100話 最北端の地で | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

楓はちょうどいいことに、他の女友達といる。


夏帆も女友達といる。


隼人も友達と。


完璧に一人だ。


どこに行こう・・・。


僕はパンフレットを見る。


何箇所かの観光スポットがある。


どこに由美はいるだろうか?


今の時間は午後2時。


また、ここに戻ってこなくちゃいけないのは6時。


あんまり遠くには行けない。


もし、遠くに行くならチャンスは一回しかない。


4時間しかないし・・・。


僕はそんなことを考えながら由美に電話をかけた。


・・・。


繋がらない。


どうやら、電波が悪い所にいるらしい。


由美の性格を考える。


由美ならどこを見に行くだろうか?


・・・いや、もしかしたら由美も同じ考えをしているかもしれない。


僕が行きたい場所を・・・。


そう考えると分からなくなってくる。


どこに行けばいいんだ・・・?


その時、一箇所僕の目に留まるところがあった。


由美なら・・・絶対に行きたい場所・・・。


宗谷岬。日本の南が始まる最北端の地だ。


僕がいるのは稚内駅周辺。


どう考えてもかなりの時間がかかる。


往復だけでも6時までに戻ってこれないかもしれない。


でも・・・そんなの関係ない。


きっと、由美はここにいる。


僕はそう信じて電車に乗り込んだ。


けっこうな時間をかけてその周辺の駅に着いた。


僕は宗谷岬がある、宗谷公園に向かう。


小降りの雨が降っているせいで人影は少ない。


走ろうとするが腹部が痛くて走れない。


由美はいるだろうか?


普通に考えているはずがない。


自由時間が被っているとはいえ、


同じ時間に同じ場所。


会えるはずがない。


会えたら、それは奇跡。


せめて、携帯が使えれば・・・。


何て事を思っても、繋がらないものはどうしようもない。


公園を横切って宗谷岬の文字通り最北端にある


地の牌がある場所に辿り着いた。


観光客は一人もいない。


と思ったら、そこから海を眺めている一人の少女がいた。


一瞬、由美かと期待した。


けど、違う。


そこにいたのは夏帆だった。


なんで、夏帆が・・・。


少しの落胆と少しの不安が僕の胸の中にあった。


そして・・・嫌な予感が・・・。


時刻は午後3時半。


陽が少しずつ傾いている時間帯・・・。