しかったよ。でさ・・・言いたいことがあるんだ・・・」


「何・・・?」


「私は・・・君のことが好きです。付き合ってください・・・」


夏帆の目は真剣。


冗談じゃないのは瞬時に分かった。


嬉しい反面・・・辛い。


由美の顔が浮かび上がってくるんだ。


夏帆からの告白・・・。


いつかは言われると思ってた。


でも・・・。


「裕樹君・・・」


夏帆が顔を近づけてくる。


ここでキスをしなければ、悲しい顔で僕を見て別れを告げるだろう。


それは・・・どうしても嫌なんだ。


分かってる。


どっちかを選ばなくちゃいけないことぐらい・・・。


両方を望むことはできないことぐらい。


でも、僕は選べない。


二人とも大切な人だから・・・。


僕は、夏帆を失いたくない。


その想いが頭の中にいっぱいに広がった時、


僕は今までにしたことがないくらい重いキスをした。