『そういえば・・・さ』
僕はその紙を拾い上げる。
『何?』
由美も沈黙をやめる。
『今度修学旅行が、あるんだよ』
『え?』
唐突でさっきと何の関係性もない話に由美は素っとん狂な声を上げた。
『いや・・・紙が転がってたから・・・』
『そっか。私たちももうすぐ修学旅行だよ?』
『そうなんだ。どこに行くの?』
『北海道だよ』
由美がそう言ったと同時に僕は紙を見た。
行き先のところを・・・。
北海道。
そう書いてあった。
『由美・・・いつ行くの?』
『10月の15から23だよ』
僕はその言葉に苦笑した。
僕らが行く日にちは20から27だった。
三日間同じ場所にいるんだ。
『裕樹君?』
『あ、ごめん。僕らは20から27。三日間同じ北海道にいる』
『そうなんだ?じゃあ、会えるといいなぁ』
『うん。会いたいけど、北海道広いからなぁ。近くにいたら会おう』
僕は、カーテンを開けて窓から外を眺める。
少しづつ太陽が昇ってきているのか、さっきより明るくなっていた。
けれど、まだ6時。
完全には太陽は昇っていないが。
それでも、明るい。
今が冬ならもっと暗いだろうか?
まあ、基本的に起きるのはもっと遅いから
分からないけど・・・。
『裕樹君・・・』
由美の静かな声。
すごく静かな・・・。
『何?』
『会いたいな・・・』
グスン。
『由美・・・泣いてる?』
『泣いてない・・・よ』
由美はそう言ったけどきっと泣いてる。
なんとなく・・・なんとなくだけど由美の表情が想像できるんだ。
そして・・・月日が経って10月を迎える・・・。