79話 夏帆の告白 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

由美・・・。


「っ・・・」


僕は反射的に唇を離した。


「どう・・・したの?」


不思議そうで・・・少し悲しそうな顔で僕の方を見る。


「いきなりキスはやめろよ・・・」


「でも・・・やっと会えたんだからいいじゃん」


「夏帆・・・お前には彼氏がいるだろ・・・」


僕がそう言うと、夏帆の表情が険しくなった。


「隼人のこと・・・?」


「うん」


「私は別に隼人のこと好きじゃないよ・・・」


夏帆は少し切なそうな顔を見せる。


「好きじゃない・・・?付き合ってるのに・・・か?」


「政略結婚・・・みたいな感じかな?昔から決まってた許婚」


「許婚・・・?なんで・・・?」


「うちの会社が潰れそうだから。今ピンチなんだって。だから、山岸財閥の御曹司と結婚するらしい」


政略結婚って・・・。


「じゃあ・・・愛のない結婚ってこと?」


「どうだろうね?隼人は私のこと好きらしいよ」


苦笑しながら夏帆は言った。


「そっか。じゃあ、質問」


「何?」


「夏帆は隼人と結婚するの?」


「どうだろうね。このままだったら結婚するのかもね。でも・・・だからこそ・・・」


夏帆は僕の目を見る。


「今は君と一緒にいたい・・・」


「え・・・」


「大好きだった君と一緒にいたい」


「隼人にばれたらどうすんだよ」


僕は冗談交じりに聞いた。


「もし・・・ばれたら」


夏帆は右手で銃の形を作って僕の左胸に当てた。


「ドン!!」


「なんだよ?」


「こうなるだろうね」


「・・・僕は殺されるのか?」


僕は内心肩をくすめて苦笑する。


「暴力団関係と繋がりがあるし、裏金とかもやってるって噂だしね」


「ずいぶん危ないなぁ」


「まあ、所詮噂だけどね。それよりさ・・・さっきの返事は?」


夏帆が少し真剣な表情になった。


「返事って・・・?」


折角話を逸らしたのに・・・。


「また・・・付き合うこと。誰にもばれないように・・・」


この問いに僕は戸惑うんだ・・・。


答えなんて決まってるはずなのに・・・。