86話 罪悪感 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side裕樹~


メールを打ち終わった後、僕は罪悪感に包まれる。


由美が好き?


確かに好きだ。


離れていても気持ちは一つ?


思い出すだけで吐き気がする。


夏帆のことの方が好きなくせに?


全く思っても見てないことをぬけぬけと・・・。


よくそんなことを打てたものだ。


思わず自分のふてぶてしさに感心する。


その時、由美からの電話が鳴った。


僕はそれに出るか迷う。


罪悪感でいっぱいの僕が、今由美にどんな言葉をかける?


これ以上嘘をつく?


さすがにそれは嫌だ。


だから・・・電話に出たくない・・・。


僕は着信音が鳴りやむのをじっと待つ。


けど、一向に止まる気配はない。


・・・出ろってことだよな。


電話越しに由美に呟いた。


『もしもし』


『ごめん、起きてた?』


君の第一声は僕を気遣う優しい言葉。


・・・由美らしいな。


『そりゃ・・・僕からメールしたんだし・・・』


そう言った自分に舌打ちする。


間違いなく彼女にかける言葉じゃない。


『裕樹君・・・ありがと・・・』


『え?・・・何が?』


僕は反射的に聞いてしまう。


『メール・・・嬉しかった』


ズキン・・・。


心が痛む。


僕は由美が好きだ。


これからも由美と付き合いたいと思っている。


なのに・・・。


なんだよ?


『・・・どうしたの?』


何も言わなかった僕に対して由美が不安そうな声を出した。


『あ・・・ごめん』


僕は携帯を手に持ったまま立ち上がる。


なんか、じっとしてられなかったんだ。


君との会話が苦しすぎて。


息がつまりそうになる。


大切な人との会話なのに。


『・・・』


『・・・』


お互いに無言になる。


話す話題は山ほどある。


学校生活のこと。勉強のこと。家のこと。梨香さんのこと・・・。


色々ある。


けど、なにから話せばいいかわからない。


それに、由美はどう思っているかわからないけど、


僕は・・・。


その時、一枚の紙が目に入った。


その紙は今度ある修学旅行のお知らせだった。