~side裕樹~
メールを打ち終わった後、僕は罪悪感に包まれる。
由美が好き?
確かに好きだ。
離れていても気持ちは一つ?
思い出すだけで吐き気がする。
夏帆のことの方が好きなくせに?
全く思っても見てないことをぬけぬけと・・・。
よくそんなことを打てたものだ。
思わず自分のふてぶてしさに感心する。
その時、由美からの電話が鳴った。
僕はそれに出るか迷う。
罪悪感でいっぱいの僕が、今由美にどんな言葉をかける?
これ以上嘘をつく?
さすがにそれは嫌だ。
だから・・・電話に出たくない・・・。
僕は着信音が鳴りやむのをじっと待つ。
けど、一向に止まる気配はない。
・・・出ろってことだよな。
電話越しに由美に呟いた。
『もしもし』
『ごめん、起きてた?』
君の第一声は僕を気遣う優しい言葉。
・・・由美らしいな。
『そりゃ・・・僕からメールしたんだし・・・』
そう言った自分に舌打ちする。
間違いなく彼女にかける言葉じゃない。
『裕樹君・・・ありがと・・・』
『え?・・・何が?』
僕は反射的に聞いてしまう。
『メール・・・嬉しかった』
ズキン・・・。
心が痛む。
僕は由美が好きだ。
これからも由美と付き合いたいと思っている。
なのに・・・。
なんだよ?
『・・・どうしたの?』
何も言わなかった僕に対して由美が不安そうな声を出した。
『あ・・・ごめん』
僕は携帯を手に持ったまま立ち上がる。
なんか、じっとしてられなかったんだ。
君との会話が苦しすぎて。
息がつまりそうになる。
大切な人との会話なのに。
『・・・』
『・・・』
お互いに無言になる。
話す話題は山ほどある。
学校生活のこと。勉強のこと。家のこと。梨香さんのこと・・・。
色々ある。
けど、なにから話せばいいかわからない。
それに、由美はどう思っているかわからないけど、
僕は・・・。
その時、一枚の紙が目に入った。
その紙は今度ある修学旅行のお知らせだった。